吉穂みらい

こちらは創作サイトです。 プロフィールはこちら。 https://note.com/y…

吉穂みらい

こちらは創作サイトです。 プロフィールはこちら。 https://note.com/yoshihomirai/n/n1404ba91bca6

マガジン

  • 珠玉集

    心の琴線が震えた記事

  • Introduction

    紹介していただいたり、紹介したりした記事を残しておくために。

  • 言葉あれこれ

    言葉をめぐるコラムやエッセイです

  • 短編 第二集

    日常の隙間に入り込む、切なくも儚い存在

  • 短篇

    noteの企画に参加した作品をあつめました。 #シロクマ文芸部 さんは毎週お題が出るのがとっても楽しい。 ピリカさんの企画はnoterの憧れ。

最近の記事

  • 固定された記事

【創作大賞2024/恋愛小説】眠る女 1

あらすじ 第1話  第2話 | 第3話  | 第4話  | 第5話 | 第6話|第7話| 第8話| 第9話| 第10話(最終話) 1 さんざめく街の揺らめきの中からやっとの思いで帰宅した|葵には、いま約束された安眠が待っているはずだった。  狭い玄関で体を曲げて靴を脱ぎ、ようやく立ち上がると、身体は海水から砂浜へ上がった時のように重く、だるい。夫の時生は、まだ帰っていなかった。  服をばらまくように脱ぎ散らかす。椅子に引っかかったスカートを追いかけるように、へなへなのス

    • のうぜんかつら #シロクマ文芸部

       懐かしい痛みだわずっと前に忘れていた  頭の中で松田聖子の声で再生された『SWEET MEMORIES』に記憶が呼び覚まされる。あれは1993年。あの夏も暑い夏だった。そんな記憶があるのはあの夏私が短い恋をしていたからだ。  懐メロに喚起されたペンギンのCMとビールとキス。甘ったるい記憶の自動再生にぼんやり歩いていたら、あまりの暑さに植え込みにうずくまっていたらしい鳩が、急に飛び出して目の前を斜めに過ぎった。  羽音をさせて、できるだけ飛翔距離を節約したいというように日陰

      • 吉穂堂で会いましょう#6 

         いつまでも暑さの残る今年の夏。  涼しくなったら、吉穂堂で会いましょう、とおっしゃってくださっていたMarmaladeさん。  まだまだ暑い中を、娘さんと一緒に来てくださいました!  Marmaladeさんと初めてお話したのは、6月のすまスパ。  収録で、Marmaladeさんとピリカさんとお話したことで、おふたりにはぐっと親近感が湧き、もっとお話ししてみたいな、と思うようになっていました。  そんな時、Marmaladeさんが『星々文芸博』に誘ってくださいました。

        • 言葉あれこれ#18 ことわざ

           座右の銘を聞かれると、多くの人がことわざや故事成語、四字熟語などをあげる。  印象に残っている座右の銘としては、iPS細胞でノーベル賞を受賞した時に山中伸弥氏があげた故事成語、  がある。  これは物事に一喜一憂せずに心を中庸に保つことの大切さを教えてくれる、中国の故事だ。  中国の北に住む塞翁の馬は逃げたが、その馬は牝馬を連れて帰ってきた。息子がその馬から落馬して怪我をしたが、そのせいで兵役に行かずに済んだ。村で命拾いした若者は、塞翁の息子だけだった。それさえも、

        • 固定された記事

        【創作大賞2024/恋愛小説】眠る女 1

        マガジン

        • 珠玉集
          520本
        • Introduction
          70本
        • 言葉あれこれ
          17本
        • 短編 第二集
          25本
        • 短篇
          20本
        • 文学フリマ「吉穂堂」に来てくださった方々
          29本

        記事

          アジール #シロクマ文芸部

           レモンから揚げ、と私は言った。  レモンから揚げ?と、夫がリピートし、語尾を上げる。 「それがメニューの名前?」  夫が呆れたように言った。 「レモンを揚げてる、と思う人がいるよね、絶対」 「やっぱりそうかな」  私は自分の作ったメニュー表に目を落とした。 「でも、ほら。『から揚げレモン』だったら、レモンを揚げたのかな、って思うけど、『レモンから揚げ』だったら、から揚げにレモンがついてる、って思ってくれないかな?から揚げにはレモンって人と、レモンいらないっていう人がいるじゃ

          アジール #シロクマ文芸部

          レモン会議(タイトル変更) #シロクマ文芸部

           「レモンから」というお題で、思いつくのは今、これしかない。あやしもさんの短編小説「レモン」は、noteの一部で米津玄師の「lemon」くらい有名になりつつある。  今回のシロクマ文芸部のお題が「レモンから」であることを知って、きっと同じことを考えた人は多いのではないか、と思う。  それで私は、いまこそ「シロクマ文芸部」のレギュラー部員としての特典、つまり「事前にお題を知ることができる特典」をフルに生かし、さらに「はじめての予約投稿」をしてみることにした。  機先を制し

          レモン会議(タイトル変更) #シロクマ文芸部

          プロフィール【吉穂みらいと吉穂堂】

          note4年目をむかえたのを機に、プロフィールを更新します。 吉穂みらいどんなひと? 【吉穂みらいがわかる記事】 【こんな作品を書きます】 どんなことをしている? 1【note】 2つのアカウントがあります みらっち https://note.com/mirach/ (『鎌倉ほのぼの紀行』、『サバランさん同好会』、エッセイなど) 吉穂みらい  https://note.com/yoshihomirai/ (「シロクマ文芸部」「ピリカ文庫」などに参加。創作活動)

