三城俊一/歴史ライター

みきしゅんいち/塾講師+フリー文筆業/ 歴史系書籍、教材執筆等で実績あり。 専門の教育…

三城俊一/歴史ライター

みきしゅんいち/塾講師+フリー文筆業/ 歴史系書籍、教材執筆等で実績あり。 専門の教育、得意分野の歴史など雑多に発信予定。 著書に「ニュースがわかる 図解東アジアの歴史」(SBビジュアル新書) 協力書籍「マンガでわかる 災害の日本史」(磯田道史著、池田書店)

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INDEX

※雑多な歴史情報が混じっているため、目次(INDEX)を作りました。随時更新。 ★日本史●戦国時代 ●城郭探訪 ●戦国時代以外 ★世界史●総合 ●近代以前 ●近現代…

室町時代に象が来た

 現代でも動物園の人気者である象。江戸時代の享保13(1728)年に象が来日し、将軍徳川吉宗や中御門天皇、霊元法皇といった人物と対面しました。 日本初の象の記録は? …

ポツンと一軒家 城郭編

 各地の城を回っていると、あることに気づきます。城址公園となっている箇所以外にも、「○○城△△門跡」といった石碑や案内板などが、市街地の中に立っていたりします。…

江戸初期の高僧が行った「科学実験」

 沢庵宗彭(たくあんそうほう、1573~1645)は、江戸時代初期の臨済宗の僧侶です。漬物のたくあん漬けを考案した(または広めた)ことで、その名の由来になったと言われて…

「北欧の神秘展@SOMPO美術館」に行ってきました

 先日、新宿の「SOMPO美術館」で6月9日まで開催中の「北欧の神秘 ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」を訪問してきました。  撮影可能なフロアもあり、気…

【書評】藤えりか「ナパーム弾の少女 五〇年の物語」(講談社)

 ベトナム戦争中の1972年、ある写真が撮影されました。「戦争の恐怖」と題された一連の写真ですが、ナパーム弾で服を焼かれ、大火傷を負った少女の写真が突出して有名です…

【書評】金子拓「長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像」(中公新書)

 天正3年(1575)に起きた長篠の戦いでは、織田信長・徳川家康の連合軍が武田勝頼を撃破しました。  教科書に載る「長篠合戦図屏風」には、織田・徳川連合軍の馬防柵と鉄…

臼井城~上杉謙信を撃退した名城

 臼井城は、千葉県佐倉市にある城跡です。現在は城址公園があるものの、知名度はまだ高くありません。しかし、太田道灌や上杉謙信といった名将の攻撃を受けた重要な城でも…

本佐倉城~千葉氏の本拠となった土の要塞

 本佐倉城は、千葉県佐倉市と酒々井町にまたがる城跡です。近くにある佐倉城とは別物です。 本佐倉城の来歴 本佐倉城は佐倉城よりも前の時代、下総の豪族・千葉氏の居城…

【書評】ロバート・ダーントン「猫の大虐殺」(岩波現代文庫)

「猫の大虐殺」というインパクト絶大なタイトルが目を引きます。残念ながら品切れですが、ある古書店でタイトルが気になり、手に取りました。  この本は、社会史のジャン…

彦根城「佐和口多聞櫓」の特別公開

 滋賀県彦根市にある彦根城は、国宝5天守の一つに加え、5件の重要文化財を擁する名城です。  2024年2月から3月にかけて、補修工事のため天守が入場不可となりました。そ…

ちょっと面倒な西洋人名の「=(ハイフン)」の話

 先日紹介した書籍ですが、ページをめくっていたところ「誤植」を発見しました。 「グリオン」って誰だ 初代イスラエル首相「グリオン」。正しくは、ダヴィド・ベン=グ…

【宣伝】「対立の世界史図鑑」

 この度、執筆協力した書籍が発売となりました。かみゆ歴史編集部編著「対立の世界史図鑑」(西東社)です。  ペルシア戦争、十字軍の遠征、三十年戦争、中国国共内戦な…

「388対1」~ある女性政治家の闘い

 1941年12月8日(アメリカ時間7日)、日本の連合艦隊がハワイの真珠湾を奇襲攻撃しました。翌日、フランクリン=ローズヴェルトの要請を受け、アメリカの議会は対日宣戦布…

二条城~江戸幕府の誕生と終焉を見届けた城

 京都の人気観光地の一つである二条城は、歴史上も重要な役割を果たした城です。 武家政権の長が城を構えた二条 現在の二条城ができる前にも、二条には城郭ないし武家屋…

「等差数列の和=台形の面積」である

 中学受験の算数の指導中、あることに気づきました。等差数列の和の公式の導出と、台形の面積の公式の導出は同じなのです。 等差数列の和の公式 等差数列の和は、たいて…

INDEX

INDEX

※雑多な歴史情報が混じっているため、目次(INDEX)を作りました。随時更新。

★日本史●戦国時代

●城郭探訪

●戦国時代以外

★世界史●総合

●近代以前

●近現代史

★フェイクニュースで読み解く近現代史★音楽史をファクトチェックする★雑学(国語・地理など)★書評(歴史本を中心に)★関連書籍発売のお知らせ★エッセイ、仕事の話など

