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子どもは大丈夫!


サッカークラブに身体の大きな少年がやってきた。彼は運動が苦手でした。でも弟が楽しそうにサッカーをやっている。それを見て身体がウズウズして、自分もやってみようと始めたのでした。

不器用ながらもみんなについていこうと、ボールを追いかけます。始めは明らかに大きな差がありました。おどおどした様子で、不安そうな表情。それでも時間と共に慣れてきて、仲間にも馴染んで徐々にチームの一員。2ヶ月ほど経って、そういう雰囲気が出てきました。


そんなある日、お母さんが心配そうに現れました。

「弟の方は心配ないけど、お兄ちゃんは運動が苦手だから心配なんです」

本当に心配そうな表情で、陰からずっとお兄ちゃんを見つめました。


そして、練習がもう少しで終わりそうなその時、急にドテッと大きな音と共にお兄ちゃんは倒れました。足を捻挫してしまったのです。お母さんの心配が呪いとなって彼に届きました。

彼はついていけていました。大丈夫だったのです。確かに不器用ではありましたが、何も問題はなかったのです。でもお母さんの強い心配ビームを浴びて、彼はお母さんの心配を実現させてあげた。そんな風に見えました。


子供は大人が思っているより強いし、しっかりしているように思います。彼が必死についていこうとする姿。そしてチームの一員として馴染んでいく姿を見て、そのことを感じました。

大人ができることは、心配はそこそこに、大いに信頼してあげる。
そう感じた出来事でした。


子どもたちの素敵なスポーツライフを願っています。






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