便利屋花業 ⒎スターゲイザー/星を観る者 連載恋愛小説
今年の天体観測DAYは、とにかく凍えた。
臨時の設営スタッフとして屋外で作業するもんだから、手袋をしていても指がかじかむ。もはや耐寒レースだ。
時間になり、参加者がうっとりと星空にひたっているなか、まどかはものすごい空腹に襲われる。
「くっつきすぎですが」
「この際、目をつぶれ」
「どの際なんすか」
「どっから飛んでくるか、わかんないじゃん」
初参加の綾の付き添いをとはりきって来たはものの、よく考えたらキャンプ場なんて山奥。つまり、ヤツらがうじゃうじゃいる根城である。
冬場