見出し画像

自己紹介代わりに自著紹介をしてみる

本を書いたのでその内容を紹介してみる

先月、とある一冊の本が書店に並んだ。
特にどこかで事前に話題になるということもなく、わりとひっそりと書店の棚に並んだ。

その本の名は、

『旅路の果てに: 人生をゆさぶる〈旅〉をすること』(春秋社)

実は筆者が書いた初の著作だったりする。

ということで、ここでは自己紹介のかわりに自著紹介をしておこうと思う。


「旅の本なの、それとも違うの?」という疑問に答えると……

この本、タイトルにある通り<旅>に関する本ではある。
こう書くと「なんだ、旅の記録本か、他人の旅行記になんて関心ないよ」
と思れてしまうかも知れない。

そう思った方、ちょっと待ってほしい。
この本のテーマは<旅>ではあるが、その<旅>の本質とは何かということに迫っていく考察の過程が一番の注力点で、単に観光や旅行の記録について書いた本というわけではないのだ。

なるほど、最初のうちは国境を越えたり、文化圏を越えたりする<越境>が<旅>として描かれている。しかし、越えるべき<境界>は、何も地理的だったり文化的現象だったりするだけじゃない。

というより<境界>を作り出すものの正体を突き詰めると、結局のところ、それは人の観念であり、真にこの<境界>を越えようと思うなら、その観念が作り出している幻影の壁を乗り越えていかなければならない。

<旅>の本質とは、観念がつくりだす<境界>を越えていくこと

ということで最終的に、この本では<旅>の名のもとに、人の観念とその本源である相対的二元性を越えていくことを真のテーマにしている。

なので特に旅には興味がないという人でも、もしも人生に何がしかの閉塞感や息苦しさ、生きづらさなどを感じているなら、<自己>を閉じ込める観念という名の<境界>を越えるためのヒントを見つけることができるかもしれないという、精神的実用性もある本なのだ。

いや、もっというなら<人生という名の旅路を歩むすべての人>におすすめしたい本なのである。

90年代後半、カオサンの主だったジミー金村氏も登場!

もっとも、個人的な旅の記録がまったく書かれていないというわけでもない。具体的なエピソードとしては、90年代にバックパッカーとして訪れたバンコクのカオサンでの出来事や、”ゴッサムシティ”ことコルカタのバクシーシ事情など、当時、同じような旅をしていた人なら懐かしく思ってもらえる内容があるかも知れない。

特にバンコクを根城に活躍していたジミー金村氏(ジミーくんバスマップの作者)と一緒に、パンガン島でセミリタイアしていた元祖バックパッカー老人を訪れた話は興味を持ってもらえるかと思う。

オキテ破りの贅沢なカラー写真構成、その項数なんと32p!

これだけでも十分魅力的な内容かと思うが、この本の魅力はそれだけではない。

なんと、ちょっとした写真集並みの贅沢な構成で、総数44点にも及ぶカラー写真が32項にもわたって掲載されているのだ。

これは筆者の本業が元々写真家ということで、本文のストーリーとは直接関係ない写真でも、当時の旅の雰囲気を体感できるものを写真作品として掲載しているからなのだ。

内容を補う口絵的扱いではなく、一枚の作品として見てもらえるよう、一点で2ページを使って構成した贅沢なページもあるくらいだ。



ということで、この本の内容と魅力をまとめておくと……

  • <旅>の本質としての観念からの<越境>について

  • <自己>を閉じ込める<相対的二元性>という観念の本源からの解放と幸福について

  • 今となっては貴重なドキュメント作品としての写真群

  • ノスタルジックなバックパッカーの旅の記録

といったところだろうか。

結論:ジャンル分けが難しい内容かもしれないけど、おすすめ

ということで、なかなか手に取って確かめられない人のため、その内容をまとめて紹介してみた。

正直、自分自身、他に同じような類書を見たことがないくらいなので、書店のほうでも置いてある棚が「写真一般」のコーナーだったり「ドキュメント・紀行文」のコーナーだったり「エッセイ」のコーナーであったりと様々で、そもそも何の本か分かってもらえていない説があるくらいなのだが、これで少しはポチっと買ってみよう、と思ってもらえたのではないだろうか。

この本がヒントになって、真に<自由に生きる>ことの意味を見出してもらえるなら、これに勝る喜びはない。


この記事が参加している募集

推薦図書

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?