吉岡果音

創作小説を書いております。おもに、ファンタジー作品です。 まだまだ未熟ですが、少しでも…

吉岡果音

創作小説を書いております。おもに、ファンタジー作品です。 まだまだ未熟ですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです!

マガジン

  • 悪辣の魔法使い

    小さな瓶の中に封じられてしまった、小鬼。自分を助け、レイという名前まで付けてくれた魔法使いレイオルは、親切な人間なのだと思ったが――。  小鬼のレイと、悪辣な魔法使いレイオルの冒険の旅が始まる……!  異世界ファンタジー。 ◆小説家になろう様掲載作品◆

  • 天風の剣

    右目が金色、左目が黒色という不思議な瞳を持つ青年キアランは、自身の出生の秘密と進むべき道を知るために旅に出た。幼かった自分と一緒に預けられたという「天風の剣」のみを携えて――。 闇と光が交差する、異世界ファンタジー。 ◆小説家になろう様、pixiv様、アルファポリス様、ツギクル様掲載作品◆

  • 異界屋敷不思議譚

    翔太は、通学路に「道」を見つけた。 あるはずのない、不思議な道。好奇心から、道へと迷い込む。 そこは、異界への入り口だった――! 異界の住人たちと織りなす、不思議な冒険ファンタジー。 ◆小説家になろう様掲載作品◆

  • 謎姫、世界を救うっ!

    ◆あらすじ◆ 陽菜の前に現れた、九郎と時雨。彼らは、異世界から来たのだという。 「世界を救ってほしい」 陽菜は謎の刀に選ばれた、まさかの指名制救世主――。 しかし、九郎たちの世界の危機は、陽菜の世界の危機でもあるという。 世界をまたぐ怪物、飛蟲姫。そして、飛蟲姫が生み出す魔族。 人や動物の命が、恐ろしい怪物たちに奪われていく――。 異世界、自分の世界の仲間たちと共に、陽菜は戦う覚悟を決める! ファンタジー冒険コメディー。 ◆小説家になろう様、pixiv様、ツギクル様、アルファポリス様掲載作品◆

  • 青の怪物、契約の輪

    フィンの首元には、大好きな祖父の形見のペンダント。 さらわれた妹を助けるため、フィンは一人旅に出る。 ペンダントに宿る秘密。それは、契約の呪いだった――! 強力な「しもべ」と共に、大切な妹を取り返すべくフィンは剣をふるう! 異世界ファンタジー。 ー小説家になろう様掲載作品ー

最近の記事

【創作長編小説】天風の剣 第122話

第九章 海の王 ― 第122話 笑う首 ― 「キアラン!」  ダン、ライネは、なにもない空中から突然現れたキアランを見て驚く。  キアランは、愛馬フェリックスに乗り天風の剣を構え、四天王パールを見据えていた。 「へえ。君、空間から自在に姿を現すなんてことができるんだ」  パールは感嘆の声――のように聞こえる――をあげた。  こいつ……、楽しんでやがる……!  ギリ、とキアランは歯を食いしばる。  最初の犠牲となった高次の存在、ヴァロさん、そしてその他数えきれない

    • 【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第32話

      第32話 饅頭怪物 「この村は、温泉で有名でして、温泉目当てで訪れる旅人さんも、大勢いらっしゃいます」  夕闇の中たどり着いた村の宿は、ちょっと有名な温泉宿らしかった。  黒髪を高く結い上げた宿屋の女将が、にこやかに部屋へと案内する。 「ちょうど宿に空きがあって、俺たち、ラッキーだったなあ!」  剣士アルーンが、うきうきとした様子で女将のあとを歩いていく。  小さな村の中の、大きな宿屋だった。 「ふふ、お客様。ありがとうございます。でもまあ、この通り山の多い田舎です

      • 【創作長編小説】天風の剣 第121話

        第九章 海の王 ― 第121話 あと何秒 ―  どす黒い液体が四天王パールの足首から流れ落ち、ゆっくりと大地に染み込んでいく。  足元から伸びる黒い影が、一層濃密な闇をまとう。  四天王パールは、ふふっ、と軽く笑い声をたてた。そして、自分の足元に目をやりつつ、かすかに顔をしかめた。 「浅い傷でも、やっぱり急所は痛いなあ」  ダンが、愛馬バディの背の上で魔法の杖を構える。集中し、強い魔法を唱えようとしていた。  人間の力でも、もしかしたら四天王を倒せるかもしれない。

