お題

#恋愛小説が好き

恋愛小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

人気の記事一覧

創作大賞中間選考通過 ありがとう 恋愛小説部門|おべんと攻防

ほえ? 創作大賞の中間選考結果発表って今日だったの・・・? へええ たくさん応募したよなあ...( = =) トオイメ と、ひとごとだったわたくし このところ企画祭りで忙しく、やっと一段落してふぬけておりました ご報告いたします 恋愛小説部門に応募していた「おべんと攻防」が中間選考をパスしていたのです!! 教えてくださった歩行者bさんのジョークかと思いました rira女神からもご一報いただき、真実味が増してきまして マジのようです この目でたしかめてきました 「おべんと攻

着ぐるみとロボット ⒈失恋活動 目次 全15話 連載恋愛小説 完結済み 再掲

ひとめぼれをしたその日に、忍は失恋した。 彼の名前は、ハッコくん。発酵学研究室の公式キャラクターで、もふもふの紫モンスターである。 忍の所属しているロボティクス研究室とちがって、そのラボの知名度はあまり高いとは言えない。それを挽回すべく日々奮闘している、けなげな毛むくじゃらなのだ。 中の人が誰なのかは、比較的すぐに判明した。 忍の友人、宮城しおりの先輩だった。忍としおりは、ともに大学院入試をパスし修士課程1年だ。半年経つと、さすがに右往左往することは減り、自分のやるべきこ

葡萄の告白|掌編小説 シロクマ文芸部

                             (1175字) レモンからキウイ、グレープフルーツまで。酸味の強いものも含め、果物は郁実の大好物。なかでも、葡萄は特別な存在だ。                              だまされた。 新任教師は顧問をするものだと教頭にそそのかされ、副顧問を引き受けたのがまちがいだった。 顧問は1カ月もしないうちに産休に入り、郁実は実質的な後釜に据えられた。申請はとうの昔に受理され、決定事項だったはず。ハメられたとし

流れ星カレンダー|掌編小説 シロクマ文芸部

(505字) 流れ星カレンダーは、地元の天文科学館で年始に確保する。 10/21~22日にかけて、オリオン座流星群の活動が予想されている。 満月の1週間後のため、月明かりの影響で見えにくいかもしれない。 2006年には、1時間あたり60個前後の流星が確認できたとか

日記:9/20(金) ・何も成長できていない・スキルに自信を持てない自分に危機感しかない💦 →時間だけがただただ過ぎていくことが怖い⏰ ・確実に出費が少なくなってきた💛 →毎日の支出源をカットして、月内予算の目標を絶対達成したい! ・3連休を有意義に活用して、今後の仕事に活かす✨

恋愛ポエム 『静告白♥』

もしかしたら 相手に笑われるかも知れない いや、笑われるどころか 全く相手にされないのかも知れない それでも 「あなたのことが好きです」 意中の人に 真正面から告白できたあなたは 幸せ者です そして、 容姿や能力は平均的かも知れない 学歴や財力は ライバルに及ばないのかも知れない それでも 「必ず幸せにするから。 僕と結婚してください!」 勇気を持って求婚できたあなたは 幸せ者です そして更には、 安心してください これは僕の確信です もしかした

恋愛ポエム 『恋のサイズは どれくらい?』

もしかして... コンコロ コロローン! あなたの恋のサイズは これくらい? 良いよね 良いよね! それくらいが お手軽で 若い恋には丁度 良い もしかして ドスン、ドスン、ドスンッ! あなたの恋のサイズは これくらい? 良いよね、良いよね! それくらい威圧感あれば 激しい恋には丁度 良い もしかして ふわふわ ふわわ〜 あなたの恋のサイズは これくらい? 良いよね、良いよね! それくらいがメルヘンチックで 淡い恋には丁度 良い 恋のサイズは い

恋愛ポエム 『恋愛無罪♥』

教えてください お礼に素敵なことを 最後にお伝えしますので。 今までの人生で あなたは、 数えきれないほどキスをした? それとも、 わずかばかりだった? 教えてください お礼に素敵なことを 最後にお伝えしますので。 今までの人生で あなたは、 数えきれないほど多くの恋をした? それとも たった1度だけの恋だった? 教えてください。 お礼に素敵なことを 最後にお伝えしますので。 あなたは好きな人に今すぐ告白できるほど 自分に自信がある? そんな自信はなくて

