hayao2003

読むと書く。日記をはじめて今年の夏で1年。日々のこと、家族、読書、心を豊かに生きたい。

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読むと書く。日記をはじめて今年の夏で1年。日々のこと、家族、読書、心を豊かに生きたい。

    最近の記事

    執着の重さと慈悲の軽やかさ

    ルサンチマンでもなんでも自分の中にある負の感情は重たいのだ。嫉み、妬み、恨み、怨み、憎しみ、怒り、悲しみ、哀しみ、そんな色とりどりの負の感情は鈍く、重く、遅く、停滞する。私が段々と日々過ごすことが軽くなっていくにつれて、こういった重たい感情から解き放たれていったのをよく覚えている。  さまざまな人々がいるけれど、この重い感情を纏っている人と近づくとそれが感染するように自分もまた重く、遅くなっていくのがわかる。 ダンテの『神曲』にはこの地獄、煉獄のような重さから天国のような軽や

      • 物を買わずに豊かに生きる7

        大量消費マインドだった自分を少しずつ変えていく。ここ数週間での自分の変化に驚いている。電気料金が高くなってきている現在において、私の「貨幣を使わずに豊かに生きる」という行動改革は益々意義深いものとなってきた。システムに依存しているというものの代表的なひとつにこの「電気」というものもあると思い知った。 つい数ヶ月前、我が家に大容量のポータブル電源とソーラーパネルが来た。当時、私はウクライナ戦争やエリザベス女王の逝去、記録的な円安、食料品の値上げなどを目の当たりにして世界が大き

        • 物を買わずに豊かに生きる6

          いつから自分はお金がないと生きていけなくなってしまったのだろう? 『新百姓』という素晴らしい雑誌の創刊号(000号)に出会えて幸せだった。私の考えていることの実践が鮮やかに描かれていた。 思えば「買う」ことによって、さまざまなものを作り出す智慧を手放してきた。衣食住すべてにおいて「買う」ことによって生きてきた私は、お金がないと生きていけない人になってしまったのである。「買う」代わりに何も考えずに済んできた。しかしそれには生きる上で大事な「つくる」ことを放棄してきたことに気づ

          • 物を買わずに豊かに生きる5

            今日も今日とてお金を使って生きているけれど、出来るだけお金を使わずに豊かに生きるために何ができるか?少しずつ自分に問うている。 仕事始めの今日は午前中は在宅勤務をした後、昼にかけて自宅を出発して挨拶回りへと行った。午後2時くらいであろうか、お腹も減ってきたので外食を取ろうとする。近くのトンカツ屋が目に入って、カツは縁起がいいから年始くらいは良いだろうと誘惑に駆られる。すぐさまハンドルを切ってカツ屋の駐車場に入ったが、あいにくの休業日だった。空腹で食欲が刺激されて、私の中のリ

            父母未生以前の面目(自分)

            私には愛する娘と息子がおります。 とても可愛くて愛おしくてかけがえのない、そんな思いです。彼らが生きているだけで奇跡のように感じております。 父母未生以前の面目(自分)という禅の公案があるようです。父も母も生まれる前の自分に思い馳せる。 私はどうしてもかけがえのない子ども目線で考えてしまいます。 あの奇跡のような愛する娘と息子の父母は、私たち夫婦でございます。私たち夫婦が生まれてくる前の、娘と息子に思いを馳せます。 そうすると生命の神秘について考えざるを得ません。影も

            諸行無常 Part1

            色々なことが変化してきている。前にも増して周りのさまざまなものが変わってきている。かつては大会社と言われたところが衰退したり、長らく価格が据え置きだった商品群が軒並み凄い勢いで値上げしている。聖人君子と言われていた人は、犯罪者として名声は地に落ちて、あれだけ健康が取り柄だったあの人は早死にしてしまった。 街の大きなショッピングモールは空きスペースが目立ち始めている。よく飲みにいっていたあの店はコロナ禍で廃業してしまった。CDで音楽を聴くことがなくなったし、テレビの番組表を眺

            物を買わずに豊かに生きる4

            最近YouTubeで車の動画をよく見る。私の好きだった元中日の山本昌さんがスーパーカーを紹介する動画を何個か見た。考えは二つあった。一つは、スーパーカーというのは、軽自動車と移動する手段としては何ら変わりなく、むしろ不便である。小さい道も入れないし、段差も車高の低さで気を遣わないといけない。スーパーカーを持つということは、盗まれないように気を遣わないといけない。もう一つの考えは、工芸品的な楽しみ方だ。こだわり抜いた曲線美、モンスターのようなエンジン、全てが美しい。所有するとい

            ユング・タロットの面白さ

            タロット占いというものについて全く知らないけれど、ユング心理学は少し知っている。黄金の甲虫(スカラベ)のエピソードは大変気に入っているストーリーだ。その話は、ユングがカウンセリングをしているときに、クライアントが夢で出てきた黄金の甲虫の話をしていたら、ユングが窓にコツコツとぶつかった甲虫に気づき、「あなたの話している黄金の甲虫はコレですね!」という信じられない奇跡、コンステレーション(布置)、共時性(シンクロニシティ)の話。 私の大好きな+MさんのTwitterから『ユング

