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画家 西村一成さんは愛知の一軒家で、おかあさんと猫と暮らしながら絵を描きつつけている。ドキュメンタリー映画『かいじゅう』
床に新聞紙が敷かれ、その上にベニヤ板、あるいは白い画用紙が置かれ、そこに西村さんは(ときにうなり声を上げながら)原色のアクリル絵の具を、あるいは墨汁を垂らす。その後ベニヤ板はたてかけられ、西村さんは色の上に色を重ね、あるいは色を墨で塗りつぶしたりして、方形のなかはカオスと自由の、あるいはときに暴力の空間になってゆく。 縁側の向こうには庭があって、緑が生い茂っている。西村さんは縁側に座り、柔らかく微笑んで煙草をくゆらしながら、庭の緑のなかに赤い実をつけるヘビイチゴを見やる。「