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作曲家たちの意外な画力

 ある道に秀でた人は、しばしば別の方面の才能を持っていることがあります。今日は、作曲家でありながら絵もうまかった人を紹介しましょう。

メンデルスゾーン

「交響曲第3番」「同第4番」「夏の夜の夢」などで知られるドイツの作曲家フェリックス・メンデルスゾーン。彼は作曲だけでなく、語学や絵画の才能もありました。

ルツェルンの風景

 メンデルスゾーンの残した風景画はプロ級で、彼の多才さを感じさせます。

シェーンベルク

 アルノルト・シェーンベルクは20世紀前半の「新ウィーン楽派」を代表する作曲家です。彼は絵画にも興味を持ち、世紀末ウィーンの雰囲気を色濃く反映した作品を残しました。

青い自画像

ショパン

「別れの曲」「夜想曲」などで知られるロマン派の作曲家フレデリック・ショパンは、漫画的・似顔絵的な絵を得意としました。

出典:遠山一行「ショパン」新潮文庫、P32

 上記のように展覧会に出すような本格的な絵ではなく、仲間内で楽しむような絵です。優れた観察力で人の特徴をとらえ、風刺的に誇張しています。

サン=サーンス

 フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンスは、自筆譜にちょっとした落書きを残しました。
 代表作「動物の謝肉祭」より第12曲「化石」は、「化石のような古い音楽」を皮肉った冗談的な音楽です。

 小型の肉食恐竜らしき骨格が描かれています。簡単な線だけですが、特徴をとらえていますね。絵心のある人の描き方だと思います。
 
 一流の芸術家は、自分の専門分野以外でもこなせることがあるのですね。

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