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2022年7月の記事一覧

「日本心霊」デジタルアーカイブ化と、そこからわかること

「日本心霊」デジタルアーカイブ化と、そこからわかること


「日本心霊」デジタルアーカイブ化

 本年は人文書院100周年にあたる年であり、社史プロジェクトの成果について大きな進展があった年でした。一番最初は『人文書院100周年記念小冊子』の作成、二番目は「日本心霊」デジタルアーカイブ化、三番目は論集『日本心霊学会研究』の発行となります。

 一番目の『人文書院100周年記念小冊子』は弊社100周年フェアで配布するために作ったもので、「社史」と「刊行物一

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「本屋、はじめました」 辻山良雄

「本屋、はじめました」 辻山良雄

「この人は何かしらそれに捧げている」ということが暗黙裡にも見ている人に伝わらないと、見ている人のこころは動かせないし、ましてや足を運ばせることはないと思います。」

「本屋、はじめました」 辻山良雄

「本屋Title」のことは、本や雑誌で紹介されていたので知っていましたが、この本の著者・辻山良雄さんが「本屋Title」を開業するまで、書店の「リブロ」に勤めていたことを僕は知りませんでした。

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AIで新聞の個性を可視化する「タイトル編(下)」(新聞書評の研究2019-2021)

AIで新聞の個性を可視化する「タイトル編(下)」(新聞書評の研究2019-2021)

はじめに筆者は2017年11月にツイッターアカウント「新聞書評速報 汗牛充棟」を開設しました。全国紙5紙(読売、朝日、日経、毎日、産経=部数順)の書評に取り上げられた本を1冊ずつ、ひたすら呟いています。本稿では、2019年から2021年までに新聞掲載された総計約9300タイトルのデータを分析しています

なんでそんなことを始めたのかは総論をご覧ください。

過去の連載はこちらをご覧ください。

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地球の歩き方✕ジョジョの奇妙な冒険ッ!

地球の歩き方✕ジョジョの奇妙な冒険ッ!

『我はついに手に入れたぞ!!』
『ジョジョラー必携の旅行書を!』『族長!』『族長!』 お久しぶりです、私です。もう7月半ばを過ぎたんですね!忙しすぎて月前半の記憶がほとんどないぞ!やばい!

 ただでさえ少ない人員なのに休職者+病欠者でさらにマイナスになった編成で連勤(しかも世間様では連休中)を乗り切った私が勤務後に直行した本屋さんで手にしたのは!今月14日すなわち2022年7月14日に刊行された

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『目の見えない人は世界をどう見ているのか』ノート

『目の見えない人は世界をどう見ているのか』ノート

伊藤亜紗著
光文社新書


 目が見えないことと目をつぶることに違いがあることを、私たちは通常意識しない。というより両目をアイマスクで塞ぐと、目の見えない人の体験が出来ると思い込んでいる。それに対して著者は「視覚を遮れば見えない人の体を体験できる、というのは大きな誤解」だという。それは単なる引き算ではなく、見えないことと目をつぶることは全く違うというのである。そして著者は、「見えている状態を基

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美術館音声ガイドを借りるべきか、否か

美術館音声ガイドを借りるべきか、否か

美術館に入館すると、まず目に入ってくるのは音声ガイドのご案内。
美術館に行くたび、音声ガイドを借りるかどうか迷う方も多いのではないでしょうか。

音声ガイドとは、「音声で、展示物の解説を聴ける機械」のこと。

音声ガイドを申し込むと、昔の携帯みたいな機械とイヤホンを手渡されます。そして展示物の前で機械を操作し、該当の番号を押すと、その展示物の解説を聴くことができるという代物です。

私自身は、基本

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文藝春秋さんから『特別賞』をイタダキマシタ

文藝春秋さんから『特別賞』をイタダキマシタ

note×「WEB別冊文藝春秋」のコラボレーション企画「#ミステリー小説が好き」において『特別賞』をいただきました!

受賞した記事はこちら👇👇

『芥川賞』や『直木賞』で有名な文藝春秋の編集部の方に、このような賞をいただき、マウスを持つ手が震えるほど喜びました。

1.なぜ、『特別賞』なのか?

私はベストレビュアー(今回の企画における受賞のこと)ではなく、特別賞でした。

なぜか?

