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「中庸」小林秀雄


下記の小林秀雄の文章は今日でも充分通用する。

「――。真理の名の下に、どうあっても人々を説得したい、肯じない者は殺してもいい、場合によっては自分が殺されてもいい。ああ、何たる狂人どもか。そこに孔子の中庸といふ思想の発想の根拠があった様に、私には思われる。無論、私は説教などしているのではない。二千餘年も前に志を得ずして死んだ人間の言葉の不滅を思い、併せて人間の暗愚の不滅を思ひ、不思議の感をなしているのである。」(中庸)

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