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sasakitory ライフスタイル

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sasaki + (labora)tory = sasakitory「ささき研究室」マガジンでは、研究にも趣味にも分類しづらいライフスタイル全体に関わる内容を発信します。
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2023年11月の記事一覧

#92 もしもマルティン・ルターが Facebook を使っていたら、きっと喜ぶと思うよ 〜教養とユーモア〜

#92 もしもマルティン・ルターが Facebook を使っていたら、きっと喜ぶと思うよ 〜教養とユーモア〜

アメリカ人は、格言が好きだ。本人たちは自覚していないかもしれないが、理由は歴史的にはっきりしている。1522年にマルティン・ルターが聖書のドイツ語訳を完成させて以来、「教会でエライ人の話を聞いて、その通りにする」という行動規範が、「自分で聖書を読んで、自分で考える」に変わったのだ。

格言とプロテスタンティズム

ルターの信条はその後イギリスへ渡り、清教徒革命を経てイギリスからアメリカへと伝わった

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#91 お醤油と、サザエさんと、皇太子殿下と

#91 お醤油と、サザエさんと、皇太子殿下と

「食べ物の恨みは恐ろしい」と言う。僕もそうで、小学生の頃に、最後の一杯のグレープ・カルピスを友だちのお母さんに飲まれたこと、布団屋の知り合いが家に来た時、水羊羹の一番美味しいところを父に取られたこと、今でもよく覚えている。今日はそんな食べ物の話のうち、「お醤油」に注目したい。

健康のためには薄味

「健康のためには薄味」はその通りで、塩分の摂りすぎはよくない。小さい頃、僕の育った家庭ではこの「薄

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#90 KAN さんの置きみやげ 〜ビートルズ Let It Be と共に〜

#90 KAN さんの置きみやげ 〜ビートルズ Let It Be と共に〜

友達の人数は、全ての人にとって必ず有限だ。無限の人数の友達がいる人はいない。同時に、人間が生涯で、あるいはある期間に親しく付き合える友達の人数も、限られているだろう。人によって、常に100人くらいと連絡を取り合っている人もいれば、親友一人だけという人もいるはずだ。

上はシャンパンのフォイル部分の写真で、離れても関係を保つことを誓ったロスチャイルド家の紋章だ。1,000円以下のデイリーワインでも、

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#89 しあわせは、シェアリング

#89 しあわせは、シェアリング

スマートフォンのカウントダウンアプリを使っている。年末年始休暇で日本に帰るまでや、次のマラソンまでの日数が日々表示される。準備が必要なイベントの場合は多少プレッシャーも感じるにせよ、基本的には楽しみなことだけを入れるようにしている。

人生のカウントダウン

そんな中、この記事を書いている日の段階で、残り日数「18115日」を示しているものがある。それは、「自分の100歳の誕生日」、つまり大まかに

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#88 Student, Interrupted 〜 就活はメカニカルにいこう!⚙️

#88 Student, Interrupted 〜 就活はメカニカルにいこう!⚙️

後輩の学部生たちが就職活動真っ只中だ。昨今の大学生の就活のあり方についてはいろいろと意見があるが、今日は就活の方法論ではなく、「何を仕事にするか」について、大学4つ、転職5回を経験した立場から述べてみたい。あちこちの大学で学び、仕事もいろいろやったおかげで、いろいろな経験をさせてもらった。

難しいことは、メカニカルに

考えてもなかなか結論の出ないことは、「メカニカルに」やってみてはどうかと思う

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【号外#5】 KANさんありがとう 〜よければ一緒に、バトンを引き継ごう〜

【号外#5】 KANさんありがとう 〜よければ一緒に、バトンを引き継ごう〜

歌手の KANさんが亡くなった。ここしばらく、音楽家の訃報が続いたが、一番ショックだった。61歳、きっとガンを克服して戻ってきてくれると思っていたが、叶わなかった。実は先月には、かつて留学していたパリを訪ねていたらしい。難しいということが分かっていたのかもしれない。(写真は彼が学んだパリ・エコール・ノルマル音楽院)

