社会のあるがままの錯乱と矛盾とをそのまま受納することに堪える個性を強い個性という。 Xへの手紙/小林秀雄
「地獄絵を見て」という連作がある。 見るも憂しいかにかすべき我心かかる報いの罪やありける こういう歌の力を、僕らは直に感ずる事は難しいのであるが、地獄絵の前に佇み身動きも出来なくなった西行の心の苦痛を、努めて想像してみるのはよい事だ。 *無常という事(西行)/小林秀雄
「近代絵画」小林秀雄が近代画家達の魂に親和しつつ即し即さず心眼にて描いた著作。特にピカソの章は彼自身の意識状態と重なっている。比類なき魂の評論。「芸術家は最初に虚無を所有せねばならぬ」と。「呪われた道」とは「虚無的世界観」の異名でもある。これは今日でも打破されてはいない。
「もう秋か… それにしても、何故に 永遠の太陽を惜しむのか…」 19世紀フランスの 若き天才詩人ランボー 波乱に満ちた短い生涯で 珠玉の散文詩『地獄の季節』を 生んだ 詩作は16~19歳のわずか3年 詩を棄て放浪を重ね 砂漠の武器商人で 37歳の生涯を終えた