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#ノンフィクションが好き

ノンフィクションへの愛や、好きな作品・作家を語ってください!

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2006年5月、クロアチアの旅 首都ザクレブで出会った 旧市街の「石の門」 この地で唯一残っている 13世紀に建てられた城門 門には、聖母マリアの祭壇がある 聖母マリアはザクレブの守護聖人でもあり 市民が祈りを捧げに足を運ぶ この女性も買い物帰りに祈りを捧げているのだろう

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1970年11月25日 日本が震えた日  三島由紀夫が市谷の自衛隊の総監室バルコニーで演説  自衛隊の決起を促すも失敗と知るや割腹自殺 こい願うノーベル文学賞 を 取りそこねた才能のかたまり三島 芥川賞候補にもならぬとは「芥川賞七不思議」の一つ 『金閣寺』『豊饒の海』……

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26歳で渡仏 絵を燃やして暖をとる 貧しい修業生活をへて 神秘的な「乳白色の肌」の裸婦像が 絶賛を浴びた 1920年代  モディリアーニとともに “エコール・ド・パリ”の寵児 故国日本 絵の正当な評価を得られぬ 失意と哀しみの日々から フランスに帰化 81歳で異郷に没した

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バーテンダーの神様 

封書が一通とどいた 差出人はクール古川緑郎 毛筆で西野鷹志様と書かれている いつものとおりの端正な字だ 予感がはしった やはり閉店のあいさつ状であった 上京のたびに 銀座コリドー街の バー・クールに足をむけて15年 そのカウンターに連なるために東京へ行く これが本音 バーテンダーの神様が銀座にいると聞き 意を決し酔った勢いで扉を押した まずはビールと頼んだが 洋酒のみとていねいに断られた クールの常連はテーブル席より 古川さんとカウンターをはさんで 立ち飲みと会話を楽

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「風花日和」

古い蔵の二階にあがってびっくり 屋根うらの棟木に墨でくろぐろと 「 明治9年4月13日 第13代 常野與兵衛 建造」 147年まえに建てられた木造二階建て土蔵造り この土蔵は、ペリーが箱館に上陸した22年後に 松前藩と会談を行った場所近くに建てられた 建て主の常野與兵衛は 大町にひらいた茶舗を拠点に 茶業、書店などをひろく営んでいた さらに大火事が頻発する この地で防災に力をそそぎ 函館公園の開設、さらにコレラ予防に 上水道の計画をすすめるなど そのころの街の顔役であ

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今度は《フキハラ》だってさ〜

テレビをつけると、また聞いたことのない言葉が飛び込んできた。 《フキハラ》なにそれ〜? フキハラとは、「不機嫌ハラスメント」のことを言うそうだ。 んじゃ、「不機嫌ハラスメント」って?ってなるわけなんだけど、例えば、上司と部下がいる。 部下のしたことが、間違えている、もしくは、上司の意に沿っていなかったりしたときに、上司が不機嫌になる。 「はぁぁぁぁっ…」と、溜息をついたり、あからさまに不機嫌な態度をとる。 その様を《フキハラ》と言うらしい。 もうさ、そんなこと言い出したら

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【女子高生エッセイ】『田舎JKの旅行記〜芸術が溢れる街、東京編〜』

平日に学校を休んで2日間、東京に旅行してきた。 日本武道館で好きなアーティストがライブをすると知った日から平日など気に留めずチケットを応募した。 すると運良くアリーナの8列目のチケットが当たり、3ヶ月前からこの日を楽しみにしていた。 親がせっかく行くんだから、翌日も東京に泊まって観光して帰ろうと言ってくれたので2日間の旅行になった。 電車に乗ることが好きな私は、新幹線で約3時間ほども時間を過ごせることに感動した。 いざ乗ってみると酔いやすい体質もあり、少し辛かったが

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函館郊外 津軽海峡沿いの浜に マグロの大群がおしよせた 浜に打ちあげられ暴れるマグロを 折れ曲がった長いこん棒で、叩いた 明治から大正にかけ こんな大漁が4回あり 一晩でまぐろ成金となった 網元もあった 一本釣りとか延縄でマグロ1尾を 追いかける今の世とは隔世の感がある

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「母という呪縛 娘という牢獄」(著・齊藤彩)を読み、毒親問題の原因と「毒が連鎖する」その原因を考えてみた

仕事で毒親問題について調べているときに、齊藤彩さんの著書「母という呪縛 娘という牢獄」の存在を知った。 「滋賀医科大学生母親殺害事件」の加害者である女性を、ジャーナリストの齊藤彩さんが取材し作り上げた渾身の一冊。 本の内容を知るうちに「これは読まねば」となって即購入した。 印象的なのは、何度も出てくる母と娘の生々しいLINEのやりとり。 娘の自由な生き方を一切認めない毒母はLINEでしばしば「あんたは私を不幸のどん底に落とした」「私はだまされた」といった、いかに自分が

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『マティス 自由なフォルム』

ロザリオ礼拝堂 昔々、フランスに旅したとき 南仏のロザリオ礼拝堂を訪れたかったが 時間がなくて果たせなかった覚えがある 新国立美術館で その礼拝堂が再現されていると聞き いの一番に駆けつけた マティスは第2次大戦の戦火から逃れるべく ニースから近いヴァンスに移住 そこの修道院の求めで 礼拝堂の立ち上げにたずさわった このとき、マティスは切り絵を制作し 建築家、ガラス工、陶工など さまざまな職能集団を動員した マティスは 「この礼拝堂は、私にとって一生の仕事の集大成で