恋愛ポエム 『好き計算♥』

ねえ、君は物知りだよね? それに数学が得意って言ってたよね? だから、君には簡単だと思うけど... この計算問題、解いてほしいんだ 好きと好きを足すと  どうなるか知ってる? 簡単だよね? もう一度 言うよ 好きと好きを足したら どうなる? えっ、分からない? まあ、いきなりの計算問題は 頭が回らないよね 答えはね、 【大好き】 じゃあ、次は少し難しい問題だよ でも学校のテストじゃないから 気楽に答えてね ちょっとした応用問題さ 今度は、好きと好きを掛

着ぐるみとロボット ⒓まどろみデート 連載恋愛小説 

                            (1024字) キャンパスで紫のふわふわボディを見かけると、無条件に飛びつきたくなる。 「あの…言いにくいんですが、将さんじゃないです」 恐縮した声が中から聞こえ、忍は天地がひっくり返ったかと思った。聞くところによると、専任だった長屋将は来年多忙になるためハッコくんを後進に譲るらしい。 先に言ってくれ、先に。 居酒屋の入り口付近で先に忍を見つけたらしい彼は、軽く手を上げ合図してきた。 ちいさな幸せをかみしめ、わざと気づ

着ぐるみとロボット ⒐再会 連載恋愛小説 

                             (988字) 図書館の入っている3号館は屋上庭園になっていて、さながら植物園のよう。蝶や虫、小鳥もやってくる、憩いの場だ。 最新の自動放水設備がととのっているため、整備スタッフの負担も最小限になっている。気分転換やもの思いにふけるには、もってこい。 風が抜けるお気に入りのベンチで、忍はぼんやりしていた。 ふたりが実際につきあいだしたら、笑顔で応援できるだろうか。 ハイここまで、ときれいさっぱり想いを断ち切ることは可能

着ぐるみとロボット ⒉大人のデート 連載恋愛小説

前から気になっていたお店に誘ってはみたものの、あまりにオトナな雰囲気に、忍のちいさな体はさらに縮こまる。 「あのー、カルピスとかありますかね?ここ」 オシャレな脚の長いスツールも座りづらくて、ひと苦労。 コソコソと長屋の耳にささやいたところ、白い目を向けられた。 ふたりのぎこちない空気を察し、立ち姿のきれいなバーテンダーが助け船を出してくれる。 「ノンアルコールのカクテルもございます」 甘酸っぱいのがお好きですか、と忍の好みも言い当てた彼は、軽やかにシェイカーを振り、グラス

着ぐるみとロボット 最終話 連載恋愛小説 

                             (979字)しおりが声をかけてくれる。 「忍、おちついて。体操部の人に特訓してもらって、危険はないってお墨付きもらったから」 特訓?キケン…?ますますパニックになってくる。 「黙っててごめん。心配しすぎて、どうにかなるんじゃないかと思って」 しおりの推測は正しすぎたわけだが、そんなことはどうでもいい。 長屋本人はのほほんとしているのに、忍の緊張はどんどん高まり、吐きそうになってきた。口を覆って生つばを飲み込んでいると

自己紹介|はじめてのnote

はじめまして、葉月ぱんです。 知っている方は、すでに電子書籍や、小説投稿サイト『カクヨム』などでお見かけいただいていると思うのですが、一応の文筆家、小説書きです。 現在は編集業の方が主になっていて、書いた小説の公開はしていなかったのですが、やっぱり書いたものを出したいし、楽しみたい!というのと、 今後、いろいろと発信していきたいなと思った際、なんだかテイストやデザインがいいなと思ったので、こちらのnoteでアカウント登録しました! なので、今後ともよろしくお願いします

着ぐるみとロボット ⒑貢ぎもの 連載恋愛小説 

                             (1038字) 死刑宣告を先延ばしにしようと、忍はまだ悪あがきをしていた。 あれから、しおりと長屋を避けつづけている。お手製弁当を復活させ、学食に行かなければいいだけのこと。どうしても用事があるときは、時間をずらすようにしていた。 チームのみんなと打ち合わせしたあと、食堂のテラス席で忍はティーソーダを飲んでいた。 「みやげ持ち歩いてんだけど。毎日」 しっぽを踏まれたワンコみたいな声が出た。 「お、おかえりなさいませ…

