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お気に入りのnote

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私のお気に入りの私のnote。初めに訪れてほしい場所。
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記事一覧

どん底の、失意の中で君

どん底の、失意の中で君

長い間連絡を取っていた人から、パタリと連絡が途絶えた。恋人でもない、家族でもない、なんなら会ったこともなければ声を聞いたこともない。

誰かから連絡が来なくなるなんて、そんなことには慣れている。私が特別慣れているんじゃなくて、だいたいみんな同じように慣れているだろう。

語学学習アプリでなんとなく出会った彼とは、もう一年以上連絡を取り合っていた。一日の間で頻繁に返信をし合うようなことはしなかった。

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いつだって楽しく過ごしたい

いつだって楽しく過ごしたい

YUKIさんの「JOY」という曲を今日久しぶりに聴いた。

音楽も絵も文章も、芸術というものは錆びずにいつまでもそこに居てくれるから、安心することがある。この曲が発売されたのが2005年らしいが、その頃この曲を聴いていた記憶は無く、私は毎日保育園でゴロゴロしていた。

どこで何年前にこの曲と出会ったのか全く覚えていないが、さっきふと頭にこの曲の「いつか動かなくなる時まで遊んでね」という部分が浮かん

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ファッションLGBT

ファッションLGBT

ファッションLGBTという単語を聞いたことはあるだろうか。

意味はそのままで、LGBTを飾りのように身につけているだけの人々のことを指している。
つまり自分がLGBTでないのにLGBTだと公言すること。偽りのレズ、ゲイ、バイ、トランスジェンダー。
(LGBT以外にもセクシュアリティはこの世にたくさん存在するが、ここでは割愛させてもらう)

ここ数日、ずっと悩んでいた。ここに記事を書きたいけれど、

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男のくせに

男のくせに

日本ではまだ、男性のメイクが受け入れられないって人も多いだろう。「あり得ない」「気持ち悪い」という声をたくさん聞いた事がある。

あと、以前記事にもしたが、バイト先の先輩ははっきりと、「男性の長髪は気持ち悪い」と言った。

そういうことを平気で口にできるのが日本で、私の生きている環境だと思うと残念な気持ちになる。

私は女として生まれたけれど、そういうことに関しては昔からかなり自由にさせてもらって

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付き合うってなに

付き合うってなに

付き合うってなんだろうって昔からずっと思っていた。端的に言うと意味があんまり感じられないのだ。

周りが、彼氏を作ったり彼女を作ったりして、手を繋いだだのキスをしただのと騒いでいる間もずっと私は、どうしてわざわざくっつく必要があるんだろうと思っていた。

好き、と相手に伝えたいというところまではなんとなくわかる。私もペットのインコに好きだよと伝えているし、昔飼っていたハムスターのこともずっと好きだ

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犬と人間

犬と人間の歴史っていつからなんだろうとふと思った。昔に調べたけれど忘れた。なんでこんなことを思いついたかと言えば、ホームセンターの隅っこについているドッグランの黒い柵の中の小さな犬が、自転車で走行中の私に向かって走ってきて尻尾を振っていたからである。

私は犬を飼ったことがない。どちらかといえば苦手だし、心が人間より読めないから厄介だと思っている。
だからといって猫派ではなく、私は何派かと考えると

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信号待ち

信号待ち

いつから、信号待ちのときに交差する道路のほうの信号を見るようになったんだろうと思った。
交差する道路の信号が黄色になり、ほんの少し待てば、やがて自分が進みたいほうの信号が青になる。こんな当たり前のことに気づいたのはいつだったんだろう。
小さい頃はずっと前を向いていた。青になったら渡ればいい。至極単純で、それ以上でもそれ以下でもない。
赤になったら渡ってはいけない。当然の話。
そう、真っ直ぐ前を向い

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学級文庫にあったボロボロの南総里見八犬伝

学級文庫にあったボロボロの南総里見八犬伝

小学校何年生の頃だったかは忘れてしまったのだけれど、教室の隅にあった学級文庫の本棚に、「南総里見八犬伝」があった。
(南総里見八犬伝は、江戸時代に書かれた小説で、冒険系の物語だと記憶しています、)
元はクリーム色の表紙だったのかもしれないけれど、所々茶色くなっていて、開くとペキペキと音が鳴るし1ページめくるごとにページが取れてしまいそうだった。その危なっかしさに、私は初めてその本を手に取ったとき、

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三鷹の夢

三鷹の夢

太宰治と森鴎外のお墓参りを終えて、三鷹駅にくっついた本屋に寄って、本を2冊買ってしまった。

貯金をしようと思っていた矢先の出来事だった。

また調子に乗って本を買ってしまった自分を戒めたいのかなんなのか、朝飯も食べていない体をそのままに、スタバの(もっと安く済ませられたという後悔はもちろんある)アイスコーヒーだけで昼飯も済ませてしまおうと思った。

三鷹駅から中央線に飛び乗って、アイスコーヒー片

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曇天と、買えなかったモモ

曇天と、買えなかったモモ

久しぶりの曇り空だった。

東京の神保町まで出かけて古本の中に埋れているのもいいかなと思ったけれど、

なんせ最近本を買いすぎて金がない。ないわけじゃないけどお金を使うことに罪悪感を感じ始めている。

しかも新書を。

古本に抵抗がないわけではないけれど、なんとなく新しい本というものは、一生自分のそばにいてくれる気がするから好きだ。

古本デビューでもしますか。と、神保町への旅を考えたけれど、やは

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やりたいのとやれるのは違う

やりたいのとやれるのは違う

私は小学生の頃宮崎駿が大好きだった。ついでに言うと、息子の宮崎吾朗とのかけ合いというか、あの二人の関係性が見ていて好きだった。

私はアニメというものを作ったことがない。映画なんて作ろうと思ったこともないし、そもそも映画などを観たりも、あんまりしない。だけど二人が好きだった。

あれはいつだったか、忘れてしまったけれど、何年か振りに母親に誕生日プレゼントをあげると言われたので、迷わず宮崎駿と宮崎吾

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おいスタバ

おいスタバ

スタバの注文をスマホで済ませられる機能があるのを知ったのは、前の職場の先輩と銀座を練り歩いてるときだった。
「すごいんだよ、これ。モバイルオーダーっていうの。店員と話さずに会計済ませられるの。注文したら店に取りに行くだけ。いいんだよ、店員と話さなくていいんだよ」
興奮しきった、少し前を歩く先輩が言いたいことはわかった。人と話すのが苦手な私が店員と話さずにオシャレなスタバの飲み物を飲める方法を教えて

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次会える保証はどこにあるだろう

「また必ず会おうね」

大学に通っていた1年間、私の前で1度も涙を流さなかった彼女が、私の右手を握って泣いていた。

大学を1年通ってやめた。それなりに友達もいた。大学をやめて半年経った頃、またみんなで集まろうとみんなが私に声をかけてくれた。

毎日大学で顔を合わせていたメンツ。バイトで来れないと初め言っていた仲の良かったあの子も、無理矢理シフトの代わりを探して、いつもの駅に来てくれた。

久しぶ

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口紅を捨ててみた

口紅は魔法だ。

鏡を見ながら口紅を塗っているあの時間が好きだ。オードリーヘップバーンになった気分。

んまんま、と上唇と下唇を合わせるあの仕草を母がやるたびに、私も早くそれやりたいと密かに願っていたものだ。

持っていた口紅3本ほど。唯一残してあった化粧道具だったかもしれない。途端に怖くなった。もう戻れないかもしれない。

「女らしく」いられる手段を自ら絶っていくのはこんなに怖かったのか。

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