「レビューとレポート」

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月刊美術批評WEBマガジンレビューとレポート 主宰:みそにこみおでん https://twitter.com/misonikomioden バックナンバー:https://note.com/misonikomi_oden/m/m075a5bacea51

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  • レビューとレポートのバックナンバー #レビュレポ

    月刊美術批評WEBマガジン「レビューとレポート」(みそにこみおでん主宰)のバックナンバーです。主に美術に関するレポート、展評や論考を掲載しています。非営利です。

  • [連載]常設展レビュー 志田康宏 #レビュレポ

    レビューとレポートで連載している志田康宏さんの常設展レビューです。

  • KOURYOU EBUNE特集 レビューとレポート

    • 23本

    レビューとレポートでの特集号とその後の連載記事をまとめました

  • 展示レポート ー美術館のプレス向け内覧会を中心に

    いくつかを除いて主にプレス向け内覧会を取材し翌日リリースした速報レポートです。

  • レビューとレポート並木夏海表紙シリーズ

    レビューとレポート並木夏海さんが担当した表紙のまとめ

最近の記事

しがらきパプ祭り'24 レポート

信楽で梅津庸一主宰のパープルームによる「しがらきパプ祭り'24」が行われている。 会場はカフェ&ギャラリー陶園。会期は2024年8月2日(金)~26日(月)。 パープルームからは安藤裕美 梅津庸一 わきもとさき。ゲストに伊藤昭人、二艘木洋行、藤江愛、MOCKUMENTARO、やとうはるか、笠原郁斗(ex.リスカちゃん)。 陶園1階の喫茶店から2階ギャラリーへ続く階段から展示は始まり、点々とわきもとさきの作品が並ぶ。 東側の壁ギャラリースペース。階段を上り、入って左側の壁。

    • 作陶のひび 梅津庸一「クリスタルパレス」国立国際美術館(2/3)

      第3章我々はどこかの惑星に漂着したのか?ガンメタリックな空間に浮かび上がる生命の息遣いを感じない街が、我々をSF気分に誘い込む。《黄昏の街》は143点を1組とした陶作品だ(専用什器もある)。 第3章「新しいひび」。コロナ禍に提唱された「ニューノーマル」新しい”日々”と、陶芸におけるアクシデントの”ひび”という二重の意味が込められている。梅津はコロナ禍に人と集まることが制限されたことに加え、アートコレクティブの停滞、戦後の前衛美術の流れを汲む批評空間が萎んだと感じたことなどが

      • 圧倒的な数の手仕事によってつくられた空間に身を投じながら、その半生をめぐる展覧会 梅津庸一「クリスタルパレス」国立国際美術館(1/3)

        大阪市・国立国際美術館で開催中の特別展「梅津庸一 クリスタルパレス」。圧倒的な数の手仕事によってつくられた空間に身を投じながら、その半生をめぐる展覧会。SNSではカラフルな展示風景写真とともに満足度の高い感想も見られ、美術関係者やアートウォッチャーだけでなく、ヴィジュアル系バンドのファンも多く来場しているようだ。 梅津庸一は、油彩、ドローイング、映像、陶芸、版画などの制作に加え、私塾の開設や展覧会の企画、非営利ギャラリーの運営といった多岐にわたる活動を展開する美術家であり、本

        • スぺキュラティブな未来像ーー『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』

          4月24日から9月1日まで、六本木の森美術館を会場にシアスター・ゲイツの日本初となる大規模個展『シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝』が開かれている。 1973年にアメリカ合衆国シカゴで生まれたアフリカ系アメリカ人のシアスター・ゲイツは、アイオワ州とケープタウンの大学で陶芸、宗教学、都市デザイン、視覚芸術を学び、奴隷制や人種差別政策の対象となってきた歴史を持つアフリカ系米国人のアイデンティティ=『ブラックネス』(いわゆる「黒人」であること)のシリアスな複雑性を、陶芸、立体、音楽

