タマミ

1畳程の売店で夢を売る仕事をしています。箱の中から見る人観察記、人間模様。ノンフィクシ…

タマミ

1畳程の売店で夢を売る仕事をしています。箱の中から見る人観察記、人間模様。ノンフィクション+フィクション+個人の感想+創作+エッセイ+店員のぼやき等… よろしくお願いいたします。

最近の記事

孫と祖父 

あるところに、自他ともに認める、と〜ってもコミュ力の高い、宝くじ販売員がいました。 名前はタマミーヌ。いつもニコニコしている販売員。だが、彼女の本性は…とても気分屋で、腹黒い女だったのです… (今日の私はご機嫌!気分爽快!ってほどではないけれど、どんなお客さんが来ても大丈夫よ〜) この日のタマミーヌは、無駄にテンションも高く、嬉々としていて、気味が悪いくらいに上機嫌なのでした。 (ご機嫌な理由?人に言うと、幸せが逃げちゃうんですって〜!だからナイショ。笑) 『ジャンボや

    • 目に虫が入っちゃった日

      あるところに、自他共に認める、と〜ってもコミュ力の高い、宝くじ販売員がいました。 名前はタマミーヌ。いつもニコニコしている販売員。だが、彼女の本性は…とても気分屋で、腹黒い女だったのです… 仕事の日のある朝。いつもどーりタマミーヌは自転車をかっ飛ばし、駅の駐輪場に向かっていたところ、右目に虫が飛び込んできたのです。 イタッ!こんなとき、タマミーヌはいつも思うのでした。 「もーーーっ!なんでよ!!なんで?地球は果てしなく広いのに、なんで虫がピンポイントで私の目の中に飛び込ん

      • 婚活ちゃん(狙うはハイスペ!の巻き)

        以前、「婚活ちゃん」というタイトルで記事を書いた。 宝くじをよく買いに来る30代前半の女性がいる。 彼女の夢は《結婚》とにかく結婚したいらしい。 出会いを求めて日々精力的に活動している。 自分にとって完璧な人、理想通りの人と結婚したい!妥協はしない!と言い切る彼女を、私は密かに「婚活ちゃん」と呼んでいるのだ。 婚活ちゃんは、宝くじで大当たりを当てた。 かなりの大金を手に入れた彼女は、タクシー移動で買い物三昧したり、理想の人と出会えたときに上手くいくように、理想の結婚をより早

        • 名前は聞かないで

          あなたお名前は? ねぇねぇ、なんて名前なの〜? お姉さん名前教えてよ〜! 仕事中に、こんなことを言われることがある。 私、これがとーってもイヤなのです。 教えません!ぜーーったいに教えません! 私の仕事スタイルは、エプロンに、苗字だけのネームプレート。(ひらがな) 販売員でも、ノルマや成績を競うような仕事なら、名前だけでも覚えて帰ってください!ってなるでしょう。 決して高飛車にいうわけではないけれど、宝くじというものは、買って下さい!買ってください!と必死に言わなくても、

        孫と祖父 

          拝啓。おじさん。眠れましたか?

          朝の仕事に、前日のロトやナンバーズの抽選結果を表に書き記す仕事がある。 ふぅ〜ん。ロト6のキャリーオーバーなくなったんだ〜 日本のどこかで、3億8千万円当たった人がいるのかぁ…すごいですこと… バカ暑いギラギラでムシムシな猛暑日の午後。 首にタオルを引っ掛けたおじさんが、仁王立ちで抽選結果を見ていた。 まだ居たの〜? ま〜だ見てる! いつまで見てんだ〜? そんなに眺めちゃって、どーしたのかしら? 長居していたおじさんが目の前に来た。深〜いため息1つ。 『悔しい。俺、悔し

          拝啓。おじさん。眠れましたか?

          静かな人

          暑いです。暑い。暑い。今年もバカ暑い猛暑。 の、さらに上をいく、熱々な男女のイチャイチャをまた見るはめに… こんな所に、このようなカップルがたまに来る不思議。30〜40代?どちらかと言うと、地味目なカップル。人前でそんなことをしそうには見えないのだけど、人というのは分からないもので… ずっと暑苦しいほどに顔を近づけて、微笑みながら会話をしている。 (ゔーーーっ、このクソ暑い真っ昼間に、アホ…ダメダメ!接客業なんだから、そんなこと言っちゃだめだよ私!) 横並びでグッズを見ている

          静かな人

          つぶやきをつぶやく

          〝数十年後に無くなる職業ランキング〟という記事を見た。 個人的な意見なんだけど、宝くじ売り場というものも、いずれ無くなると思っている。 ネット販売がどんどん増えているし、売れ行きのよろしくない店舗はどんどん閉店になっている昨今。 宝くじは…自動販売機でイケるんじゃない?って、私は密かに思っています。(笑) 私の働く店舗の客層は、3、3、4。 中高年と高齢者が4。若い人3。外国人3。といったところでしょうか。 81歳のおばあちゃん。 グループ買いをしている息子さんに頼まれ

          つぶやきをつぶやく

          マウントレーニアを飲んでいました

          『今日って、寅の日なんだぁ…じゃロト買おっかな〜 宝くじはハズレてもさ、福祉に寄付したと思えばね、当たればラッキーくらいなもんだから』 スーツ姿の40代?それくらいの男性。 『な〜んか、この辺て長閑(のどか)だね』 (の・ど・か? ど・こ・が? のどか要素がどこに?私にはアスファルトジャングルにしか見えないけど… 目に入る草木といえば、道路脇のプランターに咲いている花々だけ。街路樹も、ここからは見えない。 海もなけりゃ、山も川も見えない。草原もなければ牛もいない) 『あ、