室町時代に象が来た

室町時代に象が来た

 現代でも動物園の人気者である象。江戸時代の享保13(1728)年に象が来日し、将軍徳川吉宗や中御門天皇、霊元法皇といった人物と対面しました。

日本初の象の記録は? 江戸時代にやってきた象は記録も多く有名ですが、これが象の日本初上陸というわけではありません。江戸時代の象から300年もさかのぼる、室町時代の応永15(1408)年、日本に初めて象が上陸しました。

 日本に象は生息していませんが、仏

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ポツンと一軒家 城郭編

ポツンと一軒家 城郭編

 各地の城を回っていると、あることに気づきます。城址公園となっている箇所以外にも、「○○城△△門跡」といった石碑や案内板などが、市街地の中に立っていたりします。

 城(特に大規模化した近世城郭)は、たいてい現状よりもずっと広い範囲に構造物がつくられていました。多くの場合、開発によって破壊されていますが、痕跡が残っているケースもあります。これまで、江戸城外堀跡や小田原城惣構跡などを紹介してきました

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江戸初期の高僧が行った「科学実験」

江戸初期の高僧が行った「科学実験」

 沢庵宗彭(たくあんそうほう、1573~1645)は、江戸時代初期の臨済宗の僧侶です。漬物のたくあん漬けを考案した(または広めた)ことで、その名の由来になったと言われています。

 高校日本史の学習としては、後水尾天皇と江戸幕府が対立した紫衣事件(1629)により、出羽国に流罪になったことが知られます(後に赦免)。

 高僧として有名な沢庵ですが、実は極めて科学的な思考法を身に着けていました。彼は

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「北欧の神秘展@SOMPO美術館」に行ってきました

「北欧の神秘展@SOMPO美術館」に行ってきました

 先日、新宿の「SOMPO美術館」で6月9日まで開催中の「北欧の神秘 ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」を訪問してきました。

 撮影可能なフロアもあり、気に入った絵は写真を撮っています。

 フィンランドの画家ハロネンの「河岸」はまるで実写のよう。水底の暗さが不気味さを醸し出しています。

「叫び」で有名なムンクの風景画も展示されていました。

 やはり北欧といえば、美しく爽やかな自

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【書評】藤えりか「ナパーム弾の少女 五〇年の物語」(講談社)

【書評】藤えりか「ナパーム弾の少女 五〇年の物語」(講談社)

 ベトナム戦争中の1972年、ある写真が撮影されました。「戦争の恐怖」と題された一連の写真ですが、ナパーム弾で服を焼かれ、大火傷を負った少女の写真が突出して有名です。

 罪のない子供に犠牲を強いる戦場の現実を伝えたこの写真は、世界に衝撃を与えました。ベトナムでの苦戦に加え、世界的に反戦運動が広がったことで、アメリカはベトナムから撤退することになります。

 歴史を変えた写真といえますが、写真の詳

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【書評】金子拓「長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像」(中公新書)

【書評】金子拓「長篠合戦 鉄砲戦の虚像と実像」(中公新書)

 天正3年(1575)に起きた長篠の戦いでは、織田信長・徳川家康の連合軍が武田勝頼を撃破しました。
 教科書に載る「長篠合戦図屏風」には、織田・徳川連合軍の馬防柵と鉄砲隊の活躍が描かれています。いわゆる「三段撃ち」が後世の創作ということは一般にも知られてきましたが、「織田信長が鉄砲を活用した戦い」という認識が普通でしょう。

 昨年発行されたばかりの本書は、これまでの長篠合戦の研究をコンパクトにま

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臼井城~上杉謙信を撃退した名城

臼井城~上杉謙信を撃退した名城

 臼井城は、千葉県佐倉市にある城跡です。現在は城址公園があるものの、知名度はまだ高くありません。しかし、太田道灌や上杉謙信といった名将の攻撃を受けた重要な城でもあります。

太田道灌との戦い 臼井城は、当地の豪族臼井氏の居城として築かれました。文明11年(1479)には、太田道灌の攻撃によって落城。この際に道灌の甥である太田図書助(ずしょのすけ)が討ち死にしたとされます。
 現在、太田図書の墓が城

