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山形美術館 「カンヴァスの同伴者たち 高橋龍太郎コレクション」レポート

山形美術館では膨大な現代日本美術を所蔵することで著名な高橋龍太郎のコレクション展を開催中。コレクションのルーツである作品たちを起点にさまざまなテーマで紹介。2024年5月26日まで。


山形美術館





高橋龍太郎コレクションのルーツ。奥に本展メインビジュアルの池田学《興亡史》が。


所蔵後に初お披露目となる会田誠《笑顔》。



「象をうつす」というテーマで人物を描く絵画が並ぶ。友沢こたお《slimeCXXX》も。最近コレクターの間で人気の作家だが、高橋龍太郎もしっかり購入しており、しかも大作で驚く。今も現役で購入に邁進していることがわかる。



キャラクターイメージテーマに、左から梅沢和木《summer clouds》と名もなき実昌《低画質地獄( '△' ;; )》が並ぶ。



東北芸術工科大学出身の作家を中心に紹介。左から久松知子《〈美術〉の神さま》と近藤亜樹《ひのもとの國》。近藤の作品は大学卒業制作。



「余白をみる 書、カリグラフィ、グラフィティ」では本展で高橋龍太郎が注目している分野、書やドローイング作品を中心に構成する。画像は華雪《木》。テキストと書で構成されている。



梅津庸一《Pillars》。本展でもっとも新しい作品で今年、2024年作。最新すぎるし、梅津が関わった展示で見たことがないので、今回が初お披露目(?)なのではないだろうか。買って即、美術館へ展示とは驚くばかり。



本展は日本美術史の通史を見るというより、様々なテーマで多様な現代日本美術を概観するような展示であり、90年代後半から精力的に日本の現代美術を購入し今でも第一線で買い続ける高橋龍太郎が持つ膨大なコレクションだからこそ可能な展示なのだろう。




山形美術館の常設展では、フランス近代美術で著名な「吉野石膏コレクション」や近世・近代の日本絵画を中心とする「長谷川コレクション」も見ることができる。また1階では、「山形の作家」として山形県出身の梅津庸一の美術館が所蔵する作品が紹介されていた。


梅津庸一の初期の陶芸作品を確認できる。といってもほんの数年前であり、高橋龍太郎が持つ最新の梅津陶芸と比べて作風の変遷を見ても面白い。下の画像は《二重フィルター》2020-2021。




カンヴァスの同伴者たち 高橋龍太郎コレクション
山形美術館
会期:2024年4月5日(金) ─ 5月26日(日)
開館時間:午前10:00 〜 午後5:00(入館は午後4:30まで)
休館日:毎週月曜日(ただし月曜が祝日の場合は開館し翌日休館)、4/8、15、22、30(火)、5/7(火)、13、20
http://www.yamagata-art-museum.or.jp/exhibition/5329.html


画像は許可を得て撮影したものです。無断転載はできません。
取材:みそにこみおでん

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