          マウントレーニアを飲んでいました

          今度は《フキハラ》だってさ〜

          テレビをつけると、また聞いたことのない言葉が飛び込んできた。 《フキハラ》なにそれ〜? フキハラとは、「不機嫌ハラスメント」のことを言うそうだ。 んじゃ、「不機嫌ハラスメント」って?ってなるわけなんだけど、例えば、上司と部下がいる。 部下のしたことが、間違えている、もしくは、上司の意に沿っていなかったりしたときに、上司が不機嫌になる。 「はぁぁぁぁっ…」と、溜息をついたり、あからさまに不機嫌な態度をとる。 その様を《フキハラ》と言うらしい。 もうさ、そんなこと言い出したら

          今度は《フキハラ》だってさ〜

          「なんなの?」より「なんなん?」

          飛び出ている鼻毛なんかはもう、目に入ってきてもなんとも思わない。 私の仕事場は、箱のような宝くじ売り場で、座り仕事。 売り場によって、わたしの目線はお客さんと同じだったり、少し見上げるようだったりする。 目線の高さによって、見えるものが違ってくるわけでして、、、 関東生まれ東京育ちの私。話す言葉はいわゆる、標準語という面白味のない言葉。 関西弁が好きです。 「金属バット」彼らの話すコテコテ関西弁はお気に入り。 〝怒気〟を含む言い方。 標準語の「なんなの?」は、他を寄せ

          「なんなの?」より「なんなん?」

          そうだ!アンガーマネジメントって、怒りをコントロールするスキルのことだった!

          後悔しています。そして反省もしています。 「忙しい」の「忙」という漢字は、「心を亡くす」ということです! と、たしか習ったような、聞いたような… とてつもなく忙しい日。いつもより早い出勤の日でした。 思うように作業が進まず、開店ギリギリまで、箱の中で周章狼狽。迫り来る開店時間。私は1人で殺気だっていた。 わわわっ!もうこんな時間!! 箱の外に出て開店準備を始めると、同世代くらいの女性に声を掛けられた。お客さんらしい。 『何時に開くの〜?』 『10時半です!』 『あっそう

          そうだ!アンガーマネジメントって、怒りをコントロールするスキルのことだった!

          悩ましい

          また悩ましいお客さんがいらっしゃいました。 OK!カモン! 60代くらいかな?男性。 (あなたのお口元、それは、、、どうなっているのですか?マスクを何枚重ねてますの?) 複数枚の布を厚く重ねたマスクのトップはアベノマスク。 私の目には、重ね付けで盛り上がっているマスクしか目に入ってこない。 菌に対しての、並々ならぬ用心深さなのか?その存在感ありすぎる重ね付けマスクのせいで、男性の話しがなかなか聞き取れない。 『はっ?えっ?はいっ?なんですか?』   (やっと聞き取れたとおも

          悩ましい

          それぞれの100円から30万円

          一番安い宝くじは、1枚100円。 100円くじは、いつでも売っているわけではないから、常時売ってる宝くじで一番安いものは1枚、一口、200円。 次が300円。ごくごくたまに、1枚500円なんて強気な金額設定のくじも発売される。 (これはあまり売れない。) この国で、一番還元率の悪いと言われているこのギャンブルくじを、通りすがりにフラッと買う人もいれば、生活の一部に組み込み、必須なものとして買う人もいるわけです。 宝くじは、発売70周年だそーな。 私が生まれたときから発売は

          それぞれの100円から30万円

          タイトルがつけられない

          閉店1時間前に現れた親子。 小柄な母と大きな息子。 なぜそんなに?と思うほど、みょうにへりくだった口調の母親が気になった。 『あのぉぉぉ、すみません、こちら何時までですかぁ?』 閉店時間を告げると、 『あぁぁぁ、よかったぁ、まだ1時間ありますね〜、ありがとうございます、ありがとうございますぅ』 『まだ時間あるって!間に合ったね!よかったね〜!』息子に言った。 まじまじと親子を見る。 20歳前後の息子さんは、何か障害があるのだろう。 親子は、揃いのお手製マスクをしていた。

          タイトルがつけられない

          心、ざわざわ

          トイレで。 清掃中だった。 立ち入り禁止ではなかったので、清掃作業の邪魔にならないように使わせてもらう。 使用中で閉まっていたドアが勢いよく開いた。出てきた若い女の子。二十代くらい。 清掃している人に向かって 『ねぇ、ちょっとぉ、ペーパー入ってないよ!』 うーーーーーっ!! (あんたさぁ…そんな言い方はないでしょう?) 自分の親、それ以上かもしれない年齢の人に対しての物言い。 (あなたの親が、あなたみたいな子にそんな言い方をされたとしたら?どう思うよ?) トイレを出ると、中の

          心、ざわざわ

          箱入り地蔵

          な〜んか私って、道端のお地蔵さんみたい。 お地蔵様を拝むように私を拝んだところで、もちろんご利益などは微塵もありませんよ〜。 なに?なに?なに〜?! 窓口の前で不意に立ち止まる人。 微笑みながらこちらに向かってペコリ。 こんな人がたまにいる。 ほとんどがご老人なのだが、若い青年が立ち止まり、笑顔でペコリと頭を下げてきたこともある。 知り合いの誰かと間違えている? どんな勘違いをしているのだろう?謎でしかない。 しっかりと目が合うので、私も頭を下げて一礼はするものの、どこか釈

          箱入り地蔵