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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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#神話

自然の神々―その織りなす時空

自然の神々―その織りなす時空

自然の神々―その織りなす時空

 世界各国の、さまざまな神々を紹介した本です。
 国や地域ごとではなく、機能ごとに紹介しているのが、特色です。天の神、海の神、鳥の神、山の神、石の神、といった具合です。
 題名にあるとおり、自然の中にある物や、自然現象の神ばかりが載っています。

 地域的には、非常に広い範囲の神々を取り上げています。
 日本、朝鮮半島、中国、モンゴル、インド、メソポタミア、

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世界の太陽と月と星の民話

世界の太陽と月と星の民話

世界の太陽と月と星の民話

 世界各国に伝わる、太陽や月や、その他の星に関わる民話を集めた本です。
 民話というより、神話と呼べる話も、多く含まれています。どの話も、興味深いです(^^)

 「世界の」というだけあって、アジア、アフリカ、オセアニア、南米、北米、ヨーロッパの話が、一通りカバーされています。
 ただし、アジアとヨーロッパの話が、圧倒的に多いですね。アフリカとオセアニアは、手薄で

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海の神話 (沖国大ブックレット)

海の神話 (沖国大ブックレット)

海の神話 (沖国大ブックレット)

 水や海に関わる、日本と世界の神話を、解説した本です。
 とはいえ、ブックレットの名のとおり、薄い冊子です。世界の神話を、すべて網羅しているわけではありません。

 主に、日本の沖縄の海の神話と、ヨーロッパの海の神話を取り上げています。他に、インド、エジプト、メソポタミア、モンゴルなどの神話が、紹介されています。
 一つ一つの神話は、それほど詳しく紹介され

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人魚 (ものと人間の文化史 143)

人魚 (ものと人間の文化史 143)

人魚 (ものと人間の文化史 143)

 人魚について、古今東西の情報を集めた本です。
 人魚について知りたいなら、一読して、損はないでしょう。

 ただし、あまり体系だった書き方がされていません。そのために、必要な情報がどこにあるのか、わかりにくいです。同じ情報が、重複して出てくることもあります。

 また、一部の情報については、正確性に疑問があります。ギリシア神話の、有名な登場人物の名前

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古代秘教の本―太古神話に隠された謎の秘儀と宗教

古代秘教の本―太古神話に隠された謎の秘儀と宗教

古代秘教の本―太古神話に隠された謎の秘儀と宗教

 今では、ほぼ滅びてしまった、古代の宗教を紹介した本です。
 宗教の中でも、特に、秘密の儀式(密儀【みつぎ】)をともなう宗教に、焦点を当てています。

 古代の密儀宗教に興味を持つのは、ごく一部の、マニアックな人だけでしょう。
 例えば、私のような(笑)

 とはいえ、普通の人でも、本書を読めば、得るものはあるはずです。
 古代の密儀宗教

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ペルシア神話

ペルシア神話

ペルシア神話

 ペルシア(イラン)神話について、まとまって書かれた解説書です。
 おそらく、日本語で書かれた資料の中では、本書が一番、よくまとまっています(^^)

 ペルシア神話について知りたいのなら、まず、本書を読むべきですね。

 どこの国でもそうであるように、ペルシアの神話も、時代により、内容が変わってゆきます。
 本書では、古い時代から、新しい時代へと、神話を解説してゆきます。

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猫と魔術と神話事典

猫と魔術と神話事典

猫と魔術と神話事典

 猫に関する神秘的な言い伝えを、「これでもか」と集めた本です。まさに、事典ですね。
 でも、学術的な、堅苦しい本ではありません。普通の人が、楽しく読める本だと思います。

 時代的にも、地域的にも、幅広い範囲を扱っています。
 ヨーロッパ、エジプト、西アジアの話が多いです。著者が、イギリスの方だからでしょう。
 中国や日本などの東アジアや、シャム(タイ)やビルマ(ミャ

