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教育評論

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僕が教育についた本気で考えて書いた記事です。
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記事一覧

企業は文系大学院生の価値をもっと理解すべき

企業は文系大学院生の価値をもっと理解すべき

「文系は大学院へ進学すると就職が難しくなる」

こういったことを大学生の時によく聞いた。

僕は学部卒なので、実際のところどうなのかはよくわからないが、このような言説が生まれる理由は

企業側が、大学院での学びなんて仕事で役に立たないのに、院卒の給料を払わないといけないなどと考えているから

なんじゃないかなと思っている。

しかし、そうだとすると本当に企業の人事部というのは浅はかだなぁと思う。

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新卒採用における学歴信仰は案外的を射ているんだなと

新卒採用における学歴信仰は案外的を射ているんだなと

先に断っておくが、僕は学歴厨でもなんでもない。

前職では多様な経歴をもつ人と仕事をしてきたが、その中には学歴のない優秀な人もいた。

専門学校卒の人の中にもいわゆるFラン大卒の人の中にも、仕事ができて尊敬できる人はいた。

一方でいわゆる高学歴の人の中にも、仕事ができない人や考えが稚拙な人はいた。

ということで、学歴が高い人の方が絶対的に優秀だとは全く思っていない。

ただ、学歴が高い人の方が

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英語を話せる人の特徴ってこれかも

英語を話せる人の特徴ってこれかも

先にお伝えしておくと、これはあくまで個人的見解で、科学的な根拠に基づいたものではありません。

コロナが落ち着き、海外からの観光客が増えてきたということもあり、外国の方に街で話しかけられることが増えました。

その時に話していて思うんです。

「あれ、思ったより英語話せてるな」と。

大学時代は、全然英語が話せませんでした。

大学受験の勉強は死ぬほど頑張ったので、英語の知識は十分すぎるくらいあり

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理系に進む女性が少ないのはなぜか

理系に進む女性が少ないのはなぜか

男女という区別が、時代にそぐわないものになってきている。

僕らが子供の頃、クラスの出席番号は男→女の順で決められていたが、今はごちゃ混ぜになっている学校が多いらしい。

今の職場でお客さんが入力するフォームでは、2年ほど前から性別の入力をさせないようになった。

「男だから稼がないと」とか「女だから家事を頑張らないと」といったことを言うのはもう御法度だ。

こんな風に、性別に対して敏感な世の中に

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ZEN大学の誕生にわくわくが止まらない

ZEN大学の誕生にわくわくが止まらない

昨日、N高等学校を運営する学校法人角川ドワンゴより、新しいオンライン大学「ZEN大学」を設置するという旨の発表があった。

今後の教育業界に大きな衝撃を与える出来事になったと思う。
(なお、これは単にひろゆきさんやGACKTさんが出演するCMの衝撃が大きかったというわけでは決してない。)

実は、通信制大学というものはもともとあった。

これは、家に届く教材で勉強をし、課題に合格すると単位がもらえ

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教育とエンタメの境目ってどこにあるんだろうか

教育とエンタメの境目ってどこにあるんだろうか

教育事業で食っていこうと思っている僕だが、タイトルに書いたことを疑問に思うことがある。

ひょっとするとそんなの簡単だと思う人がいるかもしれない。

しかし、案外難しいので一度立ち止まって考えてほしい。

まず例を挙げてみよう。

先生から学びを得る学習塾は、一般的に教育に分類されるだろう。

一方で音楽を楽しむ音楽ライブはエンタメになるだろう。

ここまでは簡単だ。

では、先生から音楽について

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教育こそが幸福な人生の源だ

教育こそが幸福な人生の源だ

就活を始めたての就活生の中に、こんなことを言う人がいる。

「人の幸せに貢献できる仕事がしたい」

大人の皆さんはおわかりだと思うが、これだとどんな企業のESも通らない。

というのも、人の幸せに貢献しない仕事なんてないから。

どんな仕事も、何らかの形でこの世界の誰かの幸せに繋がっている。

なので、このままだとどんな求人にも当てはまる薄っぺらい思いになってしまうわけだ。

とはいえ、人の幸せに

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子どもに合理性を押し付けすぎるのは酷だという話

子どもに合理性を押し付けすぎるのは酷だという話

僕は大学時代、経済学部に所属していました。

その4年間で学んだ学問の一つに、ミクロ経済学という学問があります。

(主に学んでいたのは経営や会計、統計などでしたが)

