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文学マガジン

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自作の小説、俳句・短歌、エッセイ、詩など。
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記事一覧

🍁秋が来た🍁| 折り句

🍁秋が来た🍁| 折り句

あ  汗かきて
き  着替えたれども
が  外出し 
き  急に涼しき
た  黄昏のとき

あせかきて|きがえたれども|がいしゅつし|きゅうにすずしき|たそがれのとき

あ  あんなにも
き  君のことだけ
が  画面越し
き  「きれいだね」だと
た  讃えてみれど

あんなにも|きみのことだけ|がめんごし|きれいだねだと|たたえてみれど

あ  あんなヤツ
き  消えてしまえ!と
が  ガンガ

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てきとうに暮らす日記 1

てきとうに暮らす日記 1

こんにちは。
日記書いといたほうがいいよ、今こそ日記やで、といろんな人が言っていて、そうやろうなあと思うし、自分も人の日記を読んでいるけれど、どうにも日記が苦手で書くことができず、あんまり出歩かない生活もひと月をこえてしまったし、なにか書いとこうかなと思って書いている。
日記が書けないのは子供のころからで、夏休みの宿題も最後の3日ぐらいで適当なことをまとめて書いてて、という話は今までにもあちこちで

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【小説】陽だまりはそこにいた。#1

【小説】陽だまりはそこにいた。#1

 十九の、まだ生き方を知らない私は、ただぼんやりと「将来、錄(ロク)ちゃんと結婚するんだろう」と思っていた。

 結婚して、子供を産んで、母になって、誰かを大切に、大切に慈しむ。そんな人生を錄ちゃんのとなりで歩んでゆくのだと薄らぼんやり思っていた。それが春の話。

 十九歳になったばかりの大学2年生の春。

 淡く柔らかく、それでいて少し冷たい陽射しと花を散らす激しい風が交互に頭の中を駆け巡る。

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JW665 北の国から

JW665 北の国から

【景行征西編】エピソード36 北の国から

第十二代天皇、景行天皇の御世。

西暦83年、皇紀743年(景行天皇13)5月。

景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、熊襲を平定し、高屋宮に滞在していた。

二千年後の宮崎県宮崎市や西都市の辺りである。

そこに、ある人物がやって来た。

三輪の君の大友主(以下、オート)である。 

オート「エピソード663以来にございます。」 

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【詩】つぶつぶ

【詩】つぶつぶ

おはぎを食べた
お米のつぶつぶ
小豆のつぶつぶ

浜辺を歩いた
砂のつぶつぶ
飛沫のつぶつぶ

掃除機かけた
汗のつぶつぶ
埃のつぶつぶ

愚痴をぶつぶつ
涙をぽろぽろ
お散歩てくてく

夜空に星が
つぶつぶきらきら
つぶつぶな毎日が
つぶつぶ過ぎてゆく
私もつぶつぶ
つぶつぶと暮らす

*考えましたがやはりスタエフのリンクは末尾に置きます。
私は文章を書くためにnoteを続けているので、希望とし

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短編 | 日本橋

短編 | 日本橋

 彼が上野の美術館にいっしょに行きたいというものだから、付き合うことにした。フェルメールの「真珠の首飾りの少女」を見たいという。

 東京へ行くのは久しぶりのことだから、ついでに少し日本橋辺りを歩きたいと言った。彼には詳しいことは話していないけれども、私は2年間、銀座でホステスをしていたことがある。
 
 自分でいうと自慢話みたいに聞こえるかもしれないけれども、頑張って毎日通っていたときには、店で

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世界最後のブログはじめました。残り物には懺悔がある。

世界最後のブログはじめました。残り物には懺悔がある。

「残さず食べなさい」という言葉は
子どもの頃から私を縛り続けてきました

言葉の裏側には
ご飯を作ってくれた人や生産者
命への感謝の気持ち
もったいないや食品ロス

いろんな想いが
込められていると思うけど

私には無言のプレッシャーに感じました

どうしても食べられない
苦手な食べ物があって

でも私の気持ちは
受け止めてもらえなくて

そのたびに「残さず食べなさい」

言葉は私を蝕んでいって

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突き放せばいい

突き放せばいい

もうあの人の言動に一喜一憂しないと決めた
この出会いはいい勉強になったと
そう思うようにしている
そうでないと心が乱れてしまう
だからもう私に構うな
優しく話しかけるな