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タイトルがつけられない

閉店1時間前に現れた親子。 小柄な母と大きな息子。 なぜそんなに?と思うほど、みょうにへりくだった口調の母親が気になった。 『あのぉぉぉ、すみません、こちら何時までですかぁ?』 閉店時間を告げると、 『あぁぁぁ、よかったぁ、まだ1時間ありますね〜、ありがとうございます、ありがとうございますぅ』 『まだ時間あるって!間に合ったね!よかったね〜!』息子に言った。 まじまじと親子を見る。 20歳前後の息子さんは、何か障害があるのだろう。 親子は、揃いのお手製マスクをしていた。

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好きなものすらろくに紹介できない人間なりの好きなもの紹介

自分の本棚に並んでいるものランキングをつくってみる。 第5位 自己啓発系 (より良い生き方!みたいな) 第4位 英語の本 (参考書ではなくスヌーピーの漫画とか) 第3位 知識がつくお役立ち本 (美容やら健康やらお金やら) 第2位 過去の専攻分野に関する本 (難易度の超低いもののみ) 第1位 エッセイ (エッセイ。) 全ての悩みは対人関係に関わるもの!というアドラー的に考えると、 ここがたったひとり自分しかいない世界だったのなら5、4、3位はマイ本棚に並べられていな

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啄木はローマ字日記で赤裸々な内面を さらけ出し小説家になった、と ドナルド・キーンは語る 函館の図書館に秘蔵の自筆原稿は 整ったローマ字で書かれ 消しや変更がない 買った娼婦の名も露わに記す 妻節子に読ませたくないと ローマ字で書いた啄木 が、妻は女学校出でローマ字は読めた

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酒好き詩人の旅 「国境の長いトンネルを抜けると、雨だった」!? 新潟・古町の料亭 美女とあらわれた幻の銘酒「越乃寒梅」 古き時代の辛口 冷の寒梅 独逸の白ワインの如く 酒こそ その土地の固有の文化なり 越後の野と山が車窓を流れ 昨夜の越乃寒梅があらわれた 日本酔夢行

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ユン・チアン「マオ 上」読書感想文

著者は “ 張戎 ” で “ チャン・ユン ” と読む。 英語表記が “ JUNG CHANG ” で、カタカナでユン・チアン。 1952年、中国の四川省生まれ。 両親とも、中華民国建国のときからの共産党の幹部。 1965年、14歳で文化大革命の混乱を生きる。 1978年、26歳のとき、中華民国初のイギリス留学を果たす。 1991年に、それまでの体験を『ワイルド・スワン』で著してイギリスで発刊。 文化大革命の恐ろしさが、これでもかというほどに描かれているノンフィクショ

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この本を手にすれば 豪華客船で美酒を口にして ゆったりと揺られているような 気持ちになる 古今東西・酒の旅 日本酒もブランデーも極上ものは 味が水に近くなる 東北の酒は 仏ボルドーの白葡萄酒の香りがする 缶入りのほろ酔いジントニックを 飲みながら読めば さらに酔い心地となる

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クロード・ブラウン「ハーレムに生まれて」読書感想文

1971年発刊の本。 ハーレムとは、あっちのハーレム。 ニューヨークのハーレム。 50万人の黒人が住んでいて、アメリカで最も人口密度の高い地域だったハーレム。 著者のクロード・ブラウンは作家ではない。 1935年ころに、そのハーレムに生まれた。 5歳ほどの記憶から22歳で大学に進んで、しばらく経ったころまでの実体験の手記となる。 その後は、大学院に進んで法律を勉強したとまでしかわかってない、と訳者の小松達也のまえがきには書き添えてある。 この本が出版されてからのエピ

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ユン・チアン「マオ 下」読書感想文

共産党の革命軍は、国民党の蒋介石との内戦に勝利した。 軍事力は、圧倒的に国民党だった。 アメリカの支援を受けていて、武器はそろっているし、空軍までもっている。 その強敵に、毛沢東はゲリラ戦で勝利したのだ! 毛沢東すごい! そんな歴史の通説に、ユン・チアンは異を唱える。 毛沢東が指揮したといわれる「農村が都市を包囲する」ゲリラ戦は、実は他の者がやっている。 それを横取りしただけ。 それに蒋介石の最大の敵は、各地の “ 軍閥 ” だった。 軍閥を従えるために、革命軍とい

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「もう秋か…   それにしても、何故に  永遠の太陽を惜しむのか…」 19世紀フランスの 若き天才詩人ランボー 波乱に満ちた短い生涯で 珠玉の散文詩『地獄の季節』を 生んだ   詩作は16~19歳のわずか3年 詩を棄て放浪を重ね 砂漠の武器商人で 37歳の生涯を終えた

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【知られざるアーティストの記憶】第79話 真夜中の話し合いと、早朝の話し合い

Illustration by 宮﨑英麻 *彼は何も遺さずにひっそりとこの世を去った。 知られざるアーティストが最後の1年2ヶ月で マリに遺した記憶の物語* →全編収録マガジン →前回 第11章 決断  第79話 真夜中の話し合いと、早朝の話し合い マリはこのとき夫に伝えようとした唯一の言葉を、喉から解き放つことに苦心して、約30分間も逡巡した。 「え、なに?どうしたの?」 時々、しびれを切らせた夫が困り果てて優しい声をかける。普段は威張って怒鳴り散らす癖に、こうい

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