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弱みを改善するのではなく強みを伸ばす教育を
僕の中学校の友人にこんな奴がいた。
野球部に所属して活躍しながら、定期テストでクラス1位をとる。
さらに文化祭では得意のピアノを披露して会場を沸かせる。
絵に描いたような完璧少年だった。
しかし残念ながら、この世界においてそんな人間はマイノリティだ。
ほとんどの人間には向き不向きがあり、そこから目を背けたまま生きていくことはできない。
そう、自分の得意なことと不得意なことそれぞれに、しっかり向き合わなければならない。
しかし、多くの人は、これに対してうまく向き合えていないように感じる。
というのも、強みを伸ばすのではなく、弱みを改善することに必死になっているように感じるから。
今日はこれがどうして問題なのかについて、2つの理由に分けて話していきたい。
①才能のある人が強敵すぎるから
まず次のエピソードを見てほしい。
AくんとBくんが同時にサッカーを習い始めたとする。
Bくんはリフティング10回を既に容易にこなすのに対して、Aくんはどうしても7回までしかできない。
そこでAくんは、苦手を克服しようとして必死に練習を頑張り、1か月後にはリフティングを10回できるようになった。
しかしBくんも同じように練習しており、20回できるようになっていた。
こういったことが現実ではよく起こる。
才能は努力に勝てないという言葉をよく聞くが、これは才能のある人が努力しなかった場合の話。
残念ながら、『才能がないが努力はできる人』は、『才能があり努力もできる人』には勝てないのだ。
このように、才能のある人というのは、かなりの強敵だ。
だからこそ、よっぽどのこだわりがないのであれば、自分に少しでも分がいいフィールドで戦うべきだと僕は思う。
②ゼネラリストは5万といるから
あらゆる弱みを改善することに注力し、何事においてもそこそこできる人を目指したとする。
苦手なExcelをそこそこ使いこなせるようになったし、デザインの知識もそれなりに頭に入ったとしよう。
すると、自分の価値がかなり高まったように感じる。
しかし実際は、そんな人はこの世界に5万人といるので、大した希少価値は生まれない。
一方でPythonという言語を誰よりも使いこなせるプログラマーがいたとする。
他の人にはできないことができるので、彼はきっとあらゆる場面で重宝されるだろう。
このように、100人いれば50人できることを3個できるゼネラリストになっても、それほどその人の価値は上がらない。
100人いても1人しかできないことを1個できるスペシャリストの方が、市場価値が高い。
(50/100)^3=1/8の存在になるより、1/100の存在になる方が希少価値を生むのだ。
これから子どもにはどのような教育をしていくべきか
前提として言っておくが、子どもの弱みを改善しなくていいわけではない。
義務教育を受ける年齢の子どもには、しっかり基本を定着させ、今後の人生の基盤を作ってあげないといけない。
漢字を知らない、計算ができない、一般常識を知らないというのは、今後どういった強みを伸ばす際も障害になってくるから。
しかし、学校教育の枠外においては、とことん自分の強みを伸ばせるようにしてほしいなと思う。
絵が得意な子に対して、描く時間を疎かにさせてまで学校の勉強を強いるのはおかしい。
男の子だからといって苦手なスポーツを強いるくらいだったら、得意な別のことをさせてあげた方がいい。
ゲームが上手なら、esportsプレイヤーとして活躍できるかもしれないのだから過度に制限するのはよくない。
大谷翔平選手は、得意な野球をとことん伸ばしたからこそ今世界で活躍できている。
山中伸弥さんがIPS細胞を発見できたのはひたすら医学の研究に注力してきたから。
子どもにとことん得意と向き合ってそれを伸ばせる環境を整えてあげる
これが親のすごく大事な仕事だと思う。
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