実熊 秀史

2022年3月26日に投稿を開始してから、昨日(2023年9月26日)までで550日の…

実熊 秀史

2022年3月26日に投稿を開始してから、昨日(2023年9月26日)までで550日の連続投稿となりました。飽きっぽい性格なので、1年半も続いているものだと、我ながら、驚いています。主に読書メモを書いてきましたが、今後は、これに拘らずに、種々のことを投稿していくつもりです。

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ワイさんからきたコメントで考えこみました

「えーと」という書き出しで、私の記事にコメントしてくる人(匿名ではなく本名?でしたが、ワイさんとします)がいました。 こんな書き出しは、冷笑系に違いないと思いつつ読んでみました。 矢張り、その通りでした。 ワイさんがコメントした記事は、柄谷行人の著書『日本近代文学の起源』の読書メモを過去に3回に分けて投稿したものをまとめたものであり、私の主張と呼べるものは何もないのです。(一ヶ所だけ私見を述べました。この私見が気に食わないのだが、それのみのコメントはしづらいので、記事全体

    • 「あくび」について

      あくびをするときは、まず寝不足を思いつきます。その他には、疲れたとき、退屈なとき、つまらないことを見聞したとき、他人のあくびでおもわず伝染したとき等々がありました。 脳梗塞、偏頭痛、糖尿病、睡眠障害、貧血といった病気が潜んでいることがあるので、頻繁に生あくびがでる場合は気を付ける必要があるでしょう。 フランス哲学者アランは、あくびを次のように分析しています。 アランによれば、あくびとは、深刻な状況への拒絶反応であるということなのです。むしろ、深刻な状況のときこそ、あくび

      • 不安な時代

        不安な時代というのは、もうかなり以前から言われていて、いささか食傷気味の言葉となっている。不安な時代だと囃し立てて、さらに不安を煽るのは、品のないことではある。不安などいささかも無く、幸せ一杯な人たちもいることでしょう。 でも、個々の事情は、置くことにして、私たちは不安な時代を生きていることは確かだと言えるでしょう。11波がきたと騒がれているコロナ禍、国際情勢(ロシアーウクライナやパレスチナーイスラエルなどの紛争)、地震、台風、老後、失業、ハラスメント、介護問題、詐欺、盗撮

        • 大谷選手、「50-50」を超えて「51-51」達成

          今朝起きると、テレビ観ていた妻から、「大谷選手50盗塁決めたよ」と聞いた。そして、ゴミ出し行く前には、51盗塁と49号ホームラン、ゴミ出しから戻ってきたら、50号ホームランと目まぐるしい変化だった。 これで、終わったのかと念のためにスポーツナビで確認すると、9回に51号ホームラン打っていた。結局「51-51」の達成となった。もはや、心身ともに人間技とは思えない領域に達しています。 おまけに、元大リーガー松井さんがもっていた打点の日本人記録116をも一気に抜き去ってしまった

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        ワイさんからきたコメントで考えこみました

          柄谷行人著『日本精神分析』読書メモ(再掲と追記)

          第一章 言語と国家私がアンダーソン氏の論文に感心したのは、ただそこに、言語と国家が密接に関係しているという認識があったからでありません。それが、遠いギリシャの過去や、近代の西洋の経験でなく、20世紀、というより、ほとんど現時点でのインドネシアの経験にもとづいて得られた認識だったからです。(中略) インドネシアは無数の島があり、無数の言語があった。それらが徐々に国家となり、また国語を形成したのではありません。オランダの植民地国家機構と公用語としてのオランダ語が先立ってあり、

          柄谷行人著『日本精神分析』読書メモ(再掲と追記)

          柄谷 行人(著)『倫理21』読書メモ(訂正と追加)

          第一章 親の責任を問う日本の特殊性道徳という言葉は、ふつう善悪の問題と考えられています。そして、 善悪 を 決め て いる のは 共同体 的 規範 です。 一方、 それ に対して、 善 を 快( 幸福) の 実現 として 見る 見方 が あり ます。 現在 英米 系 の 倫理学 では、これ が 支配 的 な もの です。 道徳性 が 共同体 の 規範 に 由来 する という 考え と、 幸福主義( 功利主義)、 カント は その いずれ をも 批判 しよ う と し ま

          柄谷 行人(著)『倫理21』読書メモ(訂正と追加)

          柄谷行人著『トランスクリティーク』カントとマルクス 読書メモ 

          序文P3  本書は二つの部分、カントとマルクスに関する考察からなっている。この二つは分離されているように見えるけれども、実際は分離されていないものであって、相互作用的に存在する。私がトランスクリティークと呼ぶものは、倫理性と政治経済学の領域の間、カント的批判とマルクス的批判の間のtranscoding、つまり、カントからマルクスを読み、マルクスからカントを読む企てである。 イントロダクションーーートランスクリティークとは何か P17~18  重要なのは、マルクスの批判がつ

          柄谷行人著『トランスクリティーク』カントとマルクス 読書メモ 

          空海について

          苫米地英人著『空海は、すごい』に基づいて、一般的には弘法大師という名で知られている空海について学びます。 空海は、延暦23年(803年)遣唐使として唐に渡り、密教の第七祖である長安青龍寺の和尚恵果に師事することで、密教の奥義を伝授された。 恵果は、インドから中国へ渡った中期密教の代表経典『大日経』と『金剛頂経』(胎蔵曼荼羅と金剛曼荼羅)を継承していました。  空海の学んだ中期密教は、釈迦の教えからもっとも離れたものでしたが、空海という天才は、そのような中期密教を釈迦の教え

