チェスガルテン創世記第一章、マガジンでまとめました! ヘッダーイラストは使い回しなので変更する可能性あります。これでより読みやすくなったんじゃないだろうか? みんなこんな風にまとめてるんだなぁ……
朦朧とする意識の中、流星に頭を打たれたオルルーンが身体を起こす。 「大丈夫か?」 一緒に水浴びしていた、仲間の戦乙女も駆け寄って。 「だいじょぶですかぁ?」 おかしいぞ。三人で来たのに、四人目がいる。 「誰だお前は?」 「エルルちゃんはぁ、エルルちゃんですよぉ♪」
「分かったよ、何とかしよう」 謁見の間を出た少年は、ワルハラ宮殿の廊下を歩きながら考える。 彼は、悪戯の神ロキ。変身や姿消し、幻惑の術に長けたオーデンの養子。 神々の敵、霜の巨人の一族だが、ワルハラで一番の隠密にして道化。 その素顔は意外にも、争いを好まぬ穏やかな少年。
「ここにいたのか」 工房の片隅、小柄な乙女像の前でイジけるオグマ。 そこへ現れたのは、ひとりの戦乙女。 「オルルーンか」 お互い、気心の知れた間柄のようだ。 「完敗じゃよ。今のワルハラで、あの巨人は作れん」 「酒を持ってきた。お前の活躍に乾杯だ」
「君にばかり負担をかけて済まない。だが…」 輝く黄金の宮殿。神々の王にひざまずく、一柱の少年神。 「ミーミルの首が、告げたのだ」 聡明さで名高いはずの王が、このときは落ち着きを欠いていた。 「君には敵地に潜入し、炎の巨人を奪取して欲しい」 「ムスペルのスルトを!?」
クリスマス間近、冬至の日。 エインSAGAの1話が配信された。 それは、極北の大地が育んだ「戦いの神話」。 人々の想像力を刺激してやまない北欧の神々は、多くの創作物に姿を変えて現れ、世界樹が大地に根を張るように数多の異世界を創造した。 そしてまた、新たなループが幕を開ける…