見出し画像

私は、特別じゃない。


「8月、もう終わるのか…。」

独り言が、部屋にポツンッ…と落ちた。


クーラーの効いた部屋に寝そべり、

猫のような欠伸ををする、休日の午後。



私は、白い天井をぼーっと眺め、

この夏を思い出していた。



悲しくもない、嬉しくもない、

 ただ、時間が流れるだけの平凡な毎日。

     

……人生は、特別なものじゃない。

小説や映画のようなことは、起きないのだ…。



一人暮らしの、狭い部屋。

午後の陽だまりが、薄いカーテンを通り抜けて、

部屋の片隅に集まっていた…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれから、少し昼寝をした。

…目覚が覚めると、夕方5時半。


右目をこすり、ゆっくりと立ち上がる。


そして、グーの手を上に伸ばしながら、

大きく背伸びをした。


「…んんんんーー!」


ーーーーーーーーーーーーーーーー


空が、暗くなり始めた。


私はキッチンに立ち、夕食の準備を始める。

…野菜を刻む音が、部屋に響く。



……今日は、何もしなかった。

   …でも、まぁ、

      特別なことが無くても、人生は進むから___。



一人暮らしの狭い部屋に、湯気が立つ。


余り物で作ったみそ汁が、

思ったより美味しくて、、、身に染みて、、、


……なんだか、感動してしまった。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?