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本佐倉城~千葉氏の本拠となった土の要塞

本佐倉城~千葉氏の本拠となった土の要塞

 本佐倉城は、千葉県佐倉市と酒々井町にまたがる城跡です。近くにある佐倉城とは別物です。

本佐倉城の来歴 本佐倉城は佐倉城よりも前の時代、下総の豪族・千葉氏の居城として築かれました。千葉氏は戦国時代に北条氏の傘下に入りましたが、小田原征伐後に豊臣秀吉に所領を没収され、没落します。江戸時代初期に佐倉城が築かれると、その役割を終えました。

 本佐倉城は国指定の史跡であり、続日本100名城に指定されて

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【書評】ロバート・ダーントン「猫の大虐殺」(岩波現代文庫)

【書評】ロバート・ダーントン「猫の大虐殺」(岩波現代文庫)

「猫の大虐殺」というインパクト絶大なタイトルが目を引きます。残念ながら品切れですが、ある古書店でタイトルが気になり、手に取りました。

 この本は、社会史のジャンルに入ります。国王や大統領が何を言ったか、という政治史の記録は残りやすいですが、一般庶民が何を考えながら日常生活を送っていたのかは、なかなか記録に残りません。

 本書では、農民が伝承した民話などの限られた史料から、18世紀フランスの庶民

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彦根城「佐和口多聞櫓」の特別公開

彦根城「佐和口多聞櫓」の特別公開

 滋賀県彦根市にある彦根城は、国宝5天守の一つに加え、5件の重要文化財を擁する名城です。
 2024年2月から3月にかけて、補修工事のため天守が入場不可となりました。その代わり、普段非公開の「佐和口多聞櫓」が7年ぶりに公開されました。

 彦根城といえば天守に注目が集まりますが、現存櫓も貴重な文化財です。今回は、佐和口多聞櫓をふくむ4件の櫓とその内部を紹介していきます。

 上記の地図の13番「佐

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ちょっと面倒な西洋人名の「=(ハイフン)」の話

ちょっと面倒な西洋人名の「=(ハイフン)」の話

 先日紹介した書籍ですが、ページをめくっていたところ「誤植」を発見しました。

「グリオン」って誰だ 初代イスラエル首相「グリオン」。正しくは、ダヴィド・ベン=グリオン(1886~1973)のことです。
 「ベン=グリオン国際空港」などがあるように、「ベン=グリオン」で一つの姓です。「グリオン」で検索しても出てきません。しかし、「=(ダブルハイフン)」があったので「ベン」を名だと勘違いしたのでしょ

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【宣伝】「対立の世界史図鑑」

【宣伝】「対立の世界史図鑑」

 この度、執筆協力した書籍が発売となりました。かみゆ歴史編集部編著「対立の世界史図鑑」(西東社)です。

 ペルシア戦争、十字軍の遠征、三十年戦争、中国国共内戦など、古代から近現代までのあらゆる対立や戦争の原因と影響をテーマとしています。

 イラストや図版が多く、初心者でも楽しく読めるようになっています。
 現代に起きている問題を知るには、歴史的な経緯も知らなくてはなりません。例えば、香港問題に

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「388対1」~ある女性政治家の闘い

「388対1」~ある女性政治家の闘い

 1941年12月8日(アメリカ時間7日)、日本の連合艦隊がハワイの真珠湾を奇襲攻撃しました。翌日、フランクリン=ローズヴェルトの要請を受け、アメリカの議会は対日宣戦布告を可決します。上院は賛成82、反対0の全会一致。下院は賛成388、反対1の圧倒的多数でした。

 この唯一の反対票を投じた議員は、ジャネット・ランキン(1880~1973)という女性議員でした。なぜ、彼女は「唯一の反対」という困難

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二条城~江戸幕府の誕生と終焉を見届けた城

二条城~江戸幕府の誕生と終焉を見届けた城

 京都の人気観光地の一つである二条城は、歴史上も重要な役割を果たした城です。

武家政権の長が城を構えた二条 現在の二条城ができる前にも、二条には城郭ないし武家屋敷といえる建築がありました。足利義輝の邸宅は二条古城、織田信長の京での宿所は二条新御所、豊臣秀吉の邸宅は妙顕寺城と、それぞれ別名を持ちます。二条新御所は、本能寺の変の際に織田信忠が討ち死にした場所です。
 上記は、いずれも今の二条城から少

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「等差数列の和=台形の面積」である

「等差数列の和=台形の面積」である

 中学受験の算数の指導中、あることに気づきました。等差数列の和の公式の導出と、台形の面積の公式の導出は同じなのです。

等差数列の和の公式 等差数列の和は、たいてい次のように説明されます。

「1+2+3+4+…+10」の計算

1+ 2+ 3+ 4+…+10
+)10+ 9+ 8+ 7+…+1
11+11+11+11+…+11

 式を逆から並べて各項を足します。すると、初項

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