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東北アジアの神話・伝説

東北アジアの神話・伝説

東北アジアの神話・伝説

 東北アジアとは、聞き慣れない地名かも知れませんね。
 本書で言う東北アジアとは、ほぼ、「シベリア東部」と同義です。中国・ロシア国境のアムール川流域や、サハリン、カムチャツカ半島などを含みます。

 この地域には、多くの少数民族が住みます。チュクチ族、コリャク族、ケレキ族、イテリメン族、アレウト族、ユカギル族などです。伝統的に、寒冷なシベリア東部で、狩猟採集生活をして

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絵画のなかの動物たち―神話・象徴・寓話 カラー版

絵画のなかの動物たち―神話・象徴・寓話 カラー版

絵画のなかの動物たち―神話・象徴・寓話 カラー版

 西洋の絵画に現われる動物たちについて、解説した本です。一部に、西アジアの絵画も載っています。
 ヨーロッパ人(と、一部の西アジア人)が、動物をどのように見ていたのかが、わかります。

 分類するならば、「文化誌」という分野の本でしょう。主にヨーロッパの動物文化誌です。

 類書は、少ないですね。日本人に馴染みの薄い分野でもあります。
 

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中国の神話伝説〈下〉

中国の神話伝説〈下〉

中国の神話伝説〈下〉

 中国の神話や伝説を知りたい方に、自信を持ってお勧めできる本です(^-^)
 これは、上下巻の下巻です。上巻から、お読み下さい。

 本書は、厚いです。索引まで入れると、四百ページ以上あります。上巻も、同じくらいの厚さがあります。
 内容も、それなりに濃いです。読み通すには、けっこう気力が必要です。

 それでも、中国の神話伝説に詳しくなりたいなら、日本語で読める文

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中国の神話伝説〈上〉

中国の神話伝説〈上〉

中国の神話伝説〈上〉

 以下のレビューには、環境依存文字があります。お使いの環境によっては、正しい文字が表示されないかも知れません。御容赦下さい。
 また、どうしても、普通のPCでは表示できない文字もあります。その文字は、〔〕でくくって、無理やり表記してあります。この点も、御容赦下さい。

 中国の神話や伝説を知りたい方に、自信を持ってお勧めできる本です(^-^)

 ただし、厚いです。注

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花の神話と伝説

花の神話と伝説

花の神話と伝説

 花の神話と伝説を集めた本です。
 類書がいくつかある中でも、本書は、質・量ともに充実しています(^^)

 ヨーロッパと、北米の神話・伝説が、主に紹介されています。
 アジアなど、他の地域のものもあります。が、ヨーロッパ・北米のものに比べると、正確さに欠けるようです。

 どのみち、神話・伝説のたぐいは、何をもって正確とするか、判断が難しいです。
 本書にある神話・伝

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ギルガメシュ叙事詩

ギルガメシュ叙事詩

ギルガメシュ叙事詩

 古代オリエントの神話を載せています。具体的には、現在のイラクあたりを舞台にした神話です。起源は、五千年以上、昔にさかのぼると考えられています。

 古代オリエントや、世界史に興味がある方は、必読ですね。
 これを読まずに、古代オリエント史を語る資格は、ありません。そう言えるほど、重要な本です。

 原典は、粘土板に書かれた楔形文字の文章です。原典そのものに欠損が多いた

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神話の力 (ハヤカワ文庫 NF 368)

神話の力 (ハヤカワ文庫 NF 368)

神話の力 (ハヤカワ文庫 NF 368)

 おそらく二十世紀最高の神話学者だったジョーゼフ・キャンベルの、すごさがわかる本です。

 ジャーナリストのビル・モイヤーズとの対談、という形を取っています。モイヤーズが問いかけることによって、キャンベルの知性と教養とが引き出されています。
 単なる知識というにとどまらず、キャンベルの思考は、「智慧」というレベルに達しています。

 ただし、これは

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