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謎姫、世界を救うっ!

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◆あらすじ◆ 陽菜の前に現れた、九郎と時雨。彼らは、異世界から来たのだという。 「世界を救ってほしい」 陽菜は謎の刀に選ばれた、まさかの指名制救世主――。 しかし、九郎たちの世界…
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記事一覧

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第1話

◆あらすじ◆ 陽菜の前に現れた、九郎と時雨という名の不思議な青年たち。 彼らは、異世界から…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第2話

第2話 九郎の「陽菜」、と時雨の「陽菜」 「まず、自己紹介をしようではないか」  これは…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第3話

第3話 イヌクマ、空を飛ぶ  森、といっても、風変わりな森だった。  見たことのない木に…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第4話

第4話 芋虫  またしても、森。 「イヌクマ、地上へ」  九郎の命令を聞き、不思議な獣―…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第5話

第5話 廃墟と、王家と、略しかた  揺らめき落ちる、不吉な葉影。 「陽菜さん。さあ、早く…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第6話

第6話 飛蟲姫  誰もいない町。  乾いた匂いの大地に、陽菜とバーレッド、二人だけが影を…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第7話

第7話 闇の姫と希望の姫  風にそよぐ長い黒髪。そして、九郎を乗せて飛ぶイヌクマも、美しい毛並みそのままだった。  九郎……! イヌクマ……! 本当に無事だった……!  陽菜の口から、思わず安堵のため息がもれた。 「封印を破ったのは、静月ではない!」  九郎はバーレッドに向かって叫び、イヌクマから飛び降りた。 「証拠はあるのか。ただやつを信じたいから信じる、お前らがいいように思い込んでいるだけなんじゃないのか」  バーレッドの、冷ややかな声が響き渡る。 「立場

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第8話

第8話 運命の使い手  たった一匹の怪物の登場。それから、世界は一変した。  遠い過去の…

吉岡果音
1年前
4

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第9話

第9話 コトワリ  卵から幼虫、そしてさなぎ。やがて、さなぎの背を割り、成虫となる。  …

吉岡果音
1年前
7

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第10話

第10話 悪態と、笑い声  ぼんやりと、青い空。    ちきしょう。目が腫れちまって、視界が…

吉岡果音
1年前
9

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第11話

第11話 なにやら、出発の遅れ  異世界から来た怪物と、戦うための旅立ち――、のはずだった…

吉岡果音
1年前
7

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第12話

第12話 喫茶店のスパゲッティ  通行人が、振り返る。並んで歩く、陽菜と九郎を。  素材が…

吉岡果音
1年前
7

【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第13話

第13話 大きな夕日の中  陶器のミルクポットから、コーヒーに垂らすミルク。かすかな湯気の…

吉岡果音
1年前
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【創作長編小説】謎姫、世界を救うっ! 第14話

第14話 黒い川面  小さな四角い画面が、光と共に映像を映し出す。  異世界からの面々は、陽菜が手にした不思議な物体に驚きの声を上げる。 「すごい魔法だ!」  九郎、時雨、バーレッド、ミショアは、目を丸くし釘付けとなっていた。 「いや、魔法じゃなく。これ、機械なんだ」  陽菜が操作する手のひらの四角い機械――、スマホである。  指一本を滑らすだけで、次々と光る画面が変わり、新たな情報が映し出される。 「まるで水鏡の魔法みたいですね。こちらでは、魔法ではなく文明がと