記事一覧
スイカと鳩: ひとりの小さな平和活動
「そのスイカ、好き」
フィラデルフィアの街を歩いてるとき、店で買い物してるとき、こちらの眼を見ながら、私の胸のブローチを指し誰かしらそう話しかけてくる。皆、声を上げずに。
「写真撮ってもいい、スイカ?」遠慮がちに聞いてくれる。
それだけで、自分たちが同じ思いで繋がっているのが伝わってくる。
「スイカ」はパレスチナの国旗の代替。その土地で栽培され、国旗と同じ赤、緑、白、黒の色合いだ。
国旗
本当の思いを言わ/えない本当の理由
親しかった友人の連れ合いが亡くなった。顔も何もかも大づくりで快活、声も大きくどこに行ってもすぐ人と打ち解け合うような人柄だった。徴兵にもあい、生前、葬式は軍隊式にしてほしいと云っていた。
けれども、葬式埋葬は弟がユダヤ教に則って式の全てを取りしきった。お棺がおろされ、人々が慣習に従って次々に一つかみの土を握ってそれをお棺の上に投げたが、友人はその場に立ったまま動こうとしなかった。
20年以上も
プロローグ5:わたしのダブルに会っちゃった
(『プロローグ4』より:港を出る舟は 希望を求めるにあらず 希望を逃れるにあらず そは 狂える舟は 嵐を請うとや 嵐の中に安らぎを見るとや)
『プロローグ5』
なぜ、「あの人」にそんなにひかれたの?何て言ってる、その娘?
『同じ考え同じ感じ方するから』
なるほどネ
好きだったのは『楽しいところ、やさしいところ、あいまいなところ、情熱的なところ、
アフリカ系アメリカ人・一瞬たりとも
一瞬たりとも
フィラデルフィアに着いて初めの頃、「アメリカで驚いたことは?」と聞かれていたなら、同じコースを取った教室でのクラスメートの一言を言っただろう。「物心ついてから、自分が黒人だという意識なしでいたことは一瞬もない。」
凜とした態度、その表情。あたりは、数分、静まり返った。周りにいた、つか子も大勢の白人のクラスメートの誰も、しばらく声が出なかった。「一瞬たりとも。」つか子は、同じ、非白
プロローグ3:わたしのダブルに会っちゃった
(『プロローグ2』より)今のわたしがこの娘に会ったら、ゼッタイ聞かれる。「あんた、守りたいと切望するほどの人生、生きてるの? どうなの? 聞きたい。答えて。答えられる?」
『プロローグ 3』
タタかれたの親戚家族からだけじゃないヨ
ふ〜〜ん。 カレのとこ一人で出て引っ越したとき? だれから?
一人は友だちの連れ合い、教育も地位もある男
なんて云っ
プロローグ1 :わたしのダブルに会っちゃった
今日のつか子、へんだよ。おかしいよ
ええっ? ごめん
さっきから、 どっかよそむいてる感じ
そうかっ。ワルかった
どうしたの?
う〜ん、信じてもらえるかな。自分のダブルに会っちゃったんだ
つか子のダブル?へえっ。どこで? いつ?
ウン、2、3日前、見覚えのない日記が出てきて、ちょっと読んだら、ものすごくこっちの胸に入ってくるの、その書いた本人、昔、昔の大昔のワタシな