        しがらきパプ祭り'24 レポート

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        • レビューとレポートのバックナンバー #レビュレポ
          53本
        • [連載]常設展レビュー 志田康宏 #レビュレポ
          11本
        • KOURYOU EBUNE特集 レビューとレポート
          23本
        • 展示レポート ー美術館のプレス向け内覧会を中心に
          11本
        • レビューとレポート並木夏海表紙シリーズ
          6本
        • レビューとレポート特集「削除された図式」
          11本

        記事

          “答えあわせはまた後で” 津田道子ーー『 Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』レポート&レビュー TCAA2022-2024受賞記念展

          TCAA2022-2024受賞記念展『津田道子 Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』『サエボーグ I WAS MADE FOR LOVING YOU』レポート&レビューより続く。 津田道子がTCAA の受賞記念展でサエボーグ『 I WAS MADE FOR LOVING YOU』と共に開催中の個展『Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』は、一つの大きなインスタレーション空間の中でパフォーマンスが行われるサエボーグと異なり、三つに

          “答えあわせはまた後で” 津田道子ーー『 Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』レポート&レビュー TCAA2022-2024受賞記念展

          “弱さと愛” サエボーグーー『I WAS MADE FOR LOVING YOU』レポート&レビュー TCAA2022-2024受賞記念展

          TCAA2022-2024受賞記念展『津田道子 Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』『サエボーグ I WAS MADE FOR LOVING YOU』レポート&レビューより続く。 サエボーグがTCAA受賞記念作品展で展示中の作品『I WAS MADE FOR LOVING YOU』は、アーティスト・トークでも語られた通り『あいちトリエンナーレ2019』で発表した『House of L』と直接的なつながりを持っている。 『House of L』では、ラ

          “弱さと愛” サエボーグーー『I WAS MADE FOR LOVING YOU』レポート&レビュー TCAA2022-2024受賞記念展

          TCAA 2022-2024受賞記念展『サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」/津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』レポート&レビュー

          2024年3月30日から7月7日まで、東京都現代美術館(MOT)で、本年もTokyo Contemporary Art Award ( = TCAA) の受賞記念展『サエボーグ I WAS MADE FOR LOVING YOU』『津田道子 Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』が開かれている。 同アワードは東京都とトーキョーアーツアンドスペースTOKAS(=TOKAS)が主催し、『海外での展開も含め、更なる飛躍とポテンシャルが期待できる国内の中堅アー

          TCAA 2022-2024受賞記念展『サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」/津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる』レポート&レビュー

          ビジュツノゲンバ「版画でしかできないことをここでやる」梅津庸一と版画工房カワラボ!

          版画でしかできない美術家の仕事。それが今できていると話してくれたのは、新作の版画を前にして立つ梅津庸一氏だった。 窓の外からはグラウンドで遊ぶ子どもたちの声が聞こえる。「ここ」とは、東京都町田市にある版画工房カワラボ![Kawalabo! Kawara Printmaking Laboratory]のことだ。カワラボ!(以下カワラボ)は多くの国内外アーティストや、ギャラリー、出版社と協業し、版画を制作・出版する工房である。 梅津氏はここで1年ほど前から版画制作をおこなって

          ビジュツノゲンバ「版画でしかできないことをここでやる」梅津庸一と版画工房カワラボ!

          山形美術館 「カンヴァスの同伴者たち 高橋龍太郎コレクション」レポート

          山形美術館では膨大な現代日本美術を所蔵することで著名な高橋龍太郎のコレクション展を開催中。コレクションのルーツである作品たちを起点にさまざまなテーマで紹介。2024年5月26日まで。 高橋龍太郎コレクションのルーツ。奥に本展メインビジュアルの池田学《興亡史》が。 所蔵後に初お披露目となる会田誠《笑顔》。 「象をうつす」というテーマで人物を描く絵画が並ぶ。友沢こたお《slimeCXXX》も。最近コレクターの間で人気の作家だが、高橋龍太郎もしっかり購入しており、しかも大作で

          山形美術館 「カンヴァスの同伴者たち 高橋龍太郎コレクション」レポート

          講演会レポート 新藤淳「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」 

          国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」最後の関連イベントとして、5月11日(土)に本展企画者の新藤淳によるオンライン講演会が行われた。 本展タイトルに冠された問いに対しどのような応答(作品)が生まれたのか。各作家のアプローチは一様ではなかった。 安藤裕美のように学生の頃に同館で見てきた作品に刺激を受けながら制作を続ける作家もいれば、コレクションや美術館自体と対峙する機会を今回改めて用意されたことで新たな作品を生んだ作家、もしくは田中功起

