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#彼女
毎回新しい話を持ってくる彼は、今回も美しい女性と出会う。
長い連休には、友人の仕事を手伝っている。積もる話は特にないのだが毎年の恒例だ。彼は去年代替わりで社長になり、日々を精進している。同級生がそれぞれ社会に何かしらの貢献をし始めている気がするが、気がするだけで留めておこうと私は生きている。
社長になった彼とは高校の時からの付き合いで四半世紀になるが、未だに奇跡を呼ぶ男だ。
その日、私は彼の仕事を手伝いながら彼の近況を聞いていた。聞いていたといっても
「憧れの人」になった自分は、必死にあと19年を確保した冬の日
それは、昨年の年末だった。
「年明けたら、どこかでお会い出来たら嬉しいなぁ…なんて思ってます」
とのメッセージだった。
非常に丁寧な文面をいただいたが、この2行だけしか目に入って来ず、他をいくら読もうとしても読めなかったのは残念でならない。
私は動悸を静め、深呼吸しながら念のため5回ほど読み直したが、間違いなく誘われている事を認識した。私の人生経験で同じ女性に二度誘われるなんていうのは、ほ
僕達の矜持は翻弄される推し活。~中年の楽しみ方編~
お正月が明けると決まって僕達は、昨年めでたく社長になったばかりの男、ポップの仕事を手伝う。それは、顔見せだったり近況報告だったり、お互いのプライドをかけた推しの女子の話しだったりする。
高校時代からの同級生である僕達は、もう、40を越えた中年の集まりである。それを踏まえてこれから紡ぐ話しを心して聞いて欲しい。
毎年行われるその儀式は、どれだけ歳を重ねようとも全く実りのない話しなのだが、誰がどう
内面を上げるのに必要なのは、少しの負荷とテンションかもしれない。
その日の僕は、バック エクステンションなる器具の前にいた。
「ほう。バック エクステンション」
思わず口に出さずにいられないそのエクステンションに僕はまんまと乗せられた。
とりあえず、器具に座り僕にふさわしい負荷を探しながら僕はさりげなく背中にエクステンションをしてみた。それは僕にとって、味わった事のない未知なるエクステンションだった。
村上筋肉倶楽部
~エクステンションからの景色編~
青春の感触に行列する心理は、歳を重ねても分かち合える。
その日、ジムに新しい器具が入った。とりわけ最新の器具ではない。新しい器具が人気なのは目新しさからか、それとも。
僕は、少し年配に見える先輩方がその器具に順番に並んでいるのをランニングマシーンから鏡越しに見ていた。有酸素運動を終え、少しタイプのこのジムのアイドルの彼女に近寄った。話題があるうちは話すに越したことはない。少しのぎこちなさを若干の照れ隠しに利用しつつ彼女に近付いた。
少しタイプの彼女
自分はいつでも取り戻せる。決意は下心からで良いと思う。
「ねぇ。あなたの変化を私は認める事が出来ないの。あなたにその自覚がない事があなたを元の道に戻している事に気付いて欲しいの。それは、私があなたに伝えるまでもなく、本当ならあなた自身が気付いて私にこんな事を言わせるべきではないことなのよ」
2ヶ月振りに会う彼女は、明らかに僕に対して怒りの感情を抑えるのを隠し切れないようだった。僕はどうして彼女が怒っているのか理解しかねていた。
僕はこの2ヶ月必死だ
世の中のブームの立役者だった私の記憶を呼び覚ますには、彼女の薬が必要だった。
📚
「虫に恋したプロテイン」
ある日Instagramを開いたら、この画像がそれこそ初めましての人から、私にストーリーズ経由で送られてきた。
「あなたのこの本の解説をして欲しいの」
彼女は私にはっきりとした口調でこう断言した。
私は、内心なんのはなしですかと言いそうになるのを堪えて彼女に話の続きを促した。
「私はあなたに真実を伝えてと依頼されました。この本は、あなたの本なのです。この本に
やってみた大賞へ捧ぐ、『独占記事』~SNSで知り合った蟲好きナースに昆虫食を食べてもらうまでの私の記録~
【やってみた大賞】
鉄鋼王アンドリュー・カーネギーについて今語るべきではない。
"おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る"
これはカーネギーの墓碑銘に刻まれている言葉である。私にとってこの思想は物事の大小ではなく、体現して生きていきたいという私の目標でもある。
「ねぇ、あなたに聞いて欲しい事があるの」
6月に入り梅雨の話題も出始めた時、彼女はいつもと少し違った憂いを帯
珈琲と喫茶店。大人になった僕に、笑顔とバストは未だに物語る。
行きつけの喫茶店が欲しい。齢40の僕は、大人としての嗜みとしてそう考える。それは、誰しも願うし憧れるであろう。
僕が訪れるその店は行きつけとはほど遠く、駅近くにある雑踏の中の一軒だ。
未だに喫茶店で1人で何をしたらいいか分からず、ソワソワソワソワする。
起こるドラマがあるならば、文学誌などを片手に取り、在りし日の永井荷風や谷崎潤一郎。耽美派などに思いを耽けながら読書をしながらがいい。
ペー