お題

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漫画『ゴールデンカムイ』はどのようにして差別と闘ったのか―アイヌ文化と生命の継承― ①

漫画『ゴールデンカムイ』はどのようにして差別と闘ったのか―アイヌ文化と生命の継承― ①

漫画「ゴールデンカムイ」について

野田サトルの漫画『ゴールデンカムイ』が完結しました。

この漫画に対する社会的な評価は極めて高く、2016年のマンガ大賞・2018年には手塚治虫文化賞、2021年には第24回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門ソーシャル・インパクト賞を受賞しています。
2019年に、大英博物館で「マンガ展」が開催されたときには、日本の漫画文化の代表としてキービジュアルになりました。

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日本のインフラ体力診断-Vol.2の公表にあたって-

日本のインフラ体力診断-Vol.2の公表にあたって-

土木学会事務局です。

土木学会では、インフラ健康診断・日本インフラの能力診断との組み合わせで、日本のインフラの「強み」「弱み」を総合的に評価する資料・データとして活用していただくよう、インフラの『体力診断』を実施しています。

2021年9月22日に公表した道路・河川・港湾の3分野につづき、2022年7月26日に第2弾として、地域公共交通・都市鉄道・下水道の3分野の体力診断結果を新たに公表いたし

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糸井重里さんがオーディオブックカフェに出演!40年にも及ぶオーディオブックとの長い付き合いを語る

糸井重里さんがオーディオブックカフェに出演!40年にも及ぶオーディオブックとの長い付き合いを語る

オーディオブックアンバサダーの鳥井弘文さんと、オーディオブックを10年使っているヘビーユーザーのF太さんがお送りするaudiobook.jpオリジナル番組 オーディオブックコミュニティ番組「オーディオブックカフェ」。

通常はパーソナリティーお二人でトークされていますが、今回は特別ゲストとして糸井重里さんがお越しくださいました!

その内容を一部noteでもご紹介します。

<本編の音声はここから

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ドクメンタ15(Documenta 15-2022)で何が起きたか。

ドクメンタ15(Documenta 15-2022)で何が起きたか。

ドクメンタ15(Documenta 15-2022)で何が起きたか。ドクメンタ15は、2022年6月18日(土) – 2022年9月25日(日)、ドイツの カッセルで開催されている。

ドクメンタ15のアートディレクターはルアングルパドクメンタ15のアートディレクター(芸術監督)は、ルアングルパ(Ruangrupa/インドネシアの芸術集団)
(註)ルアングルパ(Ruangrupa):ジャカルタを拠

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元図書館員が考える「図書館の静けさ」のこと

元図書館員が考える「図書館の静けさ」のこと

(見出し写真は7月1日にオープンした黒石市立図書館の館内。内覧会参加時に撮影したものです。同館はある程度なら会話OKという方針です)

さっき、朝日新聞DIGITALのこんな記事↓を読みました。と言っても有料会員ではないので肝腎なところから読めないのですが。本記事は、同記事全体の趣旨に則ったものではなく、あくまで途中までの内容にインスパイアされただけということを最初にお断りしておきます。

僕の前

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【 今週の中国生活 】 週に1度の写真マガジン

【 今週の中国生活 】 週に1度の写真マガジン

自己紹介
 日系企業(化学メーカー)で研究開発を8年、いまは上海で技術営業をしている37歳の会社員です。技術系会社員の傍ら、作家活動をしており、『 タイの小学校と塗り絵授業 』や、『 インドネシアのボードパーク建設にアートで支援 』など行っております。
#中国語の先生と作ったスカート

 今回は海外(中国)駐在生活の様子を『 写真マガジン 』として御紹介いたします!

本日の内容
一枚目はこちら

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国指定文化財の“最古の日本庭園”が3年連続で年間来場者1,000人以下…日本の“文化財庭園”がこの先生きのこるには。

国指定文化財の“最古の日本庭園”が3年連続で年間来場者1,000人以下…日本の“文化財庭園”がこの先生きのこるには。

本記事は三重県伊賀市にある国指定文化財(名勝)の庭園『城之越遺跡』の紹介記事を再構成したもの。
というのも、庭園の紹介そのものよりタイトルにしたことをもっと伝えたいから。

日本最古の庭園『城之越遺跡』。古墳時代の4〜5世紀(3〜400年代)に作庭されたと推定されている“最古の日本庭園”城之越遺跡。
1990年代初頭に発掘されたのちに国指定名勝&国指定史跡となり、1997年(平成9年)に史跡公園と

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