          講演会レポート 新藤淳「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」 

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ 展示レポート 3/3

          6. あなたたちはなぜ、過去の記憶を生き直そうとするのか? 遠藤麻衣 国立西洋美術館所蔵エドヴァルド・ムンク《アルファとオメガ》の世界観に触発され、その物語をストリップ劇場の記憶も絡めて翻案し、演じ直す≒生き直すパフォーマンスの映像作品。 期間中に遠藤によるトークセッションも行われている。 飯山由貴が突如パフォーマンスを行った同日、遠藤麻衣は百瀬文と所々赤く塗られた白い服を着て手を繋ぎゆっくりと歩くゲリラパフォーマンスを展示企画室前のロビーで行った。飯山に

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ 展示レポート 3/3

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ 展示レポート 2/3

          3. この美術館の可視/不可視のフレームはなにか?布施琳太郎 階段で降りていくと青い光が漏れていた。象徴的な色の照明を使う布施琳太郎はル・コルビュジエが基本設計した国立西洋美術館の本館建築へ多大な関心を寄せ、美術館の建築というフレームを問うていた。 田中功起 田中功起は美術館の不可視のフレームとでもいえるものを問題化した。「複数の提案を作品化し、美術館が暗黙のうちに前提としている「鑑賞者」の取捨選択を批判的に浮き彫りにしようとする」。 提案のうち「臨時託児室」、「翻訳言

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ 展示レポート 2/3

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ 展示レポート 1/3

          2024年5月12日まで、国立西洋美術館では初となる現代アーティストとの展示が開催されている。本記事ではインスタレーションビューを中心に紹介する。(作家による記事確認が必要なパートは時間がないため除いた) 本館入口から階下へ下り、企画展示室前のロビーにある展示ステイトメント。よくある日英併記ではなく複数の言語で出されていることに気付く。田中功起が行った美術館への提案の一つが実現したもの。「介入的なプロジェクトなどの多様な芸術実践のなかで、田中は「共に生きるとは何か」を

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ 展示レポート 1/3

          ワタリウム美術館メンバーシップ・イベント 梅津庸一と展覧会を鑑賞する | 国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」(投稿まとめ)

          本記事はX(旧:Twitter)への投稿をまとめたものです。 2024/4/27(土)、ワタリウム美術館によるメンバーシップ・イベントとして、国立西洋美術館で開催中の企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」にて「梅津庸一と展覧会を鑑賞する」が行われた。  取材:@Romance_JCT 作品・作家の解説に加え、梅津氏による愛憎入り混じるコメントがなされる。雲行きが怪しくなると和多利浩一氏に「次行きましょう」と流される手厳しい指摘もあったが批判ば

          ワタリウム美術館メンバーシップ・イベント 梅津庸一と展覧会を鑑賞する | 国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」(投稿まとめ)

          国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」記事まとめ

          国立西洋美術館で開催されている「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」について「レビューとレポート」では複数記事を上げてきたのでそれをまとめた。 展示に先立ち行われた記者会見と参加作家から梅津庸一、小田原のどか、鷹野隆大の3人とキュレーター新藤淳によるトークセッションの速報。画像多めで作家やキュレーターの表情もわかる記事に。取材は東間嶺。 上記の記者会見とトークセッションの追加記事。作家たち

          国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」記事まとめ

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ レポート

          国立西洋美術館で企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?―国立西洋美術館65年目の自問現代美術家たちへの問いかけ」が開幕。 まだ見ぬ美術館のカタチを建築から捉えようと試みた布施琳太郎、自分の過去や現在、頭の中が開陳されているようだと語る中林忠良ら21組が参加。 遠藤麻衣による同館で撮影され自身も出演の映像作品と回転ベッド(座れる!)。 壁にはムンクの版画連作が並ぶ。 彫刻や絵画でない生の身体という新しいメディアが美術館に持ち込まれること、またそのメデ

          ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ レポート