プロローグ4:わたしのダブルに会っちゃった
(『プロローグ3』より:『2000年の日本にみんなの作ってきたルールがある』う〜〜ん。2000年のルールねえ。それは重いヤ。どうこたえたのその娘 ?『それを彼はヨシとし、わたしはアシとしてる』ずいぶんハッキリ言ったんだネ。今のつか子はどう思う? みんなの作ってきたっていう「みんな」って誰なのかって、考えちゃう)
『プロローグ4』
しかし世の中甘くないなあ。これ、当たり前らしいけど、一人で移ったと云うことで、犯罪を犯したことにもなるらしい
犯罪ねえ。きっと、犯罪を犯すのではないかという恐れと心配だョ
でも、みんながみんなつか子を叩いたわけじゃないよ。寄ってたかってタタいた人のそばで、一人味方がいてくれた
へえっ、それだれ?
英語を習ったセンセイ、ほんとはこの人、ロシア語の翻訳者。『つか子のやったこと知って、何も云わないのに眼を輝かせてロシアの詩を聞かせてくれた
港を出る舟は
希望を求めるにあらず
希望を逃れるにあらず
そは
狂える舟は
嵐を請うとや
嵐の中に安らぎを見るとや』
ふ〜ん。嵐の中に安らぎを見る!か。。。
自分にも誰にも説明できなかったときに、この詩、心に沁みたの覚えてる
詩って、そういうパワーあるヨネ
『なぜ移ったのだろう。なぜこうしなくてはならなかったのだろう。。。人にも云えず、自分にも、これがこうでこうと云えない』
『あたたかく見守られ、何をしてもゆるされ受け入れられる人のそばにいたくない、何て言ったらいいのか、結局、その人の範囲の中で、泳ぐのはヤだってこと。。。』
『何でもイイ。悪くていい、こわくていい、不安でいい、なまなものが わたしの身体にじかにくるものがほしかった。明日にすっかり安心してる生活がここ長かった』
そして、つか子、こうも書いてる。『生きてるって、こんなにいいもんだったのかって、今は何をみても何をしてもそう思う』
そこまで思ったの。そんなふうに思ったコト、わたしあるかなぁ
『今、さびしいヒマはない。その日がっかりしても 夜になれば眠る。その晩ねむレなくても朝になれば、また、元気。こんな力が自分の中にあったなんてうれしい驚きだ。』
ソウか。それが若いつか子の実感だったんダ。
( つづく )
つか子と「あの人」(創作大賞・恋愛小説部門応募作品)
お読みいただければ嬉しいです。ありがとうございます。
このプロローグ1〜6まで冒頭にあります。
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