着ぐるみとロボット ⒊くせ毛のシンデレラ 連載恋愛小説

研究の話になると、ゲノムだの分子だの言いだすので、忍は笑顔で聞き流す。 長屋本人に自覚はまったくないのだろう。彼の話には、宮城しおりが頻繁に登場する。脈ナシだとわかっているのに近づくとは、こういうことなのだ。 「黒髪ストレートって、いいですよねー。CM出れそう」 忍は生まれ落ちたときから色素の薄いくるくるくせ毛で、これまでさんざん痛い目にあってきた。まず、目のこまかいクシでは髪をとかせない。引っかかって物理的に痛いだけ。 小学生時代は、父の駐在先であるマレーシアにいた。

着ぐるみとロボット ⒋ひとめぼれ 連載恋愛小説 

夏休みのオープンキャンパスで、「研究室紹介」というイベントがある。 将来なにを研究するのか受験生に具体的にイメージしてもらうための、大事な宣伝の場だ。 正直なところ、ロボ研は読んで字のごとしで、前もってアピールする必要がほとんどない。研究室内に複数あるどのチームのロボットを登場させ、デモンストレーションするかを、決めるだけでよかった。 忍の研究している農業用ロボットは、トマトの収穫に特化したもので、派手さはない。映え的にビミョー、らしい。そんなわけで、人と交流できる他チーム

着ぐるみとロボット ⒏甘じょっぱい 連載恋愛小説 

                             (1242字) 挨拶もなにもなく、成田みさきが知らせてきた。 「イケメンが来るみたいです」 「ああ、留学生?編入シーズンだねえ」 ランチ後のマンゴープリンを、忍は食堂で楽しんでいた。 階段転落事件から、約2カ月。主治医も驚く回復力で、脚はだいぶよくなった。今もリハビリには通っているが、あのにっくき松葉杖とオサラバできて、はればれとした気持ちだ。 「なにのんきに構えてんですか、センパイ。闘いの火ぶたはもう切って落とされ

一人🎨絵しりとり🎨

お ね え さ ん🚃💤。。。 #なんのはなしですか #夏休み後の絵しりとり #官能小説が好き #恋愛小説が好き #夏の4コマ

着ぐるみとロボット ⒍高嶺の花 連載恋愛小説 

                             (815字) 人は、手の届かないものに焦がれる習性がある。 たとえば、宮城しおり。男女比の偏った理系学部で、その凛とした佇まいは羨望の的。 もの静かで人づきあいが苦手なため、しおりと友達になるのも至難の業。名実ともに、高嶺の花だ。 身近にいる男子がモタモタしているうちに、しおりはややこしい沼に足を踏み入れてしまう。忍はくわしくは知らないが、お姉さんの恋人となにやらあるようなのだ。 苦しいだけの恋はさっさと手放して、想

あすみ小学校ビレッジ ⒈なんでも屋さん 創作大賞2024応募作品 恋愛小説 全22話 目次

あらすじ 廃校跡地にできた、複合施設「あすみ小学校ビレッジ」 市職員の川久保泉は、御用聞きのような仕事をこなす。 機転が利くとの評判だが、自信のなさからがんばりすぎる傾向にある。 フィルムオフィス元代表の敏腕上司・千種。集団になじめない悩みを持つ小学生・善。団体の長を引き受けまくる、地元愛強めのオサム。70代で夢をかなえた駄菓子屋店主・瑠美。 個性豊かな面々が、あすみを盛り上げるため奮闘する。 滞在型プロジェクトの参加者・塩屋龍次。 ジオラマ作家として成功しているが、飾

水晶の馬

 本棚があるとするだろ?  そこから一冊抜き取ると、さてどうなる。  そうさな。一冊分のスペースができる。そして右か左か知らないが、どちらかにある本がことりと倒れて、隙間は直角三角形の形になるわけだ。  そこの隙間にはな、馬が住むんだ。本一冊よりも小さいが、まあ、じゃがいもよりは大きいかな。そんな馬が住んでいる。  だからな、たあ坊。お前さんが本屋で本を買おうとするときには、その本を抜いた後でどういう隙間ができるか考えなくちゃいけねえ。必ず、直角三角形だ。二等辺三角形でも、平