          空海について

          柄谷 行人著『 世界史の実験』読書メモ(再掲と追記)

          第一部 実験の史学をめぐってⅠ 柳田国男論と私柳田国男の学問は、雑多な領域、文学、農政学、民俗学、人類学、宗教学、言語学などの領域に及ぶ。それは体系的ではないし、体系化することも難しい。(中略)それに対して、吉本隆明は、こう批判しました。《柳田国男の方法を、どこまでたどっても「抽象」というものの本質的な意味は、けっして生まれてこない。珠子玉と珠子玉を「勘」でつなぐ空間的な拡がりが続くだけである》(「無方法の方法」)。そして彼は柳田国男の『遠野物語』を材料にして、『共同体幻想

          柄谷 行人著『 世界史の実験』読書メモ(再掲と追記)

          柄谷行人(著)『 遊動論 柳田国男と山人』読書メモ(再掲と追記)

          今回は2022年3月29日に投稿したものを再掲し、かつ追記しました。 第一章 戦後の柳田国男柳田 は 国家権力 と 結ん だ 天皇制 を 斥ける が、 天皇 を 否定 し ない。 それ は 国家神道 を 斥ける が、 氏神 や 神社 を 否定 し ない のと同じである。というより、氏神を信じるからこそ、国家神道を否定するのである。また、氏神を信じるからこそ、若者を外地に送って死なせる国家を認めないのである。 柄谷行人. 遊動論 柳田国男と山人 (Kindle の位置No.2

          柄谷行人(著)『 遊動論 柳田国男と山人』読書メモ(再掲と追記)

          笑いについて

          笑い原点は、チャップリンの可笑しさにあるのではないかと思っています。彼のこっけいなしぐさのなかに、時代風刺があった。音声がない時代だったので、仕草で笑わすしかない。ヒットラーへの冷やかしもあったが、これは、それこそ命がけの芸であっただろう。 一方、日本のお笑いとなると、大昔に見ていた漫才から主なものを取り出してみると、次のようなものでした。 夢路いとし・喜味こいし:しゃべくり、すっとぼけ 人生幸郎・生恵幸子:ぼやき 西川きよし・横山やすし:ボケとツッコミ、しゃべくり、

          笑いについて

          今朝は昨日と違って、雲だらけの空となりました。中には、挑発するかのように、三角筋を剥き出しにして誇示する雲がいたので、撮ってみました。原爆が噴出しているようにも見えますね。

          今朝は昨日と違って、雲だらけの空となりました。中には、挑発するかのように、三角筋を剥き出しにして誇示する雲がいたので、撮ってみました。原爆が噴出しているようにも見えますね。

          写経していると、目がドライアイ状態となり痛くなってきたので、筆を置いて振り返って窓の外を眺めた。すると、雲一つない青空が広がっています。珍しいことです。青空は、霞目にも効果があるということですから、しばらく目を癒しています。

          写経していると、目がドライアイ状態となり痛くなってきたので、筆を置いて振り返って窓の外を眺めた。すると、雲一つない青空が広がっています。珍しいことです。青空は、霞目にも効果があるということですから、しばらく目を癒しています。

          三田誠広氏について

          三田誠広氏(1948年生まれ)は、1977年に『僕って何』芥川賞を受賞しました。タイトルの奇妙さに惹かれて、刊行されてからすぐに読んでみました。 それ以後も新刊を2、3冊を読んだ記憶がありますが、ここ40年ほど遠ざかっていると、青春小説からガラリと変わり、『聖書の謎を解く』『般若心経の謎を解く』『謎の空海』などの宗教関連のことを執筆していることに驚きました。いつまでも青春小説を書き続けるわけにはいかないので、当然ですね。 上記の本を借りるために図書館に行ってみたのですが、

          三田誠広氏について

          小林秀雄著『考えるヒント』に記載のある「空」について

          小林秀雄という偉大な知識人といえども、釈迦の「空」と般若心経の「空」の概念を次のように同一視しているようです。 仏教学者佐々木閑氏によれば、釈迦の空と般若心経の空の違いを次のように説明しています。 一方、般若心経の「空」は、釈迦が言う基本要素自体も実体を持たない「空」であると主張している。 般若心経は、釈迦の教えをことごとく否定し、何から何まで空ということになると、この世は何の手ごたえもない霞か雲か霧の中のような状態になって、はなはだ心もとない気持ちとなりますが、これが

          小林秀雄著『考えるヒント』に記載のある「空」について

          オルテガ・イ・ガセット著『大衆の反逆』読書メモ

          第一部 大衆の反逆一 充満の事実 大衆 とは、 善い 意味 でも 悪い 意味 でも、 自分自身 に 特殊 な 価値 を 認めよ う とは せ ず、 自分 は「 すべて の 人」 と 同じ で ある と 感じ、 そのことに苦痛になるどころか、他 の 人々 と 同一 で ある と 感ずる こと に 喜び を 見出し て いる すべて の 人 の こと で ある。 オルテガ・イ・ガセット. 大衆の反逆 (ちくま学芸文庫) (Kindle の位置No.118). . Kindl

          オルテガ・イ・ガセット著『大衆の反逆』読書メモ