            物を買わずに豊かに生きる3

            私が最近読んでいる本には、お金はなく、貧しいのに、精神はとても豊かな人々が描かれている。『チベットの先生』(角川ソフィア文庫)中沢新一がチベットで出会ったラマたち、道元禅師の『正法眼蔵随聞記』から「学道は、まづすべからく貧を学すべし」という教え、アナキスト森元斎の『もう革命しかないもんね』(晶文社)資本主義から抜け出した「生活の哲学」など。 それとは対照的に、投資にハマり、一攫千金を夢見て、日々の株価や為替などの上がり下がりに右往左往している身近な人々も目の当たりにしている

            私のストレス対処法(開発中)

            ここ数年くらい仕事で怒られることもなく平々凡々と過ごしていたため、ストレスがかかる局面というものを忘れかけていた。今週の火曜日に唐突に仕事のクレームの電話がかかり、久しぶりに強めのストレスというものを感じた。しかし、ストレスへの対処方法はマインドフルネスや仏教を齧っているはしくれとして、見事に対処できると思っていた。すっかりすぐ忘れてしまえると思っていたのだが、私の情動というものは、思ったより粘っこい。私の尊敬する+Mさんのツイートにそんな粘っこい負の情動と戦っている私に語り

            映画鑑賞『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督

            実家のホームシアターのスクリーンが経年劣化で歪んできたので、電動スクリーンに買い替えてもらって、今日は柿落とし。100インチのスクリーンで、何を見ようかと思ったが、最近気になっていた、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』をじっくりと鑑賞した。以下、ネタバレありなので、観た方のみ読み進めてください。感じたことをツラツラと書いていきます。 この映画はさまざまな人の世界線が謎めいたまま、シンクロしていく印象を受けました。舞台演出家でもあり俳優でもある家福と、妻であり脚本家でもあ

            豊かさ、芸術、不二について

            山登りが趣味の硬派な友人。彼は遠い彼の地で暮らしていて、普段は会うことがない。それでも、お互いのことを「腐れ縁」というように、どこからともなくLINEで会話がはじまり、冗談を言い合うような仲。数年前は、彼が一世一代の恋をして、また恋に破れるまでを、深夜の通話で支えた。彼は、女性というものがわからないと嘆いていた。 登山が好きな彼は、全国各地の山々を休日の弾丸スケジュールで登る。生死と向き合うような体験も登山の中で経験していて、それによって悟ったようなところがある。彼の中には

            街の銭湯に行く

            温泉や銭湯に行くのが好きなわたし。 久しぶりに街の銭湯に足を運んだ。 それは私の住んでいる街から20分くらいの古びた住宅街の一角にある昔ながらの銭湯。銭湯の前は、古い長屋が連なっている。今のスーパー銭湯とは趣が違う、番台があって、男湯と女湯とそんなに大きくないけれど、使い勝手の良い銭湯。スーパー銭湯ではありえないような、熱い熱いお湯が魅力的だ。最近のスーパー銭湯は、その膨大な広さの風呂すべてにお湯を満たし、原油高で高騰している燃料代を負担しないといけないせいなのか、ぬるいぬ

            物を買わずに豊かに生きる2

            物を買わずに豊かに生きる? どう考えたって物を買ったり、お金を使った方が豊かじゃないか!と怒られそうである。たしかに、この資本主義末期の社会ではお金を使わないと体験できないことがたくさんある。美味しい食事だって、お金を使ってなんぼのところもある。物を買うことで、豊かになれることだっていっぱいある。家電、なんてものはその最たるもので、それによって生活が豊かになるかもしれない。 でもこの物のあふれた社会、お金を使わないと何もできないように思わせてくる社会に一石投じたいような反

            物を買わずに豊かに生きる

            世界はウクライナの戦争をキッカケに混迷を極め、古くからの価値観は壊れて、混沌としている。コロナ禍においても、古い価値観が音を立てて崩れていくのを目撃していたが、この戦争もまた、古い価値観を壊すだけには充分な変化をもたらすのではないかと思っている。 どうやら電力不足らしい。あまりニュースを見ていないので詳細は知らないが、エネルギー事情のひとつをとってみても、今までの電力を大量消費している時代は変わっていかないといけないのではなかろうか。 物を買うことによって豊かになる。どん

            言葉を使わず世界を見る

            素晴らしいドキュメンタリーに出会う。子どもの自死という重いテーマを題材にした絵本が出来るまで。言葉を紡ぐのは、かの有名な谷川俊太郎。合田里美さんという若手の方が絵を担当する。 この絵本ができるまでのプロセスに、とてつもない深いメッセージを受け取った。それは谷川俊太郎の言う通り、「意味偏重社会」である現代に、意味を越えて、言葉を使わずに、世界を見よう!という素晴らしき真理のことだ。 タモリは、言葉を憎み、意味を解体することを芸までに昇華した。そう、「ハナモゲラ」である。タモ