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創作に役立ちそうな記事

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小説やエッセイを書く上で役立ちそうな記事を集めてみました。自分にも、他の皆様にも役に立てれば良いと思っています。
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#エッセイ

【コラム】『トイ・ストーリー』の面白さを、構造化して考えてみた

【コラム】『トイ・ストーリー』の面白さを、構造化して考えてみた

脚本スクールに通いはじめて約1年、物語術を知識として勉強するようになり、映画やドラマを観る視点も変わってきました。

具体的には、ストーリーを構造で捉えて、「この映画が面白い理由(あるいはつまらない理由)」を論理で考えようと試みる習慣がついてきました。

まだまだ粗い分析ですが、それでも過去観た映画なんかを改めて今観てみると、「なるほどそういう仕組みだったか」と新たに気づくことも増えた。

そんな

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2024 自分しか読まない同人誌を作る

2024 自分しか読まない同人誌を作る

こんにちは。白です。
抽選に受かったら十二月の文学フリマ東京に参加します。売り物どうしよう。既刊あるけど。
今回はわりと気が狂ったこちらの話題です。ではどうぞ。

私はときどき、自分しか読まない同人誌を作って印刷することがあります。
以前セブンイレブンの小冊子印刷を使って自分専用の小冊子を作る話をこちらに書きましたが、それの同人誌版です。

文章を長年書いていると、文章を書くための材料や下書きが溜

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辞書を全部読むと文章力は上がる?←オジサンが美味しかった

辞書を全部読むと文章力は上がる?←オジサンが美味しかった

オジサン(私)が、オジサンを食べる。

辞書を全部読んだら”オジサン”を食べることになったのだ。

と思った人も大丈夫。
最後まで読めばわかるから。

さぁ、過去に戻り、経緯を記そう。

この記事は、エッセイであり、調査報告書であり、未来への提言である。

1.きっかけ

そう思っていたとき、自宅の本棚で見つけた。

『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』だ。

読んだことはあったが、

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【発想の転換で物語は紡がれる】今日からできる創作の「アイデア」を生み出す方法(2017年10月号特集)

【発想の転換で物語は紡がれる】今日からできる創作の「アイデア」を生み出す方法(2017年10月号特集)


 小説や童話の場合は、実体験ではない話でも、現実にはありえない話でも、なんでも自由に想像できる。その発想法を解説します。

既存の発想法は役に立たない。創作系は言葉から発想する 世の中に発想法はいろいろあるが、小説・童話は言葉から連想していったほうがいい。

たったひとつのことばが物語を生むことも

 落語に三大噺がある。お客にお題を三つもらい、その3つを入れ込んだ話を即興で作るというもの。
 

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【感動を生むのは技術力ではない】エッセイを深めるために必要な自分との対話とは(2014年8月号特集)

【感動を生むのは技術力ではない】エッセイを深めるために必要な自分との対話とは(2014年8月号特集)


※本記事は2014年8月号に掲載した山田ズーニー先生のインタビューを再掲載したものです。

「経験で書く」ことの大切さ――会社を辞め、38歳から書き始めてプロになられた山田先生が、エッセイを書くときに一番大事にしていることは何ですか。

 文章表現インストラクターとして、下は10代から上は90代まで、何千人もの人たちの文章を見てきました。その経験から思うのは、たとえ初めて書く人でも、自分の経験に

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【経験はそれだけで価値がある!】あなたの体験を価値ある作品に昇華する方法(2017年10月号特集)

【経験はそれだけで価値がある!】あなたの体験を価値ある作品に昇華する方法(2017年10月号特集)


ここでは1つの体験から、川柳、エッセイ、小説にする方法を考えていく。

そんなことあったな…という記憶がよみがえる例えば…
「似顔絵」というテーマを与えられて、そこから連想される出来事をあれこれ考えていたら、遠い昔、子どもが幼稚園で似顔絵を描かされ、そのとき、妻の似顔絵に角をはやしてしまったことを思い出した。

川柳にするなら…

 川柳にする場合は、まず出来事のどこに焦点を当てるかを考える。川

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【やみくもに入れても意味がない!】「ここぞ!」というときに効果的な文章を入れる技術(2018年4月号特集)

【やみくもに入れても意味がない!】「ここぞ!」というときに効果的な文章を入れる技術(2018年4月号特集)


よくぞこんな表現をしたものだ、どうしてこんな構成ができたのか。そんな名人芸と言われるような表現、構成を紹介しよう。

ここぞというときに比喩を使え!村上春樹が変えた表現の常識

作家の駒田信二著『駒田信二の小説教室』にこうある。

 以前はこれが常識だった。今も過剰な比喩はよしとされない。文章は平明、簡素がよく、小手先のテクニックに頼らず、まずはしつかり情景描写すべし。
 全くそのとおりなのだが

