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エッセイ・コラム・ショートショート等々

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ヘッダー画像は尊敬するナンシー関さんの著書です。
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#コラム

【コラム】サクマ式ドロップスと火垂るの墓

【コラム】サクマ式ドロップスと火垂るの墓

サクマ式ドロップスで知られる佐久間製菓が2023年1月に廃業するとテレビのニュースが伝えた。
夜の風が草むらをざわつかせ、小池に波紋が広がった。
これは僕の心象風景。
蛍の朧気な光が一斉にふわりと舞い上がるようにいくつかの感情が込み上げてきた。
そんな幻想的な画が頭に浮かんだのも間違いなくジブリ映画の『火垂るの墓』からきている。

1988年に公開された高畑勲監督の作品。
これまでに数回は観た。

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【コラム】長寿番組の宿命。海外ドラマ「アルフ」の終わり方

【コラム】長寿番組の宿命。海外ドラマ「アルフ」の終わり方

海外ドラマ(アメリカのドラマ)にはじめて触れるのは大半がNHKからではないだろうか。
中でも「フルハウス」と「アルフ」は僕の世代では気づいたら観ていたというくらいのはじめての海外ドラマの教材的作品だと思う。
アメリカのホームコメディと向田邦子や橋田壽賀子ドラマを比べて日米の文化の違いを肌で感じたといえば少し大袈裟かもしれないが共通するのは極力外ロケをしない。である。
固定のセットで繰り広げられる会

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【コラムエッセイ】儚い夏

【コラムエッセイ】儚い夏

また還暦前の若い俳優さんが亡くなった。
急性心不全。突然のお別れであった。
その俳優さんの名前をYahooニュースで目にしても正直お顔が浮かんでこなかったのですぐに検索してお写真を拝見。
あ!あの映画の人だ!
紐がするするすると記憶のいくつもの穴に吸い込まれていく。
「運命じゃない人」という映画では主演をされていて確かに僕はこの作品を観ていた。いい意味で派手じゃなく、といっても地味でもない不思議な

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【コラム】仲間由紀恵のトリック

【コラム】仲間由紀恵のトリック

僕の中で仲間由紀恵は「TRICK」の山田奈緒子で止まっている。
熱烈で熱狂的なファンというわけではないが少しだけ歳上のきれいな女性として仲間由紀恵は常にテレビの向こうにいてくれた。
はじめに書いたが僕の仲間由紀恵像はあの独特でどこか一筋縄ではいかない堤幸彦ワールド全開のドラマ「TRICK」の主人公、山田奈緒子なのだ。
あまりにも強烈なキャラクターであった。垢抜けない地味で芋っぽいセーターやカーディ

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【エッセイ】情熱の疑問

【エッセイ】情熱の疑問

僕はこどものころよく親に「ねぇ、なんで?」と疑問に思ったことはとにかく尋ねてばかりいた。
なぜ空は青いのか。なぜこどもが生まれるのか。
とるにたらないことから答えに困ることまでなんでも「なぜ?なに?」と質問ばかりしていた。
親からすればとても面倒臭いこどもだったろう。
三つ子の魂百まで。
その名残りをひきずって今も生きていることは自覚している。
ただ人に聞かなくなっただけで常に悶々と自分の中で「な

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【コラム】スカウターにIQ

【コラム】スカウターにIQ

この世の中に絶対はない。
絶対と呼ばれるいくつかのものでも99.9…%が限界である。
が、ひとつだけ100%絶対と呼べるものがある。
「死」である。
生きとし生けるものは必ず死ぬ。絶対に死からは逃れられない。
もし、ここで肉体の死はあっても魂は生きつづけ滅びない。だから絶対は存在しないという論理を持ち出してこられないとも限らないが、証明できないこの説はここでの「絶対」に該当しないので今回はないもの

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【コラムエッセイ】会食恐怖症の着眼点

【コラムエッセイ】会食恐怖症の着眼点

私は会食恐怖症(かもしれない)。
うーん、だったかもしれない。
いや、今もそうかもしれない。

はっきりしない書き出しで申し訳ない。

というのも【会食恐怖症】について書くのはこれがはじめてなのだが、はっきりしないのはそもそも私を会食恐怖症にあてはめて(枠に囲んで)いいのか正直わからない(自信がない)からだ。