「KANさんという天才」

僕の note 記事ネタ帳の中に、「KANさんという

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#87 結婚記念日は、濡れなかった雨と、ロンドンの想い出

#87 結婚記念日は、濡れなかった雨と、ロンドンの想い出

今日11月17日は、妻と僕の11回目の結婚記念日だ。好みが細かく、難しい性格の僕を常に受け入れ、一緒にいてくれ、ドイツへも気持ちよく送り出してくれた妻へ、感謝の気持ちでいっぱいだ。今日はそんな結婚記念日とかけて、濡れなかった雨とロンドンの想い出と解いてみたい。

どしゃぶりだった、結婚式

結婚式はホテルのチャペルや神殿ではなく、神社で挙げた。先の投稿「#20 勝負の神・航空の神」に書いた、新宿十

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#85 ドイツGP難民を卒業した話

#85 ドイツGP難民を卒業した話

ドイツに来て100日が経った。実はこの100日目、留学生にとっては「第一の関門」となる。現地の生活に慣れ、電車に乗ったり買い物をしたりという生活の勝手も分かるようになり、しかし文化や食生活の違いから来るストレスは着実に身体に蓄積されてきて、多くの留学生が体調を崩すのが、到着後100日目あたりだ。

異国の地は、やはり厳しい

先の投稿「#71 エマージェンシー・ブロー 〜緊急浮上せよ〜」で、ドイツ

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【号外#4】 マイナビ × note コンテスト 「あの選択をしたから」 受賞によせて

【号外#4】 マイナビ × note コンテスト 「あの選択をしたから」 受賞によせて

本日、今年夏に行われた、マイナビ × note コンテスト「あの選択をしたから」の結果発表があった。グランプリから入賞まで合計十作品が受賞したが、応募総数は 7,482作品もあったそうだ。そんなにたくさんの作品の中から選んでいただいて、本当に幸せだ。今日は受賞によせて、コンテストに応募した作品の「続編」を書いてみたい。

受賞作紹介

少し本音を

コンテスト「あの選択をしたから」には、自分の最初

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#83 「ひきよせの法則」と TEDxRikkyoU

#83 「ひきよせの法則」と TEDxRikkyoU

「ひきよせの法則」を聞いたことがある人も多いと思う。疑似科学ではあるが、様々なところに昔から登場してきた。僕が知っている限りで一番古いのは、ルーシー・モード・モンゴメリが『赤毛のアン』シリーズの第3巻として著し、1915年に出版された、『アンの愛情』でのエピソードだ。
 アンと友人2人は「パティの家」と呼ばれる素晴らしい一軒家を借りるが、それはアンの「ひきよせ」によるものだった。ひきよせる瞬間を、

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#82 ワクワク人生のための、学修歴プラン

#82 ワクワク人生のための、学修歴プラン

毎日流れてくるネットニュースを見ていると、「中学受験はさせた方がいいか」「将来稼げる大学」「これからは社会人大学院の時代」といった学歴をあおる論調がある一方、「大学なんか行っても意味はない」「中卒でもキャリアを築ける方法」「ワーホリで人生リセット」など違った論調もある。今日は、僕の「オススメ学歴プラン」の話をしてみたい。(写真は立教大学第一食堂)

「学歴」は何の略?

まず、「学歴」という言葉に

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#81 「かつや」のカツ丼と「日本人のしあわせ」の関係

#81 「かつや」のカツ丼と「日本人のしあわせ」の関係

僕は「カツ丼」が大好きだ。ドイツへ来る前は、週に一度は必ず食べていた。なぜか論文の締め切りが近づくと余計食べたくなり、毎日のように食べていた時期もある。そんな時通ったのは、自宅近くにあるとんかつチェーン店「かつや」だ。今日は「かつや」の日常から日本文化の特徴と問題点を考えてみたい。

「かつや」紹介

「かつや」は1998年に1号店がオープンしたとんかつチェーン店で、昨年2022年に店舗数500を

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