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#エッセイ
重い荷物を一つ下ろそうとしている 【山ごもりの夏休み③】
今日は一日中、テントの中でじっとして過ごすことに決めた。
本当は立山に登る予定にしていて、そのために昨日は早く寝たのに、4時に起きたら土砂降りの暴風雨で、寝袋の頭の紐をギュッと締めて二度寝を決め込んだ。
その後、また起きてもまだ雨で、寒くて寝袋にくるまったままタブレットでAmazonプライムの映画をいくつか見た。
「春を背負って」という映画が立山が舞台らしく見てみることにしたら、豊川悦司が60kg
嵐の夜に、独白は「毒吐く」
「いっそ死んでしまおうか」と心の中で呟いた。そのカジュアルな響きに、さほど驚きもしなかった。単調でモノクロな毎日を「穏やかな日常」と呼べるほど、私は老いぼれてなんかいなかった。
色んなことのタイミングが、本当に良くなかった。私はイライラしていたし、そのことがより一層状況を悪化させた。何をしても上手く行かず、全てが味気なく、そして私の人生だけがひどく「失敗作」のように思えた。
いわゆる「負の連鎖」
第十九話 「この町から出て行く人ばかり、来てくれたのは本当にこの町の希望になる」
移住してすぐのこと。
やはりこの町に移住してくる若者は相当珍しかったようだ。
借りた家のある地区では100世帯あるが、
移住者は実に50年ぶりだそう。
「この町から出て行く人ばかり、
来てくれた三井さんはこの町の希望だよ!」
「若いからパソコンできるでしょ?パソコン教えてね!」
「この重い荷物運んでもらえる?」
「新しい事業をやりたいから智恵をかしてほしい。」
頼られるのが嬉しくて、最初はなん