          プロフィール【吉穂みらいと吉穂堂】

          うどん記念日【#白4企画応募】

           うどんが食べたいときみが言ったから今日はうどん記念日、というわけではないけれど、突如うどんを食べに行くことになった。  新幹線で岡山へ向かい、岡山から香川へは、マリンライナーに乗って瀬戸大橋を渡る。  なんとなく観光気分になるマリンライナーは、大小の島々が浮かぶ風光明媚な海の上を、がたたんごととんと渡る。  朝早く家を出て疲れているはずなのに、鉄道旅はいいねえ、と隣で「きみ」―――白井鳳介はご満悦だ。  車ではなく電車に乗りたいと言ったのは鳳介だ。うどんを食べに行くためだけ

          うどん記念日【#白4企画応募】

          夕食の準備をしなくちゃいけないのに、毎日17時~18時ごろに最も「書きたい」意欲が湧く。なんでだろ。つまり逃避、ってやつ?

          夕食の準備をしなくちゃいけないのに、毎日17時~18時ごろに最も「書きたい」意欲が湧く。なんでだろ。つまり逃避、ってやつ?

          『眠る女』にいただいたコメント集

           創作大賞に応募した『眠る女』には、たくさんの記事やコメントをいただきました。  記事にしてくださったものはマガジンにおさめましたが、コメント欄でも感想をかいてくださったかたいらっしゃるので、それを何らかの形で残しておきたい、と思いました。  順不同になりますが、こちらにまとめておこうと思います。  記事にしてくださった上コメントも書いてくださったもの、別の場所・別の記事で触れてくださったコメントも掲載します。  また、それぞれのかたの固定記事(設定のない場合・最新がつぶ

          『眠る女』にいただいたコメント集

          久しぶりにみらっちのほうで記事を書きました。 https://note.com/mirach/n/n9a92b379461a

          久しぶりにみらっちのほうで記事を書きました。 https://note.com/mirach/n/n9a92b379461a

          dekoさん文学フリマ大阪出陣のお知らせです💕ブースのラインナップは要チェックです! https://note.com/dekohorse/n/na912c984968d

          dekoさん文学フリマ大阪出陣のお知らせです💕ブースのラインナップは要チェックです! https://note.com/dekohorse/n/na912c984968d

          「小説を書く人が答える小説に関係なさそうでありそうな50の質問」に答えてみた

          「小説を書く人が答える小説に関係なさそうでありそうな50の質問」。 SHIGE美さんとたゆさんの記事で紹介されていたのでやってみよう、と思います。蜂賀三月さんのテンプレートでした。 ここからは吉穂の答えです。 おつきあいくださったらうれしいです。 36番目の質問だけ熱い。なんか熱い。 Q.1 一番好きな。飲み物を教えてください。  ミルクティー、アイスティー(夏限定)、カフェオレの間を揺れ動いています。更年期以前はブラックの珈琲が好きでした。 Q.2 一番好きな食べ

          「小説を書く人が答える小説に関係なさそうでありそうな50の質問」に答えてみた

          創作大賞に応募した『眠る女』第一話にスキをくださったかたが100名になりました。スキを押さなくても、一話だけ読んでみたかたはきっともっといらっしゃると思います。少しでも読んでみてくださったみなさま、本当にありがとうございます!!https://note.com/yoshihomirai/n/nd65a2ebb31cc

          創作大賞に応募した『眠る女』第一話にスキをくださったかたが100名になりました。スキを押さなくても、一話だけ読んでみたかたはきっともっといらっしゃると思います。少しでも読んでみてくださったみなさま、本当にありがとうございます!!https://note.com/yoshihomirai/n/nd65a2ebb31cc

          「PASSAGE」が「あさイチ」で紹介!&吉穂堂の本のご案内

           8月ですね。  本日「朝イチ」で「PASSAGE」が取り上げられていました。  朝ドラ『虎に翼』にゆかりのお茶の水・神田方面を紹介する特集で、裁判官編で小橋浩之を演じられた名村辰さんが案内役でした。  『虎に翼』がメインなので、寅子が育った初期の舞台となった神田の界隈を案内する特集の中の一部としての登場。ですので「PASSAGE」じたいはそんなに大きく取り上げられていたわけではありませんでした。でも「誰でも棚を借りれば本屋さんに」というところは、伝わっていたと思います。

          「PASSAGE」が「あさイチ」で紹介!&吉穂堂の本のご案内

          創作大賞感想 番外編【広島原爆ドームのチェコ人建築家とエジプト/ローロー(白川雅)】

           ローローさんとの「なれそめ」は、おそらく私のエジプト記事を、ローローさんが見つけてくださったのが最初だったように思う。  それからローローさんの記事を遡って読んで、衝撃を受けた。  ローローさんの体験してきたことが活き活きと語られるそれらの記事には、エキゾチックとか異国情緒とか、そういうものを超えた生活実感があり、どの記事にも惹きつけられ、目を奪われた。そして私は、そのコスモポリタンな生き方にすっかり魅了されてしまったのだった。  私は漫画家のヤマザキマリさんの『国境

          創作大賞感想 番外編【広島原爆ドームのチェコ人建築家とエジプト/ローロー(白川雅)】