この学問では、局所的な視点で消費者や企業を見つめ、経済について考察します。

内容自体は面白いのですが、僕はこの学問をあまり好きになることができませんでした。

というのも、人間の行動が合理的であることが前提とされているからです。

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「世間的な成功≠自分の幸せ」だと気づける人を育てよう

「世間的な成功≠自分の幸せ」だと気づける人を育てよう

『成功者』だとか『勝ち組』という言葉が世に蔓延っている。

年収1000万円越えの商社マン
港区のタワマン住みのIT社長
有名女優と結婚した外資系金融勤めの社員

世間はこうした人たちに羨望の眼差しを向ける。

こうなることが幸福なんだと思わせてくる。

これは極端な例なので、共感できない方が多かったかもしれない。

しかし、有名大学に入って有名企業に入社し、美男美女と結婚することが成功だと考えて

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答えを教えるだけの行為を僕は教育と呼びたくない

答えを教えるだけの行為を僕は教育と呼びたくない

受験生の頃、僕はさまざまな参考書や問題集を活用して勉強に臨んでいた。

その中には、志望校合格に大きく貢献してくれた恩師のようなものがたくさんあった。

しかし一方で、使いづらくて途中で使うのをやめてしまったものもあった。

今振り返ってみると、この後者にはある一つの共通する特徴があったなと思う。

それは、解答だけが掲載されていて、解法が記されていないということ。

これによって、数学の問題で、

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大人が子どもの逃避手段を奪ってしまってはいないだろうか

大人が子どもの逃避手段を奪ってしまってはいないだろうか

突然ですが、あなたは『逃避』という言葉に対してどのようなイメージをもつでしょうか。

少し考えてみてください。

ただし今回は、戦略的に撤退することは『逃避』に含めないことにします。

さて、どうでしょうか?

・甘え
・情けない
・好ましくない

こういった言葉が出てきたのではないでしょうか?

回答には個人差があるでしょう。

しかしおそらく、マイナスイメージを抱いたことは全員に共通すると思い

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京大現役合格者が考える受験において最も重要な時期

京大現役合格者が考える受験において最も重要な時期

2017年3月10日、当時高校3年生だった僕は、京都大学に現役合格することができました。

もう5年以上経ち社会人になった今受験のことを語るのは少し気が引けますが、久しぶりに受験について話したいと思います。

高校生のお子さんを持つ保護者の方が、子どもに勉強を促す際に参考にしていただければと思います。

先に断っておきますが、僕は決して天才的な頭脳を持ち合わせていたわけではありません。

適切な時

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弱みを改善するのではなく強みを伸ばす教育を

弱みを改善するのではなく強みを伸ばす教育を

僕の中学校の友人にこんな奴がいた。

野球部に所属して活躍しながら、定期テストでクラス1位をとる。

さらに文化祭では得意のピアノを披露して会場を沸かせる。

絵に描いたような完璧少年だった。

しかし残念ながら、この世界においてそんな人間はマイノリティだ。

ほとんどの人間には向き不向きがあり、そこから目を背けたまま生きていくことはできない。

そう、自分の得意なことと不得意なことそれぞれに、し

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地方の進学校の気をつけるべきとある風潮

地方の進学校の気をつけるべきとある風潮

僕は6年前まで、とある地方の公立進学校(自称)に通っていました。

そこで勉強を頑張り、最終的に京都大学に入学できました。

これは学校の先生たちのサポートがあって実現できたことなので、先生たちと学校にはすごく感謝しています。

しかし今当時を振り返ってみると、母校のある風潮がすごくよくなかったよなと思うんです。

それは、『都会の私立大ではなく地方の国公立大へ行け』というものです。

大学の友達

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