優しい言葉を傘にして
裏で言葉を研いでいる
鋭利な刃物のようになれと
研いでいる

【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第9話

【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第9話

第9話 傘、白玉、アグレッシブ

 太陽が高く昇っていた。
 少女が、小学校の門を通り抜ける。少女の背に、ランドセルはない。 

「こちらから探しにくいなら、向こうから出て来てもらえばいいのよ」

 少女は、一人呟く。
 校門近くのクスノキの前。立ち止まりゆっくりと、両手を挙げた。
 そして、振り下ろす。

 ドンッ。

 大きな音に、付近の鳥たちが一斉に飛び立つ。
 土埃。校舎ほど近い場所に、大

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ガンジス河で泳ぐ人

ガンジス河で泳ぐ人

たかのてるこさんという、旅人がいる。

インドへ「ガンジス河で、バタフライ(水泳)をしに行こう!」と思い付き、バックパックひとつを背に実行に移す、というすごい御仁だ。

『ガンジス河でバタフライ』という著書(表紙は実際たかのさんがバタフライをしている様子の写真)があり、私はこの本に学校の図書館で出会い、衝撃を受けた。

ガンジス河って、あのガンジス河?

インドで神聖視されている、あの河?

そこ

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信じる人は疑い多き人

信じる人は疑い多き人

仮に完全に正しいことだと思うなら
わざわざ「信じる」なんて
言う必要はない。

目の前に壁が見えるなら
壁はそこにあり
いちいち自らの身体をぶつけて
痛い思いをして
「ここに壁があります」なんて
言う必要はない。

「私は神を信じます」と言う者は
神がいることに疑いをもっているから
いちいち信仰の告白を
しなければならない。

神がいることに対して
心の底から何の疑いをもたない者は
いちいち「神を

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題名 「原点へ還る」

題名 「原点へ還る」

どこへゆくのにも
地に足をつき
そこから始まっていく。
一人の自分が
ふわふわと浮かんでいたら
手を掲げて名を呼び
もう一人の自分が
座り込んでいたら
手をそっと差し伸べる。
人の道は彷徨いの旅
レールなんて存在しない。
誘惑の風が吹き
見渡す限り罠が潜み
待ち構える試練の刻。
騒めく群れに
心を掻き乱す雑音
掻い潜る本能
足止めの精神
夢と現実に挑み
生死を掲げた
一度のサバイバル。
生を受けて

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落ち込んでいるネズミへ

落ち込んでいるネズミへ

月の色が赤く見えたり、黄色や白に見える

見え加減は大気中の光の散乱によって
月が地平線近くにあるときは
光が大気の厚い層を通過するので
青い光が散乱され
赤やオレンジの色が強調される

月の位置や環境により、色が変わることがある

高い位置にあるときは白っぽい
低い位置にあれば色が変わって見える

知識を活かして、ネズミとウサギの話を書こうと途中まで書いた

ネズミは赤い光が苦手で、チカチカする

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黒影紳士 ZERO 01:00 〜双炎の陣〜第五章 十二方位

黒影紳士 ZERO 01:00 〜双炎の陣〜第五章 十二方位

第五章 十二方位

「幻影守護帯……発動!」
 黒影は直ぐに、事件と深い関係にある行平 信夫教授を守る事に徹する。
 己の影を帯状にし、シュルシュルと音を立てて、行平 信夫教授をぐるぐる巻きにした。
 此の影は強固な守りにもなれば、犯人からすれば逃れる事の出来ない拘束ともなる。
「甘いな……。其奴がいなければ、犯人は犯行不可能だったかも知れないではありませんか。僕ならば、手足を影で突き刺してから、

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