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【女子高生エッセイ】『田舎JKの旅行記〜芸術が溢れる街、東京編〜』

平日に学校を休んで2日間、東京に旅行してきた。

日本武道館で好きなアーティストがライブをすると知った日から平日など気に留めずチケットを応募した。

すると運良くアリーナの8列目のチケットが当たり、3ヶ月前からこの日を楽しみにしていた。

親がせっかく行くんだから、翌日も東京に泊まって観光して帰ろうと言ってくれたので2日間の旅行になった。

電車に乗ることが好きな私は、新幹線で約3時間ほども時間を過ごせることに感動した。

いざ乗ってみると酔いやすい体質もあり、少し辛かったが計算のうちである。

窓の外は、小さな町が次から次へと紙芝居のように進んでいく。

紙芝居の中にはたくさんの登場人物がいた。

ランドセルを背負った小学生やスーツを着たサラリーマン、畑作業をするおじいさん。

私も普段は"あちら側"なのだと実感する。

何気なく生きていても誰かの生活の一部なのかもしれない、と詩的なことを考えていると3時間はあっという間であった。

プシューッと音が鳴り、開いた新幹線のドアから見えた景色は3時間前にいた私の住み慣れた町とは何もかもが異なっていた。

東西線へ乗り換えて、日本武道館へ向かう。

平日なのに混んでいる電車は、サラリーマンの汗の匂いがした。

鼻をさす匂いに耐えられず2回ほど咳をして、外の景色を見た。

初めて見た、こんなに高いビル。

なんだこれ、と圧倒された。


目的の駅に着いて、改札から出るとそこには"東京"があった。

東京の空気は美味しいようで、濁っていた。

少し町を歩くとふと不安が襲った。

もしも、この町に大きな怪獣が来たらどうしよう。


歩道橋は踏み潰されて…


高速道路にぶつかって…


さっきのビルは倒れて…


え、私の命、危なくない?

「都会はやっぱ危ないね」

脈絡もなく母にそう伝えた。

「車速いから気をつけてね」

幼稚園児を扱うような返事が返ってきた。

今思い返すと、もっともな返答ではある。

日本武道館に着くと、写真を撮ったりグッズを買ったりして、いわゆる若者らしいことをした。

今時に言うと"あまり盛れなかった"のでSNSに投稿できるような写真は撮れなかった。




ライブは、音楽をはじめ、スクリーンや照明、ポスターデザインなど様々な芸術要素を楽しめる最高の空間だ。


今回のライブのジャンルは邦ロック。


何度もライブに参戦したことはあるが、バンドによってステージでの表現の仕方が異なるので、毎回驚かされる。


"SEKAI NO OWARI"や"Mr.children"のライブへと足を運ぶことが多いので、ファン層が若いバンドはとても新鮮に感じた。

2年前にAdoのライブへ初めて足を運んだ時も感じた、『新しいものに触れることの楽しさ』が私の奥から溢れ出した。

創作意欲は芸術的刺激によって向上していくものである。

きらきら輝いていたステージの上のアーティストは、私の心を朝起きた時の何倍も煌めかせてくれた。

『生きていることもたまには悪くないんだな』

そう思わせてくれるライブだった。

明日から生きていくことに、昨日より前向きになれた。

ライブに感化されて、私の創作意欲は最高到達点に達していた。

ライブが終わってからホテルに着くまではずっと、『とにかく今すぐ書きたい、早くペンが欲しい、スマホでもいいから!!』と心が叫んでいた。


充電がほとんどないスマホに大量の文字を感情的に打ち込み、ある程度満足したら倒れるように寝た。


私の感情を全部流し出せるのは、言葉だけなのだ。

私だけの特別な言葉を書き続けること。

それができなければ、私の存在価値は私の中で低くなる一方なのだ。

ライブみたいに芸術的刺激を与える文章を書きたい。


私の書く言葉が、誰かの生きる活力になるように、これからも書き続けたい。



創作大賞応募作です🔽

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