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信じる人は疑い多き人

仮に完全に正しいことだと思うなら
わざわざ「信じる」なんて
言う必要はない。

目の前に壁が見えるなら
壁はそこにあり
いちいち自らの身体をぶつけて
痛い思いをして
「ここに壁があります」なんて
言う必要はない。

「私は神を信じます」と言う者は
神がいることに疑いをもっているから
いちいち信仰の告白を
しなければならない。

神がいることに対して
心の底から何の疑いをもたない者は
いちいち「神を信じます」とか
「神を信じます」という者と
教団をつくり群れる必要はない。

誰からも評価されない者は
私は神に選ばれし者だと
信じたいがゆえに
いちいち「私はギフテッドです」と
言いつづけ
自ら鼓舞する必要があるのだろう。

他の者からは見向きもせれぬ者は
常に強烈な万能薬をつくる。
「私は神だから絶対に正しい」と
いう薬を。

孤高の
自ら恃むところのあるペンギンは
ひとり海に遊ぶ。
いちいち神を信じるなどと言わない。
まわりに他のペンギンがいなくても
力強く生きていくだろう。

信じる者は疑い多き者。
何も信じない者は
紛れもない事実をつかみし者。
集団で山にのぼるペンギンは
同病相憐れむ悲しい生き物。




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