長澤沙也加🦩

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十年後

 ニルバーナの、赤ちゃんがプールで泳いでいるジャケットのアルバムを貸してくれた男の子は、ロミに顔が似ている女の子と後に結婚するが、そのときはロミの肩を掴んだ。廊下の、階段の手前だった。  ロミがその高校を選んだのは、父の母校だったからだ。高校には行きたいと思って行ったのではない。みんな行っているから、自分もきっと行かなくてはいけないのだろうと思った。  ロミは勉強が嫌いで、小説と漫画を読むことと書くことと、お菓子作りが好きだ。中学時代は授業中にほとんど先生の話を聞かず、家に帰

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    • 土を掘るみたいにして

       歩いていると、天井に鯉のぼりがぶら下がっていて、大きいの、中くらいの、小さいの、紐にくくられて、たくさん繋がっている。  鯉のぼりは、エスカレーターの上り下りで見ることもできるし、催し物をやるため3階まで吹き抜けになり開けた場所に飾られているので、いろんな方角から見ることができる。  中古のCDとDVDがワゴンで売られている。DVDのワゴンの前にいる男女が、土を掘るみたいにして、探している。欲しいDVDがあるのだろう。わたしは、CDのワゴンの、rockと札が出たワゴンの前で

      • すぐ焦ってしまう

         昨日、娘が、宿題をやる場所を間違えて、消してやり直さなくてはいけない、夕方4時。  娘は、早く宿題を終わらせ、友だちの家に遊びに行きたい。夕方5時にはわたしが迎えに行く。  宿題が、終わったと思って、すぐ遊びに行けると思っていたのに、やり直し。遊ぶ時間が減ってしまう。  娘が、わっ、と泣く。泣いて、お母さんが宿題をやって、と、言う。わたしが、それはできない自分でやりなさい、と言うと、娘はわーわーと大音量で泣き、我を失っていく。  そうやって泣いている間に、時間がどんどん無く

        • とても固くて、歯が折れそうだった

           今朝は息子の幼稚園バスを待っている間に煎り玄米を作った。  ちょっと前に、急にグラノーラが食べたくなって、ヨーグルトをかけて食べて、やっぱりおいしいなーと思って、グラノーラが無くなりヨーグルトがあまった。  それで、新しいグラノーラを買おうと思いスーパーに見に行って、棚にたくさんのグラノーラが並んでいる。  とても種類が多い。量もさまざま。  最初に買ったグラノーラは、量の少なさだけで選んだ。途中で飽きて残ってしまってはいけないと思ったからだ。  フルーツがたくさん入ってい

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          パーマンのコピーロボットって、やっぱり憧れちゃうなあ

           昨日は詩をいっこ書いて、その詩が書いたときはいいのができたと思ったけど、1日経って読み返してみたら、どうだろう、ぜんぜん良くないじゃん、という可能性もある。まだ読み返していない。  現代詩手帖に投稿を続けているが、1回目に投稿したら佳作に選んだもらって以降は、入っていない。  入選している投稿作を読んでいると、言葉の密度がすごくて、自分の書いているのとは違う、とはわかっても、じゃあどう書いたら詩が良くなるだろう、というところまでいかない。  入選作は、密度もあるし、面白いし

          パーマンのコピーロボットって、やっぱり憧れちゃうなあ

          スマートフォンが壊れた

           スマートフォンが壊れてしまった。  朝、気づいたら画面が真っ暗になっていて、ホームボタンがもう動く動かない以前に固まってしまった。  パソコンで調べて、いろいろ試したけど、ぜんぜん動かない。  家に子どもたちとわたしだけでいて、どうしよう、と思う。  明日は、出かける用事があって、明後日は、子どもを預かってもらう。  それで、近所のショッピングモールに行って、公衆電話から実家に電話することにする。スマートフォンの画面がつかないから、電話帳も見ることができない。わたしは実家の

          スマートフォンが壊れた

          粘土何色灰色のやつじゃないの茶色なんだへえ

           今日から子どもたちは三連休である。  娘の粘土を、春休みに、新しいのを学校がくれるかと思って、捨てたら、どうやら捨ててはいけなかったらしく、昨日、空の粘土容器を持って娘は帰ってきた。  粘土どうしたの、と娘に訊かれて、捨てたよ、と言ったら、泣いて、お母さん嫌い、と言った。  しばらく、お母さん嫌い、と言っていて、わたしは、だけど、粘土は手の菌があるかなって思って新しいの買ってあげるからさ粘土何色灰色のやつじゃないの茶色なんだへえ、とかぶつぶつ言って、その間ずっと娘は、お母さ

          粘土何色灰色のやつじゃないの茶色なんだへえ

          あの人って、ほんとうに、正直だよね

           昨日、大きな雑草を引っこ抜いたら、茎についていたアブラムシなどの細かい虫が、ばらばらと落ちて、抜いた土からはダンゴムシがわらわら出てきて、てんとう虫もいた。  石のタイルと土の境目に生えていた雑草を抜いたので、石のタイルの上に、たくさんの細かい虫が、ほんとうにたくさん動いていた。  てんとう虫が、石のタイルの上で、道路の方に行こうとしていたので、土の方に誘導しようとして軍手をした指先で軽く押したつもりだったけど、てんとう虫の体をぎゅっと押してしまったかもしれない。  抜いた

