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名曲が持つ偶然的必然という普遍性
ポール・マッカートニーが、アルバム『タッグ・オブ・ウォー』のレコーディングをしていた頃のお話。
『タッグ・オブ・ウォー』には、スティービー・ワンダーほか大物ミュージシャンが何人かゲスト参加していたが、そのうちの一人、カール・パーキンスとの間に起こった、ちょっと不思議なエピソードを紹介したい。
最初に断っておくと、この話自体は、もしかしたらビートルマニアの間ではすでに有名な話かもしれない。
「
埋もれがちな名曲を紹介 その6
初めて聴いたジプシー・キングスはちょっとした衝撃だった。
それまで歌謡曲やポップス、あるいは普通のロック系の洋楽を聞いてきた僕にとって、ほとんど初めて聴く彼らのスパニッシュ系というかフラメンコ系のギター曲はものすごく斬新に聴こえた。
それまでもブルースとロックのクロスオーバーや、ジャズ系のフュージョン曲というのは存在したが、フラメンコ系のラテン音楽とポップスの融合みたいな曲は彼等が初めてだった
埋もれがちな名曲を紹介 その5
僕がまだ中学生くらいだった頃、なぜかTVやラジオを通して耳にする楽曲には、トランペットの演奏曲が今よりは多かったように思う。
理由はよくわからないが、たぶん、当時のバンド構成が、小さなオーケストラ的なものを指向していて、バンドだったら管楽器があって当たり前だよね、的なイメージがあったからかも知れない。
その中でも特にトランペットは、ボーカルがいないバンドでも、主旋律を目立つ形で聴かせる便利な楽
ベルリンで天使は翼を広げた 1
はじめてベルリンを訪れたときの話ちょっとベルリンの話を書いてみようと思う。
と、いっても昔の話だ。
どれくらい昔かというと、最近の若者にとっては大昔だが、僕自身にとってはわりと最近のことのように思えて、でも実際には10年前のことなのか、それとも20年前のことなのか、あるいは昨日のことなのか、あまりはっきりとしない、あやふやな<記憶>とやらの、時間感覚が停止した世界での出来事の話だ。
そうだ、あ
埋もれがちな名曲を紹介 その4
邦楽を聴いて「古臭い」と思わなくなったのはいつ頃からだろう。
70年代、僕がまだ中学生だった頃、ステレオのラジカセを買ってもらって洋楽に目覚めてからは、それまで聴いていた、というか自然に耳に入って来ていた、いわゆる歌謡曲とか、TVの音楽番組で流れてくるような流行歌の類は、なんとなくそのスタイルが遅れているというか、古臭く感じられることが多かった。
かなり良い曲を書くシンガーソングライターとかで
埋もれがちな名曲を紹介 その3
確か1年くらい前、とある仕事の現場で若い男と一緒に働く機会があった。
休憩時間にその男に話かけてみると、実は普段、バンド活動をしていて、ミュージシャンを目指している人だと分かった。
どんな楽器を演奏してるの?と聞くと、その男は
「ドラマーです」
と答える。
僕は音楽に関しては、聴く専門で、楽器の演奏に関しては、楽器のいかんにかかわらず全く分からない。分からないけど、なんとなく、ちょっとだけ知
埋もれがちな名曲を紹介 その2
前回は、アルバムの中でシングルカットされず、名曲なのに知名度が低い曲ということで1曲紹介してみた。
今回は、そもそも最初からジャンルごと知名度が低いので、埋もれがちどころか、どっぷり埋もれている名曲ということで、民族音楽っぽいところから1曲紹介してみようと思う。
その曲の名は「チチカカ(Titicaca)」。
アンデス山中にあるチチカカ湖のチチカカで、いわゆる「フォルクローレ」と呼ばれるジャ
埋もれがちな名曲を紹介 その1
ネットで音楽を聴くことが当たり前になってずいぶん経った。
僕が若い頃は、音楽はLPやラジオのエアチェックで聴くのが当たり前で、その後はわりとすぐCDの時代になったけど、それでもお気に入りの音楽は、そのアーティストが発表する<アルバム>単位で聴くのが当たり前という時代がずっと続いた。
アルバムには良い曲もあれば、捨て曲というか、アルバムを埋めるためにだけ作ったみたいな駄曲もたまにはあったけど、全
アンナ・カレーニナの冒頭だけで分かる、文豪トルストイの凄さ
最近、とある質問&回答系SNSで「幸福はバリエーションがないのに不幸にはバリエーションがあるのはなぜ?」という趣旨の質問があった。
僕にはすぐに答えが分かったが、質問者がなぜこの質問をしたのか、その意図がいまいち分からなかった。
というのも、このような質問が思い浮かぶ時点で、その質問者はすでに答えを知っている可能性が高いからだ。
もしかして回答者たちの哲学的素養を試してるのかな? と思いつつ
自己紹介代わりに自著紹介をしてみる
本を書いたのでその内容を紹介してみる先月、とある一冊の本が書店に並んだ。
特にどこかで事前に話題になるということもなく、わりとひっそりと書店の棚に並んだ。
その本の名は、
『旅路の果てに: 人生をゆさぶる〈旅〉をすること』(春秋社)
実は筆者が書いた初の著作だったりする。
ということで、ここでは自己紹介のかわりに自著紹介をしておこうと思う。
「旅の本なの、それとも違うの?」という疑問に答
<鶏が先か、卵が先か?> 2000年来の論争が今夜、ついに決着!
何人も反論できない<正答>を示す !?
あまたの知性を悩まし、あるいは惑わし、終わりのない論争と果てしのない考察を経てなお、いまだその結論を見出すことができない難問中の難問である<鶏が先か、卵が先か?>問題。
ついに何人も反論のしようがない明確な正答を示すときがきたようなので、ここにその考察の記録を残しておくことにしようと思う。
、、、というのはまあ、半分冗談ではあるが、この命題は、明らかに