着ぐるみとロボット ⒔敗北宣言 連載恋愛小説 

                             (874字)いつ店を出たのか、なにがどうなってここにいるのか。 忍は長屋の部屋のソファで目を覚ました。 「え。まさか、いやがる女子を無理やり…」 「一緒に帰るって聞かなかったの、だれ」 あまりに眠いと、自制心が働かなくなるのだ。 コーヒーカップを手渡しながら、徹夜の限界値を探るのはやめてほしいと、彼は言う。 「うん、わかった。なんで?」 「ほかの男に河嶋拾わせたくない」 寝起きアタマでは理解が追いつかず、リピートをお

着ぐるみとロボット ⒕百年の恋 連載恋愛小説

起き抜けにキスを求めてくる人だとは、思わなかった。 ゆうべのできごとは妄想だったのかと、疑う余地もない。 「甘いな。杏仁かどうかはともかく」 「ん?杏仁?」 今キスすると、もれなく杏仁豆腐の味がすると、居酒屋でねだったらしい。 我ながら、あっぱれなシラフだ。 いきなり本気モードでこられたので、ぶわっと体温が上がった。 「スイッチ入った?」 「入ってません。飽きられたら困るから、これ以上は、断固拒否」 一回寝ただけですが。彼のひとりごとは無視し、毛布の中で忍はさっさと服を着た

連載小説 | 蛍光女②

前話はこちら(↓)  蛍子が生まれる前の9ヶ月ほど前に、現在の夫と紫陽花を見に行ったことがあった。 「いろいろな色の紫陽花が咲いていて綺麗ですね」 「そうですね。ここは水が豊かだから綺麗な花が咲くのかもしれません。詩織さん、ここは夜になると蛍が舞うのをご存知ですか?」 「蛍ですか?最近ではめっきり見かけなくなりましたが。蛍が舞うなんて素敵ですね」 「もし良かったら、一緒に蛍も見ていきませんか?」  私たちはその夜、蛍も見ていくことになった。  日が長くなっていた

自作の詩を村上春樹風にしてみたら名作の香りがした。「わけもなく幸せになれた 誰もいない夜の路地を 私はきっと忘れない」

クリエイティブっていったいなんなんだろう。 反響が多かった詩を、村上春樹風に変えてみた。 ※上の記事の、私の短い詩を先に読んでいただいてから、下の村上春樹風の短編を読んで頂けると、より楽しめると思います♪ 天豆の感受性 VS ChatGPTの勝負はいかに? 結果、完敗した気がしますが...… ハルキスト(村上春樹ガチファン)の私から言わせると、あくまで村上春樹風で中身が薄まった気もしました 笑  「わけもなく幸せになれた 誰もいない夜の路地を 私はきっと忘れな

着ぐるみとロボット ⒌美食の宴 連載恋愛小説 

今日も今日とて、爆食鑑賞会@学生食堂。 本日のメニューは、スタミナカルビ丼。惣菜の小鉢2種が選べて、お財布にやさしいワンコイン。長屋は温泉卵ときんぴらごぼうを特盛どんぶりにのせ、いきおいよくかき込む。 「スキスキいうけど、どこがいいわけ」 向かいに座り間近でガン見する忍に、長屋はひとごとのように聞く。 理系男子ゆえ、解けないナゾが気になってしかたないのだろうか。 重くならないように、なるべくポップに。忍は頭の中で計算をめぐらせた。 「ええと、アタマとカオ?」 発酵ラボは、

短編小説 | 愛の終わり~Love is Over~

懐かしい思い出… 「あたし…思うんだけど… …もうあたしたち、別れましょう」と沙織が切り出した。  「なんでだよ」  納得できない僕がいた。 「なんでって。きりがないと思ったの。特に理由なんてないのよ。ただひとつだけ言えるとしたら、あなたのためかな?なんかね、あなたにお似合いなのは、別の人じゃないかなって、思っちゃったんだよね。なんか、お互いに間違ったパートナーを選んでしまったんじゃないかなってね」

¥200

いなくなったきみへ | #創作大賞感想

 rinさんの「いなくなったきみへ」は、今年の創作大賞に応募されている作品を読んでいる中で出会いました。  「いなくなったきみへ」は、恋愛小説です。  恋愛小説というものは、誰にも書ける小説でありながら、誰にも書けない小説でもあります。  自らの経験を虚実織り交ぜながら書き連ねれば、一応書くことはできます。しかし、物語として恋愛小説を1から書いていくことは難しいことです。  どうしても、最後に結ばれたとか別れたとか、新たな人を見つけたという平板なオチになりがち。  「

