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11013の手紙に寄せて

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11013でなければならない理由も、ないのだけれど。
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2019年7月の記事一覧

他薦欲しがり時代

他薦欲しがり時代

記憶をまさぐれば、ぼくはけっこう他薦で生きてきた人間かもしれないと思いました。身近な人や、出会う人からいただく「お前、これやったらいいんじゃない」「あの門、叩いたらどう?」「やってみない?」「やってくれない?」「合ってると思う」「向いてるんじゃない?」「もうやってそう」「できそう」といった声をもらって、それを真に受けて動いた経験が多いのです。

それはとらえ方を変えれば、主体性のなさ、受動的、

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バスケとラグビー

バスケとラグビー

高校生のときに、体育の授業でラグビーを経験しました。それを経験といっていいのかと自問すると、ちょっと足りないような気もします。それくらいしか、僕はラグビーに関わる経験がないのです。

いっぽう僕は、バスケットボールを小・中・高校生と、授業やら休み時間やらにさんざんやりました。走って、跳んで、大きめのボールをリングに通すというシンプルなこの競技がそこそこ好きでした。ですが、この競技で遊ぶようにな

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スナックチキン

スナックチキン

最近、めっきり揚げものを食べなくなりました。もちろん、まったく食べないわけではありません。たまに食べます。

実家で暮らしていた、未成年時代はよく食べた記憶があります。母親がつくってくれたエビや豚肉のカツなんかをよく食べていました。

鶏モモ肉のスタンダードなカラアゲも食べていましたし、小ぶりな骨付き肉のものも食べいてました。これは、肉が外れやすく、ひとくちふたくちではむはむっと食べやすい

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心の中の風鈴

心の中の風鈴

よく雨が降り。
梅雨はいつまでなんだろうと。
やりどころのないわがままな怒りを抱いて。じぶん、勝手だなぁと思って。
そもそも梅雨入り宣言とかあったっけとか思って。
梅雨明け宣言はあるのかと思ったり。
インターネットで「梅雨明け」「いつ」なんて言葉をいれて検索しちゃったり。
すると歴年の梅雨入り日と梅雨明け日の一覧が引っ張り出され。
それを見るに長い年は梅雨入りから梅雨明けまでに1か月半を要している

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微笑みの跳躍

微笑みの跳躍

新聞に折り込まれる、無料の地域紙があります。そこに、自身の戦争体験のこと、日々のくらしのこと、趣味のこと、地域や郷土の歴史のことなどについてのコラムを長いこと連載していた人がいます。長い期間に渡って紙面にのせて散らされた記事たちを、地域の図書館の「行政資料室」が収集し、保存しています。ぼくはそれを見て、地域紙に連載を持っていたその人の存在を知ったのです。その著者は、地域紙をとおしてその時代の人たち

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メモ未満

メモ未満

いつも持ち歩いている物のひとつに、スマートフォンがあります。これに、ボイスメモというアプリが入っています。音声を録って保存しておけるアプリで、声のメモ、すなわちボイスメモというわけですね。

これを聴くときって、ストレージを圧迫するデータを消そうというときくらいです。9割以上のボイスメモは、録ったっきり聴きません。いちおう、これ捨てていいかしら? と確認のために聴くのです。

聴き出すとな

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お化けはいるか?

お化けはいるか?

壁紙のシミが、人の顔に見えるという人があるとする。そんな風には見えないという人もあるかもしれないが、言われてみればそう見えなくもないと同意する人もあるだろう。壁紙のシミを、樹木の肌の模様だとか、海面で打ち崩れる波の模様だとかに置き換えてもかまわない。見る人が見ればそう見える、という解釈は、いくらでも起こりうる。

同一の事実を指して、よく評価する人もあれば、わるく評価する人もあるだろう。ある人

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偽りの装い

偽りの装い

じぶんを偽らない生き方は、なかなかしんどいものだと思います。どこかしらで、大なり小なりの仮面を被ってしまいがちです。「ほんとうのわたし」の「ある面」を、あなたはきっと見たくないでしょうから……などという(余計な)気まわしによって、わたしは偽りの仮面をかぶってしまうことがあるように思います。

「ほんとうのわたし」をそのまんま見せることが、ある時点でのわたしとあなたに少し苦しい思いをさせるという理

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勝利体験はガイダンス

勝利体験はガイダンス

私が高校生のときの英語の先生がたびたび口にしたせりふが「間違えてもいいのよ〜」というものでした。卒業して15年近く経っている私の記憶に残っている名ぜりふだと思います。

間違った答えを出したという事実をつくることが、ほんとうの正解を導き出すための手がかりになります。それがたとえ即座に成果につながらなかったとしても、どういう考えでどういう答えを出したのか、その試行の事実さえ残れば、その先にある、

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インクの滲み

インクの滲み

歌もギターもベースもドラムもピアノも、笛でもおもちゃでもなんでもかんでも、すべての演奏をたった1人でこなして、最初から最後まで曲をつくりあげるという音楽の制作スタイルがあります。この制作スタイルによる作品の発表がある偉大なミュージシャン、シンガー、ソングライターたちは後をたちません。ぼく自身もそうしたスタイルをとり、音楽制作を日々おこなっています。

1人がいちどに演奏できる楽器(パート)の数は

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おのぞみの体重

おのぞみの体重

わたしは冬より夏の方が体重が減ります。1キログラムくらいアベレージに差があるのです。気候にあわせて、体重が変わるかのようです。

寒い地方の国の人たちって、脂肪のたくわえが多い気がします。いっぽう、赤道の近くだとかあたたかい地域の国の人たちには、やせ型が多い気がします。気候と、その地域の人たちの脂肪のたくわえ方には相関関係があるように思えてなりません。

人々の脂肪のたくわえ方がその地域の

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誕生日のグループチャット

誕生日のグループチャット

実際に何もしてないはずがないのに、ぼくは何もしていないだなんて思って、じぶんを過小評価する癖がこびりついている……と、長く続く雨季が、そんなことを思わせがちなのかもしれない。

ぼくの祖父母の命日がくると、ぼくの両親は仏壇に火のついたお線香を立てる。あんたもお線香やってねなんていわれて、ああ、うん、なんて返事をして、ぼくもお線香をやるのだけれど、あとまわしにしてそのまま忘れてしまうことがこれまで

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AIゴルファーのアンサー

AIゴルファーのアンサー

なにかと天気予報にたよってしまいます。

それを絶対的なものとして信用しきっています。

ですので雨が降る予定じゃなかったのに雨が降っただなんて言って怒り出したり、不機嫌になったりします。

怒り出したり不機嫌になったりの反対もあって、天気予報の言う通りだったならば仕方ないね、なんて納得のしかたをする場合もあります。なんとも奇妙な納得のしかたです。

天気を予報してくれるのは、天気

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日陰の人気者

日陰の人気者

都市にある消灯後の飲食店、その厨房で内装のへりを一瞬ぬらりと光るすばしこくちいさな生き物が走り抜けていく。

ねずみという生き物のことを思って浮かぶ映像ってそんな感じなのですが、これは甚だ僕の勝手な偏見だろうなと思います。

ねずみ的な生き物の歴史にくらべたら、人間の都市生活の歴史なんてうわべだけでしょうから。

そう思うと、ねずみという存在は、ちっともアンダーグラウンドなものではない

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