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「変な英語教師」の日常

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「変」というと語弊があると思うのですが、インパクトをとって「変」という言葉を使っています。子どもたちからも「先生って変」って言われます。これは「変わってる」って意味だと思います。… もっと読む
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#学校教育

大人の悪知恵、脅しと比較

大人の悪知恵、脅しと比較

 教育業界の端っこにぶら下がってる。自作のブランコで。
ここから眺めていると、大人のいろいろな所業が目につく。私はどんな教育現場も尊いと思っているけど、子どもの目を通して見ると危険がいっぱい。

 皆さんもごぞんじの通り、子どもはいとも簡単に洗脳出来る。だって、最初は大人を信じているから。でも大人が子どもたちを洗脳出来たと思った時、子どもたちは本当は洗脳されたのではなく全部知った上で諦めているのだ

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私の学びを守る

私の学びを守る

 一人で図書館にいる時。ふと気になる本を手にした私に、私の中の人が尋ねる。
「それ、読んで大丈夫?嫌にならない?」
 
 子どもの頃、あまり学びを楽しめなかったから、今私は自分の学びにとても慎重だ。自由な学びが楽しくてたまらないから。子どもの頃は方法が決まってた。「ドリルを出来るだけ早く終えないと遊べない」「漢字をたくさん書くには、鉛筆を2本持って書いたら早く終わるかも。送りがなだけ先に書いちゃう

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理想と現実

理想と現実

 "配慮の要らない子どもはいない" その通りだと思う。
でも、その時の言葉、方法、小さな一つの行動が子どもの心に大きな影響を与えることは、留意しておかなければならない。"お世話おねがいね"と断れない状況で押し付けられている感や、あからさまに"お世話される"ことから生まれる劣等感も含む "みんなと同じではない" といろいろな子に思わせてしまう指導。
 言葉や行動の先の、見えないメッセージにもう少し気

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手を伸ばしたらいつでも

 私は小さな英語教室を運営していて、週に一度小学校に英語指導のお手伝いに出かけ、一ヶ月に数回大人の方の英会話、また毎週オンラインで遠くに住む人たちの英会話や日本語の伴走をする。そこで心がけていることは、
「その人をその学びから遠ざけないこと」
その人が嫌になる程に私が頑張らないことだ。先生というのは、どれだけ熱意を持って生徒に教え込むかが大切、みたいな感覚があるけれど。実際は生徒を手取り足取り学ば

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先生

 ある本に「先生が何を教えなくても、モゴモゴ言ってるだけでも、響く生徒には響く。その子は先生の表情や言葉から何かを感じ取って「ということは、〜ですよね」と教えてもないことまで学び取る、というのがあってとても好きだと思った。内田樹さんの本だったと思う。

 そしてこの記事も大好きだった。やっぱり指導者大事。

 え?前のと後の、内容逆やんって思うでしょう?
私も自分の中のこの2つの考えが対立してる気

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とある英語教室 毎日がライブそして実験

とある英語教室 毎日がライブそして実験

 私が運営する英語教室では、5月に新年度が始まり6月と7月には暗唱チャレンジがある。7月の夏休み前に会場を借りて暗唱発表会をするのだけれど、その際には参加者と家族100名以上の前で発表をする機会を作る。
 
 この「暗唱チャレンジ」は本当に不思議で。最初暗唱課題(英語の絵本から抜粋。幾つかある中から選んでもらう)を見た時は子どもたちは「ぜーったいこんなの無理やけん!」と言う。
でも、「まぁまぁ」な

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小学校英語で国境を超えてけ!

小学校英語で国境を超えてけ!