        • 【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第31話

          第31話 吊り橋と祝福  びゅう、と湿った風が吹き上げてきた。 「吊り橋が、落っこちてるじゃん!」  剣士アルーンが、前方を指差し叫ぶ。  断崖絶壁。はるか下には、大きな川が流れている。  ここに吊り橋があったという印の二本の木の柱が残っているが、ロープは垂れ下がり、続く橋板も岸壁に沿うように垂れていた。 「ほう。人間は、こっちの崖から向こうの崖へ渡れるように細工していたのか」  青年の姿に変身している鬼のダルデマは、ひょいっとロープを引っ張り上げ、橋板をまじまじと

        【創作長編小説】天風の剣 第122話

        マガジン

        • 悪辣の魔法使い
          32本
        • 天風の剣
          122本
        • 異界屋敷不思議譚
          13本
        • 謎姫、世界を救うっ!
          26本
        • 青の怪物、契約の輪
          7本

        記事

          【創作長編小説】天風の剣 第120話

          第九章 海の王 ― 第120話 最高の食事 ―  美しい夢を見ていられればそれでいい、そう思っていた。  海の底でずっと静かに眠り続けていたい、そう思っていた。  しかし、様々な魂と出会ってしまった。様々なエネルギーを、心を知ってしまった。  夢を見続けるための食事が、いつの間にか変わっていた。  今、僕の心は熱く、喜びに震えている――。  もっと刺激を、と思った。  もっと新しい体験を、自分の外側の世界を知る感動を、突き動かされるように欲した。  ああ、僕は生きてい

          【創作長編小説】天風の剣 第120話

          「天風の剣」宣伝動画作っていただきました!

          こんばんは! 「ココナラ」ヘビーユーザーの吉岡果音です😆🦄🍀 先日、「天風の剣」のイラストを長次郎先生に描いていただいた記事を掲載しましたが、実はココナラさんにて動画制作や小説のご感想サービスをなさっている しゃき(SHAKI)様に、動画を作っていただいておりました✨ (今のところ、5本……! まだ増える予定😆) す、素晴らしすぎる……!!! あたかも拙作が映像化されたようではあーりませんかっ!!! 圧巻……😭✨こんなにすごい小説だったっけ……?😆💦 もう、もう、映画化され

          「天風の剣」宣伝動画作っていただきました!

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第30話

          第30話 空の魔法文字  朝の光のもと、美しい音色が森に響く。枝の上には小鳥たちが、並んで音楽に聴き入っている。 「とてもいい音楽だね」    緑そよぐ木の根元、小鬼のレイと鬼のダルデマは、笑顔で感想を述べた。  高く低く、清らかな音を響かせているのは、元精霊のルミ。竪琴を奏でていた。  竪琴は、「怪物眠りの琴」。魔法使いケイトの故郷、星聴祭の町の、楽器屋で購入したものだ。  ちなみに、「怪物眠りの琴」とは、その名の通り、奏でることで怪物を眠らせる効力を発揮する。ただしそ

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第30話

          【創作長編小説】天風の剣 第119話

          第九章 海の王 ― 第119話 ドーナツの向こうの青空 ―  キーン――。  愛馬バームスの手綱を握っていたアマリアは、強いめまいを感じていた。  肌が泡立ち、まるで雷に打たれたような感覚が体中を走る。 「来る……!」  背後から迫る、巨大な魔のエネルギー。  アマリアは、それが父母や親族の仇であると感じ取っていた。 「四天王パールが……!」  魔導師オリヴィアも、ダンも同様に気付いているようだった。 「皆、馬の速度を上げて!」  白い大きな虎のラジャを走らせ

          【創作長編小説】天風の剣 第119話

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第29話

          第29話 大岩の降りかた  降り注ぐ星の光のほど近く、そこは大きな岩の上。 「レイオル。ちょっと考えごとしてたんだ。今、降りるね」  小鬼のレイは、そう返事をし、今いる岩の上から魔法使いレイオルのいる地上へ、降りようとした。   「私がそちらへ行く」  レイオルがレイに返事をしたが、そこは人の背丈の三倍近くある、大岩だった。小鬼のレイにとっては難なく登れるが、人間のレイオルにとっては大変かも、とレイは思う。 「もうそろそろ戻ろうと思ってたから、俺が降りる――」  

