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#美術

お詫びいたします。「鈴木春信」2017(東京美術)の著者様

お詫びいたします。「鈴木春信」2017(東京美術)の著者様

(長文になります)

はじめに 表題を見た読者はおそらく一体何のことかお分かりにならないでしょう。

 実は、4月26日に投稿した下記の記事の中で、私は浮世絵版画の専門家に対して挑発的な内容を書いてしまい、内心言い過ぎたと後悔していたのです。

 それは、鳥文斎栄之作品の海外流出に関連付けて、鈴木春信の優れた作品も同様に海外流出されていることにふれ、新たな節「鈴木春信の海外所蔵の作品と「闇夜」の黒

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【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【約6,900文字、写真約60枚】
実体験を基に「青森県の4つの美術館を」「東京から一泊二日」「電車・バスで周った」「一人旅」について、具体的なルート、食べたものとともに、感想などを書きます。

結論から言うと、青森の主要美術館は素晴らしいものばかり!美術館メインで旅行を組む価値は十分にあります。なお、車を使わない場合、2日で5つの美術館は周り切れず、4つが限界でした。注意点は、青森は都内と違い、

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展覧会レポ:十和田市現代美術館「常設展」「野良になる」ほか

展覧会レポ:十和田市現代美術館「常設展」「野良になる」ほか

【約5,900文字、写真約80枚】
青森の美術館巡りの一環として、十和田市現代美術館で「常設展」「野良になる」などを鑑賞しました。その感想を書きます。

結論から言うと、こんな美術館は初めてで、満足度が高かったです!とにかくクセが強すぎて、楽しい!面白い!アートに興味が全くない人も十分楽しめると思います。また、無料で楽しめる屋外アートが多く、美術館の建築も外に丸見えになっていることにより、アートと

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麻布台ヒルズレポ:おしゃれの暴力!日本一高い展望台はマスト

麻布台ヒルズレポ:おしゃれの暴力!日本一高い展望台はマスト

【約3,200文字、写真約25枚】
2023年11月にオープンした「麻布台ヒルズ」に行きました。展望台やアートの観点から、その感想(+森ビルについて)を書きます。

結論から言うと、一度は訪れるべき複合施設だと思いました。1)ビルとして日本一高い展望台は景色も良い上に無料!、2)建物や内装デザインが暴力的におしゃれ過ぎる、3)パブリックアートや常設の展覧会(値段は高い)が複数あるためです。観光客に

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いよいよ3/12(火)開幕!国立西洋美術館、史上初の現代美術展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」

いよいよ3/12(火)開幕!国立西洋美術館、史上初の現代美術展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」

JR上野駅の公園口出口を出てまっすぐに歩くと、右手に見えるのは、国立西洋美術館。西洋美術全般を対象とする、日本で唯一の国立美術館です。ル・コルビュジエが設計し、世界文化遺産にも登録された建造物の前には、《考える人(拡大作)》《地獄の門》などロダンの著名な作品が並び、威厳ある雰囲気が漂います。

開館から65周年を迎える今年、20世紀半ばまでの西洋美術作品を取り扱ってきた美術館にとって、大きな挑戦が

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【ぶっちゃけすぎ】国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」記者発表会と参加作家の梅津庸一、小田原のどか、鷹野隆大とキュレーター新藤淳によるトークセッションのレポート

【ぶっちゃけすぎ】国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」記者発表会と参加作家の梅津庸一、小田原のどか、鷹野隆大とキュレーター新藤淳によるトークセッションのレポート

2024年3月12日(火)〜 5月12日(日)国立西洋美術館にて企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?―国立西洋美術館65年目の自問現代美術家たちへの問いかけ」が開催される。20世紀半ばまでの西洋美術作品を所蔵・公開してきた国立西洋美術館が、現存するアーティストとのコラボレーションをおこなうという、開館65年目にして初めての試みである。

1月22日(月)には記者発表会が

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「小村雪岱」展(清水三年坂美術館):白黒挿絵の改革者雪岱。配色は鈴木春信へのオマージュ?黒ベタは本当にビアズリーの影響か?

「小村雪岱」展(清水三年坂美術館):白黒挿絵の改革者雪岱。配色は鈴木春信へのオマージュ?黒ベタは本当にビアズリーの影響か?