着ぐるみとロボット ⒎潮目 連載恋愛小説 

                             (989字) え、ちょっと待ってくれ。長屋将って、こんなかっこよかったっけ。 恋心のフィルターがかかっているにしても、おかしくないか? 研究室に彼が会いに来たとき、忍はびっくりしすぎて声が出なかった。 食べかけのお弁当も、残りは味がしなかった。 「なんで食堂来ない?」 今まで気にも留めなかったのだが、世の中はバリアだらけだ。食堂への道のりの、遠いこと。ちょっとした段差が、崖に思えてくる。 「松葉杖と少々折り合いが悪く

着ぐるみとロボット ⒒未遂 連載恋愛小説 

「自覚してなかったけど、けっこう引きずってた。しののこと。できることなら、やり直したい」 たそがれの空に薄雲が風で流されていて、忍は同化しそうになった。 「それは無理。たぶん」 「たぶん?絶対じゃないんだ」 國見了と交際したのは、高3の冬。あと数カ月で卒業というタイミングだった。数週間もしないうちに、留学のウワサが本人以外からもたらされ、忍は疑心暗鬼になった。 自信がなくて不安定だった、あのころの気持ちがよみがえってきて、時間感覚がおかしくなる。ソーラーパネルが設置され、あ

映画感想文『イニシエーション・ラブ』いったい誰がその結末を予想できるのかよ!(笑)衝撃のラストに呆然・小説感想文

最初は小説を読んだ。めちゃくちゃ面白かった。これでしばらく乾くるみにはまった。まあ、普通にバブル期の恋愛小説。それでいて普通に面白い。しかし実はそんなもんじゃなかった、この小説の真骨頂は最後の大どんでん返し!!カバーには「最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する」と注意書き。今回の記事は一切ネタバレなしで書きます。まだ小説を読んでない方は是非読んでみてください。衝撃の結末が待ってます。懐かしい昭和の挿入歌のセンスも抜群。細かくてさりげない伏線

【毎週ショートショートnote】海のピ

 点Pは動くことにした。  恋心が加速して、止まらなくなったのだ。  点Pは点Qを追いかけた。  ある時は秒速30m、ある時は時速300㎞で!  しかし何度告白しても、点Qの答えはいつもNOだった。  ある日、点Pは教科書を抜け出して海にいった。  せまい教科書内で、失恋しつづけることに耐えられなくなったのだ。  海は広い。  点Pは海に飛び込んだ。  そこは素敵な世界だった。  魚が泳ぎ、サンゴが手を振る。  最高の気分だった。  だけど。  何をしても何を

便利屋花業 ⒎スターゲイザー/星を観る者 連載恋愛小説

今年の天体観測DAYは、とにかく凍えた。 臨時の設営スタッフとして屋外で作業するもんだから、手袋をしていても指がかじかむ。もはや耐寒レースだ。 時間になり、参加者がうっとりと星空にひたっているなか、まどかはものすごい空腹に襲われる。 「くっつきすぎですが」 「この際、目をつぶれ」 「どの際なんすか」 「どっから飛んでくるか、わかんないじゃん」 初参加の綾の付き添いをとはりきって来たはものの、よく考えたらキャンプ場なんて山奥。つまり、ヤツらがうじゃうじゃいる根城である。 冬場

便利屋花業 ⒏緊急要請 連載恋愛小説

とある真夜中、まどかは声にならない叫び声を上げた。 とるものもとりあえず、緊急救助を要請する。 「陸が放置して…半殺しで、ムリ。しぬ」 陸からすれば、まどかは大きいナリして、いつまでたっても狩りの腕が上がらない困った仔猫ちゃんらしい。 仕留めかたを伝授しようと、ポトリと土産を置いていく。 処理が滞りなく済んだことを確かめてから、まどかはキッチンをのぞいてみた。 「あー、半殺しってそういうこと?たしかにピクピクしてた」 「わーやめて。鳥肌」 陸が飼い猫であること。 イケメンに

恋愛系?ユーモアエッセイ 『病休中🌻この夏、やりたいこと』

  はじめに  冒頭からで恐縮なのですが。私、この7月に体調を崩しましてね。  病名や病状については、闘病体験記のような形で改めて投稿する時にお伝えするつもりですので。今回は〈数週間、休養を要す〉という診断が出たことだけをお伝えして。現在の心境などを書かせていただきます * ユーモアを交えて書いたため、少しアダルトな(エッチな)表現が後半に出てきます。  未成年の方や心臓が弱い方、そして、“未経験”の皆様も読むのをお控えくださいね 創作への意志  病気を患って休養す

