タマミ

1畳程の売店で夢を売る仕事をしています。箱の中から見る人観察記、人間模様。ノンフィクシ…

タマミ

1畳程の売店で夢を売る仕事をしています。箱の中から見る人観察記、人間模様。ノンフィクション+フィクション+個人の感想+創作+エッセイ+店員のぼやき等… よろしくお願いいたします。

最近の記事

マウントレーニアを飲んでいました

『今日って、寅の日なんだぁ…じゃロト買おっかな〜 宝くじはハズレてもさ、福祉に寄付したと思えばね、当たればラッキーくらいなもんだから』 スーツ姿の40代?それくらいの男性。 『な〜んか、この辺て長閑(のどか)だね』 (の・ど・か? ど・こ・が? のどか要素がどこに?私にはアスファルトジャングルにしか見えないけど… 目に入る草木といえば、道路脇のプランターに咲いている花々だけ。街路樹も、ここからは見えない。 海もなけりゃ、山も川も見えない。草原もなければ牛もいない) 『あ、

    • 今度は《フキハラ》だってさ〜

      テレビをつけると、また聞いたことのない言葉が飛び込んできた。 《フキハラ》なにそれ〜? フキハラとは、「不機嫌ハラスメント」のことを言うそうだ。 んじゃ、「不機嫌ハラスメント」って?ってなるわけなんだけど、例えば、上司と部下がいる。 部下のしたことが、間違えている、もしくは、上司の意に沿っていなかったりしたときに、上司が不機嫌になる。 「はぁぁぁぁっ…」と、溜息をついたり、あからさまに不機嫌な態度をとる。 その様を《フキハラ》と言うらしい。 もうさ、そんなこと言い出したら

      • 「なんなの?」より「なんなん?」

        飛び出ている鼻毛なんかはもう、目に入ってきてもなんとも思わない。 私の仕事場は、箱のような宝くじ売り場で、座り仕事。 売り場によって、わたしの目線はお客さんと同じだったり、少し見上げるようだったりする。 目線の高さによって、見えるものが違ってくるわけでして、、、 関東生まれ東京育ちの私。話す言葉はいわゆる、標準語という面白味のない言葉。 関西弁が好きです。 「金属バット」彼らの話すコテコテ関西弁はお気に入り。 〝怒気〟を含む言い方。 標準語の「なんなの?」は、他を寄せ

        • そうだ!アンガーマネジメントって、怒りをコントロールするスキルのことだった!

          後悔しています。そして反省もしています。 「忙しい」の「忙」という漢字は、「心を亡くす」ということです! と、たしか習ったような、聞いたような… とてつもなく忙しい日。いつもより早い出勤の日でした。 思うように作業が進まず、開店ギリギリまで、箱の中で周章狼狽。迫り来る開店時間。私は1人で殺気だっていた。 わわわっ!もうこんな時間!! 箱の外に出て開店準備を始めると、同世代くらいの女性に声を掛けられた。お客さんらしい。 『何時に開くの〜?』 『10時半です!』 『あっそう

        マウントレーニアを飲んでいました

          悩ましい

          また悩ましいお客さんがいらっしゃいました。 OK!カモン! 60代くらいかな?男性。 (あなたのお口元、それは、、、どうなっているのですか?マスクを何枚重ねてますの?) 複数枚の布を厚く重ねたマスクのトップはアベノマスク。 私の目には、重ね付けで盛り上がっているマスクしか目に入ってこない。 菌に対しての、並々ならぬ用心深さなのか?その存在感ありすぎる重ね付けマスクのせいで、男性の話しがなかなか聞き取れない。 『はっ?えっ?はいっ?なんですか?』   (やっと聞き取れたとおも

          悩ましい

          それぞれの100円から30万円

          一番安い宝くじは、1枚100円。 100円くじは、いつでも売っているわけではないから、常時売ってる宝くじで一番安いものは1枚、一口、200円。 次が300円。ごくごくたまに、1枚500円なんて強気な金額設定のくじも発売される。 (これはあまり売れない。) この国で、一番還元率の悪いと言われているこのギャンブルくじを、通りすがりにフラッと買う人もいれば、生活の一部に組み込み、必須なものとして買う人もいるわけでして。 宝くじは、発売70周年だそーな。 私が生まれたときから発売

          それぞれの100円から30万円

          タイトルがつけられない

          閉店1時間前に現れた親子。 小柄な母と大きな息子。 なぜそんなに?と思うほど、みょうにへりくだった口調の母親が気になった。 『あのぉぉぉ、すみません、こちら何時までですかぁ?』 閉店時間を告げると、 『あぁぁぁ、よかったぁ、まだ1時間ありますね〜、ありがとうございます、ありがとうございますぅ』 『まだ時間あるって!間に合ったね!よかったね〜!』息子に言った。 まじまじと親子を見る。 20歳前後の息子さんは、何か障害があるのだろう。 親子は、揃いのお手製マスクをしていた。

          タイトルがつけられない

          心、ざわざわ

          トイレで。 清掃中だった。 立ち入り禁止ではなかったので、清掃作業の邪魔にならないように使わせてもらう。 使用中で閉まっていたドアが勢いよく開いた。出てきた若い女の子。二十代くらい。 清掃している人に向かって 『ねぇ、ちょっとぉ、ペーパー入ってないよ!』 うーーーーーっ!! (あんたさぁ…そんな言い方はないでしょう?) 自分の親、それ以上かもしれない年齢の人に対しての物言い。 (あなたの親が、あなたみたいな子にそんな言い方をされたとしたら?どう思うよ?) トイレを出ると、中の

