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【あらすじ】 ルシルが母からおつかいを頼まれ、早五年。 魔法使いである母から依頼されたおつ…
第二話 十六歳児と、五歳児 人生は、選択の連続である。 名乗るか、名乗らないか。関わ…
第三話 歩く覚悟 街道から少し入った林の中、たき火にくべられた枝のはぜる音、濃密なよい…
第四話 おおむね勇者 人々にとって世界は、おおむね平和だった。 人々は知らない。この…
第五話 リストに書かれていた過去 命を助けられたら、命を助ける。 そんなシステムなの…
第六話 すこぶる余計な一言 先ほどから、湿った冷たい風。あたりの景色も暗い。雨が近いよ…
最終話 長い長い、おつかい 暗い空に、走る光。そしてほどなく、轟音。 「雷が落ちた! 結構近い……」 ルシルは、洞窟入り口から空を見上げた。 え……!? ゴロゴロと、低い音が響き続けていた。しかしルシルは、まったく異なる異変を見つけてしまっていた。稲妻という自然現象だけではない、他の異変を。 ルシルの瞳に映るのは、嵐の空を飛んでくるなにかの群れ。近付いてくる、黒い影――。 「あれは……?」 ルシルが空を指差した、そのときだった。 『目覚めなさい