no title.1
「自分を大切にしてね」と、
たくさん言って来たし、言われてきた。
でもそのことがずっとよく分からなかった。それは表面的にするすると流れていき、五感での手触りは掴めずにいた。
なんとなくそれは「正しい」表現だし、みんな使っているわけだから、それは「ありきたりな優しさの代用品」としてとても便利な一言だったのだ。そして同時にそんなフレーズにゆるゆると飲み込まれている自分自身に、見過ごせない違和感ばかりが募っていった。
あれの真意は何なのか。
正直どうでもいいのだろう。人の価値観は