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【全体があってこそ、名文は輝く】その一文を読み手に正しく伝える方法

【全体があってこそ、名文は輝く】その一文を読み手に正しく伝える方法


 刺さる一行だけでは成り立りません。
 文章全体がしっかり書けていて、初めて成り立つものです。
 刺さる一行を書く前に、どうしたら正確に伝えられるか、まずはこうした基本のテクニックを身につけておきましょう。

剌さる一行と文章全体は花と木のような関係 刺さる一行と文章全体は、花と木のような関係です。木がなければ花は咲きませんし、花だけあっても、花以外の部分がなければ美しさは半減します。
 文章も

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【アイデアが良いのに落選する原因とは?】入選の精度を上げる11のポイント①(2017年10月号特集)

【アイデアが良いのに落選する原因とは?】入選の精度を上げる11のポイント①(2017年10月号特集)


 ここまで「最初の思いつきの発想やひねっていない作品では予選落ち」と説明してきたが、実はアイデア自体はよくても、予選であっさり落ちてしまう理由はほかにもある。
 ここでは「入選するにはもう少し精度を上げておきたい」という11のポイントについて説明する。

1.趣旨とあっていない応募要項には書いてなくても、求められる趣旨を踏まえないと入選しにくいことも!

 公募と主催団体の趣旨からすると、「こん

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【実例でわかりやすく解説】「書き出し」と「終り方」の妙とは?(2016年11月号特集)

【実例でわかりやすく解説】「書き出し」と「終り方」の妙とは?(2016年11月号特集)


 エッセイには入り口と出口が必要です。そこでプロの物書きはどのように書いているのか、実例を通して解説します。

プロはどう書き出しているか、実例を見て参考にしよう! ここでは、手元にあったエッセイの中から、先が気になるような書き出しをしているものを紹介します。

書き出しは凝らなくていい。「?」があればなおいい 書き出しは重要です。できれば、先が読みたくなるようなことを書きたい。
 しかし、実際

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【何をしたら盗作になる?】歴史と実例から見る小説盗作・盗用問題(2018年2月号特集)

【何をしたら盗作になる?】歴史と実例から見る小説盗作・盗用問題(2018年2月号特集)


盗作の理由、方法は時代によって違う 小説の盗作騒動は明治期にはあまりない。小説自体が海外文学の翻訳、翻案時代だったからだ。大正期になると流通の発展などにより流行作家が生まれるが、盗作騒動が起きるのは多くは戦後。

 なぜ盗作するのか(なぜ盗作になってしまったか)には3つの理由がある。
 1つは、有名になりたかったから。それには自作の小説が必要だが、書けなかったので借用(盗作)したというわけだ。

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【物語に必要な要素とは】基本要素を押さえて物語として成立させる(2012年4月号特集)

【物語に必要な要素とは】基本要素を押さえて物語として成立させる(2012年4月号特集)


物語の基本構造 プロップは31の機能を挙げましたが、これらはすべて使われるわけではなく、「留守/禁止/違反/欠如/出発/手段の獲得/競争/勝利/欠如の解消/帰還」でも物語は成り立ちます。
 これをさらにつづめ、絶対的に必要というものだけを挙げれば、「出発/帰還」が残ります。これが物語の基本構造です。

 つまり、物語というのは、「どこかに行って帰ってくる」という構造を必ず持っていることになります

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【入選することだけが目標ではない!】創作を楽しく続けていくためのコツ(2018年11月号特集)

【入選することだけが目標ではない!】創作を楽しく続けていくためのコツ(2018年11月号特集)


やる気がなければ壁は破れない! たとえば、映画を観て、「私も映画を作りたい」と思う人もいれば、「脚本を書きたい」「原作の小説を書きたい」と思う人もいる。
 もちろん、「自分で作ろうとは思わない」という人もいる。
 その差は可能性の有無。自分にもできそうだと(思い込みでも)思えた人はやる気になる。
 このとき、やる気にさせた最初のきっかけは、「感動を伝えたい」「お金持ちになれる」「有名になれる」な

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 【「私」にしか書けないものが必ずある】簡単なコツをつかめば文章にも「個性」が生まれる(2018年4月号特集)

【「私」にしか書けないものが必ずある】簡単なコツをつかめば文章にも「個性」が生まれる(2018年4月号特集)


 全く書けないわけではないが、どうもありきたりな文章だと思う、読む人に伝わらないと思ってしまう。そんなお悩みを解決しよう。

解決策①:一点突破で、ある面をとぎすます「私」は世界に一人、「私」を書こう!

 ありきたりとは、珍しくない、ありふれている、平凡という意味。
 そうなってしまうひとつの原因は、正しいことを書こうとしすぎること。客観的な正論もいいが、報道の文章ではないので、それをそのまま

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