          あの人って、ほんとうに、正直だよね

          ここに生えたいな

           noteに載せている「十年後」という小説に、昨日Xで感想を頂いて、とてもうれしかった。  読んでもらえるだけでもありがたい。  全部じゃなくて、前半だけ読んでもらえるのも、ありがたい。  小説を書いていて、書き上げると、やったー、という感じになって、それだけでもうれしい。  感想を頂けるのは、とてもとてもうれしいことだ。  昨日は雨だった。  庭の花が咲き出した。雑草も元気だ。  雑草、と決めているのは人間で、雑草は、自分のことを雑草とは多分思っていない。  雑草はなにも

          ここに生えたいな

          いいなあ、と思った

           群像新人文学賞、最終候補に残っていたのですが、落選しました。  読んでくださった、すべての方に感謝しています。  いつも、このnoteを読んでくださる皆様にも、感謝しています。  最近は、曇りか雨が多い気がする。  曇りで、晴れ間がぜんぜん無くて、薄い黄土色と薄い灰色が混ざったような空がぎっしりしている。  雲が覆っているのだなあ、ということは、空を見上げているときには思わない。見上げて、すぐに思うのは、空の色がこういう色だ、ということで、雲が覆っている、と思うのはそのあ

          いいなあ、と思った

          みんな、なにも買わなかった

           平たい方を下にして、3分焼いて、ひっくり返して、3分焼いてください。  銀色のトレーの上に、プラスチックの籠に盛られた殻付きの牡蠣と、頭付きの海老と、ほっけと、ホタテと、モツが並んでいる。  海鮮や肉を、自分で焼いて食べるスタイルの店に行った。  昼間、お酒を飲みたかったけど、子どものお迎えに呼ばれる可能性を考えて、我慢した。  牡蠣は、おいしいと思うし、好きだけど、あまり食べない。  牡蠣は、あたる、というイメージがあり、少し怖い。  自分で網で焼いてそれを食べる、という

          みんな、なにも買わなかった

          お知らせ。アンソロジー「汀心」に参加しています。あと、ドラマを観た話

           アンソロジー「汀心」に、短編小説「ミックロンソンおばけ」で参加させて頂きました。文学フリマ東京38の、E-47ブースで販売されますので、読んで頂けるとうれしいです。  最近、テレビドラマを観ていて、いろいろ観ていると、登場人物が記憶喪失、というドラマが、今観ている中で3本あった。  記憶があるから、わたしは今日も、わたし自身である、と認識して、昨日とか一昨日とか一年前とか十年前とかと、変わらず連続しているわたしとして、生活をしている。

          お知らせ。アンソロジー「汀心」に参加しています。あと、ドラマを観た話

          どうやら気に入ってはいるようだった

           子ども二人とソファーに座っている。  目の前の高い位置に薄型テレビがあって、画面の中に、キャベツが映っている。  500円玉と、キャベツの芯、比べてみてどちらが大きいか、小さいか、それで、鮮度が変わる。冷蔵庫の野菜室は、すべての野菜に適切な温度ではないので、野菜によってはチルド室に入れること。  108番の方、番号を呼ばれ、診察室に入る。  女性の医師か看護師が、まず娘の患部をチェックする。女性は、患部を見ての感想などを、隣の部屋からやってきた男性の医師に伝え、男性の医師が

          どうやら気に入ってはいるようだった

          廊下から見る

           顔ががびがびしている。花粉て、まだ飛んでいるのかな。恐らく、花粉の影響だとは思うのだけど、毎日、皮膚がつっぱるような感じで、ところどころ赤くなっていて、痒い。  午前中、息子のアレルギーの相談に行き、医師に大きな病院の紹介状を書いてもらう。  午後、息子を連れて、娘の授業参観に行く。娘は習字の授業をしていた。  廊下から見る。娘がこちらを向いたので、手を振ると、娘は真っ直ぐ前に向き直った。  息子が、わたしの周りをぐるぐる回る。回るのに飽きると、疲れた、お腹空いた、ポテロン

          廊下から見る

          公園にいる大人はわたしだけだった

           ピンポン、とインターフォンが鳴って、モニターに小さな女の子が映っている。  娘の友だちだった。宿題が終わってゲームをしていた娘は、友だちと一緒に、友だちの家の近くにあるという公園に向かった。  同じ学校の、同じ体操服を着た二人は、手をつなぎ、スキップしていて、家の角を曲がると見えなくなった。  息子が、ぼくも公園に行きたい、と言うので、一緒に行くことにする。  娘の友だちから、だいたいの位置は訊いていたので、すぐにわかった。  住宅街の中にある、小さな公園には、娘と友だちと

          公園にいる大人はわたしだけだった

          ワニは、何を考えているかわからない

           暖かくなってきて、暑いぐらいだ。  布団の枚数が少なくなるので、いい。掃除が楽になるし、洗濯物はすぐに乾くし、暖かくなると、家事が楽になる。    暖かくなると、ワニのことを思い出す。  動物園や水族館は、小さい頃から何度も行っていて、ワニはいた。  ワニは、暖かい場所で、日向ぼっこをしていた。  動物が日向ぼっこをしているところというのは、猫でも、亀でも、いいのだろうなあ、気持ちいいのだろうなあ、と見ていて思う。  寒い冬の日に、カーテンの隙間に差した日の中に立つと、足の

          ワニは、何を考えているかわからない