【結果発表!!!!】人気作気取りで人気投票(創作大賞2024恋愛小説部門応募作品「KIBA」)

創作大賞2024恋愛小説部門応募作品 「ぶこつでやさしいスープカレー屋さん KIBA」 その人気投票を人気作気取りで行ってみました! 誰も投票してくれないかも、と思っていましたが、ありがたいことに投票して下さる方がいました。 投票して下さった皆さん、ありがとうございました。 それでは早速結果を発表したいと思います! アンケート① 好きな登場人物は?第1位 福島菜々恵  第2位 森八雲  主人公が1位となりました。 脇役を気に入ってもらえることももちろん嬉しいの

便利屋花業 ⒓ファーストコンタクト 連載恋愛小説

たいていの場合、庭の完成図は頭の中でできあがっているが、依頼人に伝えるためには、なんらかの形にする必要がある。 「何者なんですか」 「そっちこそだれ」 聞き慣れない声が耳もとでした。集中していたのを邪魔され気が立っていたまどかは、相手を間近でにらみつける。 そいつはうろたえたように、身を引いた。勝手にのぞき込んでおいて、失礼な。 「すみません。秋葉覚と言います。画面が見えたんで、つい」 ガーデンデザインは、真横、立体、平面図と3パターンこしらえる。 フリーハンドで植物を描

便利屋花業 ⒔別れの気配 連載恋愛小説

今まで、植物園デートなんて気の利いたことを考えてくれた人は、だれひとりいなかった。しかも、山野草コレクションで名高い、マニア垂涎の聖地。 多幸感に突き動かされ、まどかは秋葉の腕に飛びつく。 「さとるの好きなジャンルって、なに?今度はそれにつきあう」 「蜂谷まどか」 「マニアックなのでもいいよ」 「マドカ・ハチヤ」 「家電好きなら展示会とか?んー、そういうのって一般客OKだっけ」 さては鉄オタも兼任しているだろうと、旅行を思いつく。 「蜂谷まどかと温泉」 「下心ダダ漏れの提

便利屋花業 ⒒戦友との語らい 連載恋愛小説

沢口は、なんでもお見通しだ。 「仕事関係で男作るの、珍しいな」 「沢口くん以外にさとられないように、もう必死」 「あれをかわすのは至難の業だろ。ベタ惚れ」 愉快そうな横顔に、まどかは八つ当たりする。 「ちょっとくらい、阻止してくれてもよかったじゃん」 嫉妬に狂って逆効果だと、安定の冷静沈着っぷり。戦友みたいな存在だから、話しているとまったりリラックスする。 園芸にたずさわる者として致命的な虫ギライを、徹底して排除することでサポートしてくれた沢口には、頭が上がらない。全幅の

掌編小説 嘘と月餅

あなたは嘘をつくときわたしと視線を合わさない 今日も空をみつめてるから多分嘘をついている わたしはそれ以上追い込まない ただただ虚しくなるだけだ ここでごめんとか言ったらわたし許すのかなって なにか熱いものがこみ上げてきて 近くにあったクッションを思い切り投げつけてた あなたの眼鏡が吹き飛ぶのを片目で見て もう終わりと思った 二人の素敵な思い出がエンドロールみたいに わたしの脳裏をよぎった あなたは怒りもしないで少し笑った このドM野郎って言葉は飲み込んだ わたしは突発的に裸

便利屋花業 ⒈庭のメンテナンス 連載恋愛小説 目次 全15話 リンク有 再掲

酔いにまかせて関係を持ってしまった経験は何度かあれど、今度ばかりは相手がまずい。 「まどかさん、聞いてる?」 やたらと話しかけてくるが、こっちはそれどころじゃない。 「酒を完全に抜いてから、オレとすること。わかった?」 これっきりにするつもりはないという意思表示らしい。 首を横に振ったと受け取られたのか、両手で頭を固定される。 これが腹が立つくらいに上手いキスで、まどかは思わず頭突きを食らわしてしまった。 「この隠れドSが!」 本上綾がきょとんと振り返った。 普段こき使っ