 小学校での一コマ。
今日はいろいろな国の動画を見る授業だったのだが、ロシアの女の子が出た時にどのクラスもざわめいた。ロシアに対する悪口がポツリポツリ。

 「今日は英語の授業なんてどうでもいいや!」って思った。

 「英語を学ぶ前に大切なこと」というお話を入れた。もちろんプランには無い。でも今日一番大事なこと。こうして子どもたちがちゃんと本音を話してくれるから、その時に一緒に学べる。英語の先生の

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幸せになる方法(ワタシの場合)

幸せになる方法(ワタシの場合)

 最近、高校生の甥っ子に「毎日楽しそう」って言われた。自覚してなかったけど、彼曰く"数年前より楽しそうだし若返った感じ"らしい。以前の私なら「わっ、私数年前そんなに疲れてたのかしら」なんて思っていたかも知れないし、彼もそれを気にして「すごく失礼かも知れんけど」と何度も前置きしてくれた。でも、私は単純に嬉しかった。実感があるから。

 私が今とても幸せなのには理由がある。自分でもわかってる。

自分

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Help me.

今日は小学校英語で、あるゲームをした。

そのゲームでは、わからない子は助けてもらわなければいけない。私が困った子の役をして「私は何をすれば良いと思う?」と尋ねると、子どもたちは「助けてあげたらいい!」と。

 いや、周りの人が、じゃなくて「私は」何をすれば良い?

 誰かが"Help me!"と小さな声で言った。そう。それなの。

日本語でもいい。とにかくわからないよ、教えて。助けて。そう周り

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みんなで幸せになろう

みんなで幸せになろう

 私は自分のコラムで、よく「大人はこどもの邪魔をしないでおこう」と書く。それは何より自分へのメッセージ。私たちは長く生きている分賢くなっていると言えるかも知れないけれど、その経験やそこから得た影響によっては退化していると言わざるを得ないケースも多い。そして最近残念な方の大人をよく見るからこそ、これはやはり声を大にして「こどもの邪魔をしないでおこう」と言わなければいけないと思う。

教育ビジネス=s

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"ありのままに今を輝く"

"ありのままに今を輝く"

 尾木ママこと尾木直樹氏の講演会に出かけてきたので、メモを残しておこう。

 テレビで活躍している様子を拝見していて、言葉の強さがあるのに柔らかくきちんと届く様に伝える方だな、と思っていた。先日観た映画 "夢みる学校"の中で語られていたことも心に響いたので、隣町に尾木さんが見えるという情報を得てすぐにチケットを購入した。

 講演は市の"男女平等推進センター"主催行事の一環として行われた。タイトル

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新時代の学び 気づいたもん勝ち

新時代の学び 気づいたもん勝ち

 「最近中学校で教科書の全訳が配られている」と聞いた。
訳に至るまでの過程が語学の楽しさ。それをただ配られて試験の準備をするだけなんて。語学の楽しさを伝えたいと思っている私の様な講師にはにわかに信じがたい。そういえば、よく英検の長文とかリスニングの話をすると「そんな会話ありましたっけ?」って言う子がいるけど、内容を味わわずしてテクニックだけで解いたのか、って驚く。
 
 資格試験も受験も必ず攻略法

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子どものことは子どもに聞け

子どものことは子どもに聞け

 英語教室で、私は下は0歳から上は一応中学生で送り出す様にしている。(その後ご要望があったら、その先もう少し続く…) だから、同じお子さんの成長の根っこの時期を十数年、かなり長い間一緒に見守らせていただくことになるのだ。

カオスの中の英語はリアル

 幼児でやってきて、教室の中を歩き回ったり突如ゴミ箱の上に立っていたり。トイレに行ったかと思ったら全然出てこない…水道がいつの間にか出しっぱなし…英

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対話の練習

対話の練習

着地点のない対話って大好物。

なぜかどっちかの意見に合わせようとか着地点を決めるから、私は学校の議論とか道徳とかが苦手だったのかも知れないな。

 ただ「違いを知る」だけの会話。楽しい。

そして子どもたちを見ていると、シェアし合っている間に少しずつその子の本当が見えてくることってある。最初乱暴で雑な話し方をしていても、少しずつ考えて本音を語り出す。話し方が上手じゃなくてもいい。でも話し続けない

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