          心、ざわざわ

          箱入り地蔵

          な〜んか私って、道端のお地蔵さんみたい。 お地蔵様を拝むように私を拝んだところで、もちろんご利益などは微塵もありませんよ〜。 なに?なに?なに〜?! 窓口の前で不意に立ち止まる人。 微笑みながらこちらに向かってペコリ。 こんな人がたまにいる。 ほとんどがご老人なのだが、若い青年が立ち止まり、笑顔でペコリと頭を下げてきたこともある。 知り合いの誰かと間違えている? どんな勘違いをしているのだろう?謎でしかない。 しっかりと目が合うので、私も頭を下げて一礼はするものの、どこか釈

          箱入り地蔵

          推しは尊い

          「推し」とは?改めて検索してみた。 「推し」とは、人に勧めたいほど好感を持っている人物のことだそーだ。 去年、私は恋に落ちた。偶然で奇跡的な出会い。 去年からずっと、私は彼に夢中だ♡ 寝ても覚めても、仕事中も(笑)彼のことばかり考えている私。 彼は私の推し…? 彼を人に勧めたいとは思わないので、推しではない。「好きな人」ということになる。 テレビを流し見していると、「推し」についてやっていた。 インタビューを受けていた若い女の子2人が、推しについて語る中で『推しは尊い』と

          推しは尊い

          見ちゃう 言っちゃう 聞いちゃう

          ずっと独り言を言っている年配女性。気になるし、気味が悪い。 当選結果が記してある表を見ながら呟いている。物の隙間からそっと観察する。《見ちゃう》 とくに変なところはないのだが、あまりにも長時間いるし、ブツブツ言っているので、 『どうかなさいました?』声をかけてみる。《言っちゃう 聞いちゃう》 気色ばんだ顔で 『いいの、いいの!時間潰しなんだからぁ!』 (時間潰し?あ〜そうですか。ごゆっくりどーぞ。時間の潰し方なんて他にもいくらでも…) 普段私は、日に何十枚と受け取る申し込み

          見ちゃう 言っちゃう 聞いちゃう

          かんちがい

          駆け込むようにやってきた外国人女性。 パッと見で40代。 『oh my god、oh my god……』あとは聞き取れないが、胸に両手を当てて興奮気味になにやら言っている。 興奮している人や怒っている人への対応は、敢えて抑えたトーンで冷静に! これ鉄則!接客の仕事をして覚えたことの1つだ。 優しくやさ〜しく、落ち着いたトーンで 『いらっしゃいませ〜どうしましたか〜?』 『ア、アタリ!コレアタリネ!ワオッ、アタリネ!アタリ!……』続く言葉は、何を言っているのやら、サッパリわか

          かんちがい

          こんな雨の日に…

          昨夜遅くに降り始めた雨が本降りになっている。 こんな日に仕事なんか行きたくないよー! 嫌だ嫌だー!と言ったところで、どうしようもない。行くしかない。 この冬、手袋を無くしてしまった。 新しく購入しようと出かけてみると、2月なのに、もう春物ばかりになっていた。 冬物は隅の方に置いやられている。品数も少ない。 なんで?季節ジャストじゃダメなの? そんなに先取りしなくてもいいのに… まだまだ寒いのにさぁ。 逆も。毎年思う。まだまだ暑いのにさぁ。 秋冬物を見ているだけで暑苦しい。

          こんな雨の日に…

          イケメン。イケオジ。イケジイさん。

          執拗にナンパしてくるお爺ちゃん。 7〜80代?わからない。お元気だこと。 「カスハラ」なんて言ったところで、きっとわからないだろうね。 女性が1人で働く仕事場には、しつこく声をかけてくる迷惑な男性がたまにいる。 『◯◯さ〜ん、また惜しかったんだよ〜、ナンバーズ1つ違い。次は当たりそうだな。当たったらどうしようかな?どうしよう?なにしたい?どこに行きたい?◯◯さん、欲しいものある?』同じことを何度も何度も言っている。 (ボケちゃったのかな?) 『ねぇ、◯◯さん、どうしようか?当

          イケメン。イケオジ。イケジイさん。

          Woman vs Woman

          同世代女性が来た。 『すみません、ちょっといいですか〜?』 『なんでしょうか?』 『あの〜、こちらは○○社さんの宝くじ屋さんですよねぇ?』 『そうです…』 近々この会社の面接を受けるという女性は、聞きたいことがあると言う。 『分からないことがあるのでしたら、会社の方に直接問い合わせれば…』 『あの〜、私、現場の方の話を聞きたいんです!』 (現場の方の話し?) 『ネットに口コミとか出てますよ〜』 『ええ。知ってます。ネットは全部チェックしましたから。実際に働いてる方の意見、生の

          Woman vs Woman

          ウィンク(外国のお人No.6)

          『どうしたの?目が痒いの?花粉?』常連客のお姉様に声をかけられて、ハッとする。 言えるわけないじゃん。ウィンクの自主練してました!なんて。 『そうなんですよ〜、花粉かも。な〜んか目が痒くって』 『あたしもクシャミ連発よぉ、早めに耳鼻科行かなくちゃ』 『そうですよね〜』 常連の外国人客。スラリとした白人男性。年齢不詳。 芸人の、ひょっこりはんを彷彿とさせる容姿、イケメンではなくて(私基準)ひょっこりはんぽくても、このお客さんの去り際は、オーランド・ブルームだ!ではないけど、

          ウィンク(外国のお人No.6)