掌編小説 TOO NEGATIVE

きったねー部屋だと、おまえん家に初めてあがった時思った。 ゴミが溢れてるとかでなくて、物が多すぎる逆ミニマリストっつーかなんつーか。洋服が異様に多かったり、本が床に積まれてたりやっぱり物が多すぎる。 女子って綺麗な部屋に住んでんじゃないのか。 ピンク、白、ベージュが基本でさ。俺がステレオタイプすぎるのかも知れん。 ベッドはないから布団で寝てんのかな思ったら、寝袋で寝てるという。なんでって聞いたら登山家になった時のため、山に登ったことはないけどと言われた。変な奴、でもいいや、面

便利屋花業 ⒕追いかけてくる過去 連載恋愛小説

つきあって2カ月か、短かったなー。いや、これでも長いほうか。 なぜたそがれているかというと、秋葉が就職したと知ったからだ。 「機械に強いとは知ってたけど」 「安定を選びました。すみません」 所長室のドアをノックしようとして会話がもれ聞こえ、まどかの足がすくむ。 「じゃあ、研修が始まる3月までに、修理系の仕事集中させるか」 「はい。バンバン入れてもらって大丈夫です」 家電メーカーは海外に拠点があるのが当たり前で、年齢にかかわらず派遣に出されるらしい。 内定がもらえたこと。事

投資を学ぶ✨ ✅トータルリターン:ファンドが対象期間にどれだけ値上がり(値下がり)したかを示す📝 ウエルスアドバイザーでは、分配金(税引前)はすべてファンドに再投資されたものと仮定して計算し、複数年のリターンは年率表示とのこと📝 ※基準価額の単純な騰落率とは異なる点には要注意🔖

真夏の恋事件|掌編小説 シロクマ文芸部

夏は夜に事件が起こる。 まして、今宵は夏祭り。なにがあろうとおかしくはない。 息苦しいほど重く湿った夜なのに、私のまわりだけ氷河期に突入。 親友と好きな人が手をつないで前を歩いていた。カランコロンと下駄の音が耳鳴りみたいに響く。 人の気持ちを聞き出しておいて、自分の恋バナは出し渋っていた彼女。 友達ですらなかったのかもしれない。 こうなったら、食べすぎで死んでやる。 などと激しい気性でもないけれど、目につくものは片っ端から買いまくった。数人と合流する予定なんか、どうだって

現在「春、ふたりのソナタ」の番外編を書いています。月代有希子の母で世界的ピアニストの月代光子の短編を書く予定です🌸😄

【毎週ショートショートnote】リベンジトリートメント

 点Rは悩んでいた。  片想いの相手、点Pが冷たい。  私と会うときはいつも一瞬。いつも無愛想。  去るときは、宿題が終わった小学生のように足取りが軽くなる。  *  ある日、私は点Pのあとを追った。  点Pがいそいそと最短距離で向かった先には、点Qがいた。 『負けた』  私はきつく目を瞑った。  点Qは、まろみのあるボディ(O)にピョンと跳ねた髪が可愛い女の子だ。  点Pは目尻を染めて柔らかく笑っている。  ……ああ、あの子に恋をしている。  悔しい。

【#毎週ショートショートnote】モンブラン失言

職場の同期のノリコを誘って、都内のある居酒屋に入った。 「最近、仕事は忙しい?」 他愛のない話から始めて、次第に職場の話から学生時代の昔話まで広げて二人で長時間盛り上がった。 俺はノリコのことが好きになっていた。 その気持ちは伝えていないが、食事に誘うと必ず都合をつけて来てくれた。  えっ、もしかして、両思い!? 期待を胸に膨らませながら日々幸せに暮らしていた。 そんなある日、同期のマリコから、飲みに誘われた。 自分がノリコが好きだということは、以前、マリコに

縦スク文庫|此処に

 立ちすくむ 約束の午後六時  五分早くついた 思い出の店     橙色の明かりの下では  くすんでしまう 私のワンピース  悲しいな スミレ色  遅れてきた あなたは  私のからだを すり抜けて  秘密の世界へ 手招く  二名がけの 予約席  ジャケットを脱いだ体は  穴だらけで空虚    痛かったでしょう どんなにか  その穴を 覗けば   あなたが息をした  最期の瞬間が見える?  体よりも心が先に逝くなんて  それは 嘘    二人 想いを打ち明けあった  互い