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星の見える町、化け物添えて

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新天地で働く会社員、勇一。勇一は、自分をごく普通の人生を送ってきた、そしてこれからもいわゆるごく普通の人生を歩んでいく、平凡な人間と思っていた。 特殊能力があるなんて、思うはずも…
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記事一覧

【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第10話

第10話 銀硝空間、架夜子とよる  まるで、おもちゃのような町並みだった。  高い空からは…

吉岡果音
5日前
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【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第9話

第9話 傘、白玉、アグレッシブ  太陽が高く昇っていた。  少女が、小学校の門を通り抜け…

吉岡果音
12日前
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【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第8話

第8話 語る傘 「ぶはあっ!」  息苦しさに、目が覚めた。顔面に、ちょっとした謎の重みと…

吉岡果音
2週間前
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【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第1話

第1話 星と、幽霊と、化け物と  瞳に映る、星。 「ああ。この町はちゃんと星が見えるんだ…

吉岡果音
2か月前
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【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第2話

第2話 知っている誰かでも、知らない誰かでも 「化け物……!」  震えながら、勇一は叫ん…

吉岡果音
2か月前
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【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第3話

第3話 迷惑な予言  自転車を、買おう。  会社まで徒歩圏内とはいえ、こういう非常時の際…

吉岡果音
1か月前
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【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第4話

第4話 座像、そして、ふわふわ  町のはずれ、昼なお暗い、山の中。  ひっそりと、小さなお堂があった。 「幽玄……、やはり厄介な存在……」  格子戸の向こう、お堂の中に一人座る男が呟く。  ろうそくに照らされた、男の手には、すすけたお札のような紙。男は、身じろぎもせず床の上に正座したまま、持っている紙を眺めている。  炎であぶられてしまったかのように、黒と茶色の染みが広がってしまっているその紙には、筆でなにかの文字が描かれていた。 『肉目鬼』  奇妙な言葉だった。

【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第5話

第5話 先制パンチ 「勇一!」  謎のふわふわ毛玉に乗って空間を移動する勇一に、銀の髪を…

吉岡果音
1か月前
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【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第6話

第6話 鉄傘  アバターって……、つまり仮の自分、現実世界でないところで活動する、自分の…

吉岡果音
1か月前
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【創作長編小説】星の見える町、化け物添えて 第7話

第6話 廃屋の人影  星が、出ていた。 「いらっしゃいませー」  自動ドアが開くと、大学…

吉岡果音
3週間前
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