はじめに 11月2日付の下記の記事の中で、清水三年坂美術館の「小村雪岱」展が開催されていることを偶々知り、入館したことを記しました。
 すでに美術展は終了していますが、感想を紹介したく記事にいたします(読者の皆様へ:書き終わってみると当初の予想と違い、短編小説なみの長文になってしまいました。いつもならシリーズに分けて投稿するのですが、内容の連続性を考えてこのまま投稿します。時間の余裕が無い方は、

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展覧会レポ:CHANEL NEXUS HALL「In Praise of Shadows ヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展」

展覧会レポ:CHANEL NEXUS HALL「In Praise of Shadows ヴェルサイユ宮殿 森田恭通 写真展」

【約3,100文字、写真約20枚】
銀座のシャネル4階にあるCHANEL NEXUS HALLに初めて行き「In Praise of Shadows ヴェルサイユ宮殿 森田 恭通 写真展」を鑑賞しました。その感想を書きます。

総じて、とてもおすすめだと思いました。❶ハイコントラストな白黒写真はヴェルサイユ宮殿をよく表現している、❷展覧会場の迷宮のような雰囲気にこだわりを感じる、❸シャネルと森田さ

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みんなの理想の美術館

みんなの理想の美術館

先日、理想の美術館についてnoteで伺ったところ、多くの方々が教えてくださりました。

ご教示くださった方々に、改めて御礼申し上げます。

実を言うと、誰も反応してくれなかったらどうしよう…と投稿する前は、かなりソワソワしていたのですが、そんな心配は不要でした。

みなさまが理想の美術館について考えたことを、惜しみなく教えてくださって、とてもうれしかったです。

なるほどと思うこと、私一人は気づけ

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「教養」の耐えられない軽さ/ファスト教養ブームは「美術」の終わりの始まりなのか?

「教養」の耐えられない軽さ/ファスト教養ブームは「美術」の終わりの始まりなのか?

最初に言っておきます。この記事は、昨今「ファスト教養」と呼ばれるものへの批判記事ではありません。

ファスト教養の抗いがたい力をなかば認めつつ、そして、私の中にもそうした傾向が年々増しつつある事を自覚しつつ、それでもその行き着く先には美術の明るい未来が待っていないことを予感し、今何ができるか考えようという七面倒くさい(それこそ昨今敬遠される)思考の記録です。
ぜひ最後まで読んで、この答えのない問い

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美術館ギャラリーめぐりにハマってしまいました

美術館ギャラリーめぐりにハマってしまいました

こんにちは、ちゃくです。
今回は何の記事かと言いますと、アートです。この2年くらいアートにずっぷりと浸かっています。美術館やギャラリーに行くのはもちろん現代アートに関するものを中心に書籍も集めて読んだりもしています。ただお金はないのにあれもこれも欲しいものを買ってしまっているのでどうも積読がふえてしまったりで新しいドデカ本棚を新調してしまいました💸 もともと絵を習っていたりとかしていて、小学校の

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夏の美術鑑賞 東京遠征 展覧会の感想

夏の美術鑑賞 東京遠征 展覧会の感想

本来は前のエントリーの続きを書くべきなのですが、とりあえず脇に置いておきまして、昨日まで行っていた東京・神奈川の展覧会の感想を書きます。
一部、京都の展覧会もあります。

総論でいうと、ちょっと物足りない内容でしたね。期待外れの展覧会が過半数でした。小規模な展覧会ならまだしも、入場料が2000円前後もする展覧会で不満の残る内容のものがいくらかありました。観客が減るから値上げをするのは理解できますが

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2020年オープン「京都市京セラ美術館」のおすすめ展覧会

 私は関西に在住する大学院生です。美術館やギャラリーを巡ることが趣味です。2019年には50館訪れました。そんなアート好きの私が今、大注目している美術館が、京都市京セラ美術館。2020年3月21日にリニューアルオープンします。

目次
1. 新美術館の概要
2. 2020年に開催される展覧会
2-1. 超長期に渡る展示 これはアートのフルコース!「京都の美術 250年の夢」
 概要
 ポイント①

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わきもとの展示レポートなりよ〜 「アーティゾン美術館 STEPS AHEAD: Recent Acquisitions  新収蔵作品展示」編  わきもとさき

わきもとの展示レポートなりよ〜 「アーティゾン美術館 STEPS AHEAD: Recent Acquisitions  新収蔵作品展示」編  わきもとさき

今回の内覧会レポートもアーティゾン美術館なり!
展示では、初公開の収蔵作品ちゃんたちがお披露目されるということで、どんな子たちと巡り会えるかとても楽しみなり!

展覧会場入り口にて不可解なポーズの記念撮影をするわたし

さっそく展示会場へ入ると、柔らかい赤色に塗られた壁と絵画ちゃんたちがお出迎えしてくれましたなり。

展示構成は1〜14章もあって長い旅になりそう。

展示全体を一度ぐるっと周ってみ

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