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第29話

          【創作長編小説】天風の剣 第118話

          第九章 海の王 ― 第118話 強くなるんだ ― 「キアラン! 僕、新しい魔法を使えるようになったよ!」  ルーイがキアランの両手を取り、顔を輝かせた。  とはいえ、ルーイの笑顔には今までと比べ、暗い影のようなものが感じられた。  オニキスの襲撃を受け、たくさんの人々が犠牲となり命を落とし、そしてたくさんの人々が負傷したところを目の当たりにし、深い悲しみと恐怖を心に抱えてしまったのだろうとキアランは察する。  キアランは、胸が痛かった。明るく振る舞い、元気な笑顔を見せるル

          【創作長編小説】天風の剣 第118話

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第28話

          第28話 小さな光でも  人の姿に変身しているダルデマは、目に入った倒木を持ち上げると、適当な長さにへし折った。人ではない、怪力のなせる技である。 「こんな感じでいいかな」  ダルデマは、へし折った木を剣のように構えた。 「ああ! 頼む、ダルデマ!」  対するは剣士アルーン。  実は、アルーンがダルデマに剣の相手を依頼していたのだ。アルーンの、たっての願いだった。 「強くなりたいんだ! 俺は!」  怪物になすすべもなく連れされられてしまったことが、もっと強くなら

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第28話

          【創作長編小説】天風の剣 第117話

          第九章 海の王 ― 第117話 様々な立場 ― 「皆、無事で本当によかった――!」  四聖の皆やソフィアとテオドルの変わらぬ笑顔に触れ、キアランは深い喜びに声を震わせた。 「キアランも花紺青も、無事で本当に嬉しいよ……!」  ルーイも皆も、涙ぐむ。  守護軍の陣営の中でも、皆がいるこの場所は洞窟になっていた。入り口は、人一人通るのがやっとで狭かったが、中は広い。  洞窟内は、魔法の光で明るさが保たれていた。魔法による明かりだけではなく、岩肌がきらきらと光っている。水晶

          【創作長編小説】天風の剣 第117話

          「天風の剣」シルガーを描いていただきました✨

          WEB上で様々なサービスを販売、購入できるサイト「ココナラ」さんにて、いつも大変お世話になっている出品者様(プロの漫画家さんでもあらせられる✨)の 長次郎先生に、拙作「天風の剣」の一キャラ、シルガーを描いていただきましたっ!!😍💖🌈🦄 ↑こちらのサービス。とてもありがたい価格設定……✨ 作品も素晴らしいですが、あたたかで誠実なお人柄が素晴らしい💗🌈🍀 本当にいつもありがとうございます……✨😭💦💖🌈🍀 ↑こちらのサービスも販売されております! 超おすすめです! あれ。ここ

          「天風の剣」シルガーを描いていただきました✨

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第27話

          第27話 未熟な魔法使い  傾いた陽、黄金に染まる野原。丈の長い草が揺れる。生臭い匂いが、風に乗って流れてくる。草陰に隠れ見えないが、近くに沼があるようだった。 「近くにいるな」  先頭を歩く魔法使いレイオルが、足を止める。 「うむ。それにしてもずいぶんと突然だ」  人の姿に変身している鬼のダルデマが、うなずいた。ダルデマの肩の上に乗る元精霊のルミも、表情を強張らせる。 「えっ、怪物が、いるの?」  小鬼のレイが思わず身構える。レイ自身もしっかり怪物の分類に入る

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第27話

          【創作長編小説】天風の剣 第116話

          第九章 海の王 ― 第116話 守護軍 ― 「ルーイ! ソフィアさん! ニイロ! フレヤさん! ユリアナさん! テオドル……!」   キアランの皆を呼ぶ叫び声は、激しい吹雪にかき消される。  そこにあったはずの守護軍の陣営は、すでになかった。この場所に張られていたはずの結界も、ない。  闘いの痕跡は雪に隠されたのか、かすかに爪痕がうかがい知れるのみ。オニキスの攻撃を受け、四聖と守護軍は、ノースストルム峡谷のさらなる奥地へ移動したに違いない。 「奥に行くほど、磁場が強い。

          【創作長編小説】天風の剣 第116話

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第26話

          第26話 ふたりの姫  鮮やかな緑から、光が差し込む。深い森が、続いていた。  元精霊のルミが、重なる緑の合間に見える、遠い空へと目をやる。  もうすっかり忘れてしまっていたけど――、精霊だったころの自分と今の自分、ずいぶんと感覚が違うなあ。  改めてルミは思った。  精霊だったのは、もうはるか昔。ずっと恋焦がれた森。そしてここは、故郷の森とは違う、知らない森。  もう自由に飛ぶことは、叶わない。ここが仮に、故郷の森だったとしても。  枝と枝の間をすり抜けながら鳥たちの

          【創作長編小説】悪辣の魔法使い 第26話