この会食恐怖症という言葉を知ったのもぼんやりとした過去の記憶で、あえて深堀りせずきたく

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【コラム】妻夫木聡に吉永小百合を重ねたあの頃

【コラム】妻夫木聡に吉永小百合を重ねたあの頃

妻夫木聡は平成の植木等だと天才脚本家の三谷幸喜氏が言っていた。
妙に腑に落ちた記憶がある。
こんな名言、ナンシー関しか生み出せないはずなのに。
そう、私は今も、そしてこれからもナンシー関を追いかけていくのだろう。

ナンシー関はテレビの向こう側の人(俳優、芸人、文化人問わず)はテレビの画面に映ったままの姿しか受け止めなくていいといった考えを持っていた。

「実はこの人ああ見えて本当は良い人なんだっ

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【コラムエッセイ】笑った私の罪

【コラムエッセイ】笑った私の罪

私は今モヤモヤしている。
冗談じゃないくらいすごくモヤモヤしている。

そのモヤモヤについて書くにはまだ材料も時も一定の条件を満たしていない気もして書くべきではないと手を置き、いや、でも書かずには自分の精神衛生上よろしくないと再びスマホを手に取りを繰り返していた。

だが、思ったことをただ吐き出すくらい許されるだろうと書くことに決めた。

モヤモヤとはダウンタウンの松本人志さんのことである。

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【コラムエッセイ】だが理解したい気持ちはある

【コラムエッセイ】だが理解したい気持ちはある

ひょんなことからタバコを吸わない体になった。
体になったと書いてみたら改造されたんか?サイボーグか?感が強いが、それはある日突然ピタッとタバコが吸いたい!と思わなくなった脳になったということだ。

タバコを吸ってた頃に「え?山羊さんてタバコ吸う人なんですね?イメージと違う」とよく言われた。

自分でもなんとなくわかる。
私はタバコを吸うイメージのない人間だと思う。

だからというわけではないが、タ

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【コラム】急性多様性多用化列島の十年後

【コラム】急性多様性多用化列島の十年後

十年一昔と感じることってありますか?
西暦が2000年に突入して以降私は何か大きな節目(それは天災であることが多い)を起点にしないと思い出せなくなっている。
時代はある程度便利の上限に達したのだろうか。
最近はAIやチャットGPT?が日々話題にあがり目まぐるしいとはこのことだなと恐怖すら感じる最先端のもっと先の未来を描かせる。

70年代、80年代、90年代の10年区切りとはやはり違うよな…200

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【コラムエッセイ】後世に残すモチベーション

【コラムエッセイ】後世に残すモチベーション

後世に残すというおおまかな概念が人間の遺伝子レベルの問題として組み込まれていることは一度や二度なんてもんじゃないくらい聴き知ってはいる。

人間に限ったことじゃない全ての地球生命体の本能なのだろう。

それは子孫であり、医学の進歩に貢献する杉田玄白の解体新書であり、牧野富太郎の植物図鑑であり、宮崎駿のナウシカであり、バッハやモーツァルトの音楽であり、ゴッホやピカソの絵画であり、黒澤明やアルフレッド

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【コラム】アスパラガスでいよう

【コラム】アスパラガスでいよう

ウーバーイーツ
イーハトーブ

ウーパールーパー
シンディー・ローパー

これも韻 あれも韻 たぶん韻 きっと韻
私の言葉の水中花

ルッキズムを新種のアスパラガスかなにかと思ってた。
エッフェル塔の前でニョッキポーズで記念撮影する女性議員、わてら陽気なかしまし娘。
意味の知らない言葉がズッコケニュースとごっちゃになった。
尚更ややこしくなった。

ルッキズムとはそのまんまLOOKSのISM。

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【コラムエッセイ】一般人のメンタル

【コラムエッセイ】一般人のメンタル

今朝目覚めてデジタル時計を見たら「13:01」だった。
そんな馬鹿な!とスマホを見たら「10:15」だった。(どちらにしてもかなりの時刻)
単4電池2個で動き続けてきたデジタル時計が壊れていた。

風が轟轟窓を叩く。
昼なのに暗い。
1日がはじまったのにもう終わってる気分だ。
このメンタル、冬がきたんだと感じる。

脳が疲れてる…

なにせ昨日は情報が多かった。

KANさんの訃報。それに伴うKA

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