愛と再生の物語…40

愛と再生の物語…40

自分の気持ちにウソをつくと…。 心は……いっぱいいっぱいなのに 平気なふりをする… . 周りに気づかれないように 仮面で過ごす…いつしか仮面は…あなたの顔に張り付いたまま 本当の素顔を…素敵な素顔を…奪う . . . . 今のドリーは心からピッピと信頼し合えていると感じている こんな風になれたのは ピッピと出逢い…ありのままの自分になれたから ピッピがいなかったら 今の私には…なれなかった . . ドリーはかつて ホスピタルプレイ スペシャリストとして 小児科で働いていた…

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COIN~コイン~1-2(承) 帰る場所

COIN~コイン~1-2(承) 帰る場所

COIN~コイン~1-2(承) 帰る場所 著:増長 晃  モールスの応急処置の後、鳩(コルン)の男たちは診療所へ運ばれることになった。モールスは散歩を続けようと思ったが、呼び止められた。 「助けてもらったのは本当にありがとう。だが、恥を忍んで君に頼みたい。精霊遣いの君にしか頼めないことだ」  怪我人に同行していたもう一人の男が、片膝をついてモールスと視線を合わせて言った。 「失礼ですが、そういった話はこの子ではなく私を通すようにお願いいたします。この子はまだ危険度の判断がで

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塵の街

塵の街

 降りしきる塵を保護色として身に纏うイーブス。カラスほどの大きさをした灰色の鳥類は、塵で視界が遮られることの無いように頭部が庇のように出っ張っている。  細かく地面を蹴ることで空を舞うが、それを飛行と呼ぶには少々物足りない。その飛距離は一蹴りでおよそ十メートル。  そんなイーブスの群れを一斉に舞わせたのは、東地区の地区長であるドゥアンの大声だった。 「な、何をする!」  トロスらが住む西地区とは丘を挟んで反対側の東地区。そこの地区長ドゥアンを囲むのは、同じく東地区に住む若者

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自撰版 掌編集 灯台 〈置き土産ver本編全文〉

自撰版 掌編集 灯台 〈置き土産ver本編全文〉

 『自撰版 掌編集 灯台』〈置き土産ver〉(約35,000字)の「序詩 時空詩」を除く本編全文。一編一編はとても短い物語で時系列もばらばらですが、最初と最後のお話だけは前書きと後書きのようなものです。一気読みも、気になったお話を気まぐれに選ぶもお好みでどうぞ。  架空の兄と真珠の子 夜に飛翔して自由になるには、こうして目を閉じるだけ。  ……さて、これで私は眠ってしまった。  意識だけが存在から離脱し、来たことのない場所に飛ばされる。これを眠りとは呼べないだろうことは分か

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小説26<シェリーの黒い噂②>

小説26<シェリーの黒い噂②>

<前回の話はこちら> 屈曲な男たちの中で、一層覇気を放つ金髪。平均180cmを超える筋肉隆々な男たちの中で、1人だけ華奢で小さめなのがシェリー。体格では、小さくか弱そうに見えた。 画面の中に映る金髪、シェリーを見ながら、男は部下たちに話し出した。 「初めて出会った時、俺より幾分も若く見えたが、鋭い眼光でただ黙って周りを伺う様子に、何故か怖さを覚えたんだよな。しかも、Dがやってきてさ。」 と言いながら画面をいじり、「これこれ」と見せた。 ”こいつは言葉は話せないが…戦

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ミズ・ミステリオーザ (8) カラスなぜ泣くの

ミズ・ミステリオーザ (8) カラスなぜ泣くの

第7話から → (7) 裏切る犬、裏切らない犬    こんなに澄み切った夏空だというのに、コッコーラ・ネロは悩んでいる。  カラスが悩むとどんな顔になるのだろうか。  それがわかると人生はもっと豊かになるような気がする。  悩みは三つある。  軽い方から。  先日、お屋敷の庭にマヨネーズボトルが落ちていた。  落ちていたというより、故意に置かれたものだろう、とお屋敷の面々は考えている。ボトルの中に薬が仕込まれていたからだ。  その溶けそこないの丸薬のカケラを前に、コッコ

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「夜天一族」

「夜天一族」

チャネリングファンタジー小説 第三章 「沈まぬ月の都」シズマヌツキノミヤコ 月と地球間には次元を越えるためのミクロトンネルが存在している。 そのトンネルを通過することで、地球と月との次元移動が可能となっているため月の人間だろうが、地球の人間だろうがトンネルを越えれば身体は星々の重力に慣らされる。 二人を乗せた高速シャトルに月面空港到着を告げるアナウンスが流れた。 「着いたー!久しぶりのツッキー‼」 月面都市空港 「MOON CITY AIRPORT」 月は地球の衛星で

#64 手紙を持ったフクロウ

#64 手紙を持ったフクロウ

Francescoから不穏な予言を聞いて 自分の世界に戻ってから数週間経った。 予言のことは頭の片隅に置きながらも 私は普段通り過ごしていた。 唯一普段と違うことと言えば、 Oliviaからのフクロウ便が楽しみだったので 毎晩窓の外を眺めたり 外の音(嘴や羽根で窓を叩いて合図するのか?)を 気にして過ごしていたことくらいだった。 ある日、私は朝から買い物に出ていた。 すっかり春の日差しが出始め、 陽も延びていた。 自宅が見える距離まで歩いたころ、 近くの街路樹から 高

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リッケンバッカーとムスタング 3.退屈と永遠

リッケンバッカーとムスタング 3.退屈と永遠

2.ニセモノの夜に 3.退屈と永遠 走りながら洗面所に駆け込み勢いよく顔を洗い、寝室に戻り 穂乃果に質問した。 「俺の事好き?」 「朝から元気すぎるよ」 「好きに決まってるじゃん」 今度は意識を穂乃果に集中しながらもう一度 「俺の事好き?」 「嫌いに決まってるじゃん」 ここにいる穂乃果はあくまで自分の意識の中で作りあげた幻想でしかない事に改めて気付かされた。 基本的に俺の事が好きというプログラムだが、意識を穂乃果の脳に向けると思想を変える事ができてしまった。 この世界に愛

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ススキの狐(こ)①金曜日

ススキの狐(こ)①金曜日

背中に何かがチクッと刺さった。 眠っていたツキミは目を開けて、布団から起き上がった。 背中が当たっていたところを見ると、一本の稲藁が敷布団を破って突き出していた。 白の浴衣を着たツキミは背中を擦りながら、欠伸をした。 そして、自分の黄金色の尻尾をギュッと抱きしめて、稲藁がないところに倒れこんだ。 「ツキミー!」 ツキミは頭の上にある尻尾と同じ色の耳をピクピク動かした。 「ツキミ!」 紅葉色の紬にその上から白の割烹着を着たミワが部屋に入って来た。 ミワにもツキミと同じ黄金色の耳

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