6.呪われた血と偽りの救済(2/7)

<1/7 2/7 3/7 4/7 5/7 6/7 7/7>

2/7

* * *

 翌日。天外市、人里離れた郊外。

 雨に汚染されて放棄された田畑がどこまでも広がり、崩れ落ちた廃墟ばかりが墓標のように並んでいる。

 この世の終わりを思わせるようなその風景の片隅に、終末カルト聖代派の村はあった。

 村は全体を高いコンクリートの壁にぐるりと囲まれている。
 天外郊外は凶暴な異態生物がうろつい

もっとみる
🐓ありがとうございます。がんばります🐓
2

5.アンデッドワーカー(4/4)

<1/4 2/4 3/4 4/4>

4/4

 学校のプールほどもある薬液槽がいくつもあり、その中で老若男女の死体が緩慢に手足を動かしているのだ。

 市《まち》中から買われて来た冷凍死体はベルトコンベアによって運ばれ、プールの中に放り込まれると、ほかの死体と同じく眼を覚まして動き出した。
 あれが血族の秘術によって作られた、死体を甦らせる秘薬か。

 冷凍死体をコンベアに乗せている者も、バラバ

もっとみる
🐓<君にも血羽の血を授けよう!
2

5.アンデッドワーカー(2/4)

<1/4 2/4 3/4 4/4>

2/4

 昼過ぎになり、日与と永久は近所の喫茶店で落ち合った。
 成果を報告しあったが、どちらも空振りであった。

 店内ではレインコート姿の労働者たちが防霧マスクを外し、粗末な食事を口に運んでいる。
 そのうちの何人かは、明来と似た苦しげな咳をしていた。霧雨病の初期の兆候だ。

 こういった店の一角にはたいてい合法麻薬《エル》ドリンクのサーバーが置かれてい

もっとみる
🐓三 🐓三 🐓三
3

4.リップショット(6/6)

<1/6 2/6 3/6 4/6 5/6 6/6>

6/6

 竜骨の顔面にチョップ突きを放つ!

 竜骨の顔が再び兜に覆われた。

 ギャギン!
 リップショットの骨の指先は火花を上げて弾かれた。硬い!

 対して竜骨の左の正拳! 右手の正拳! 無骨で着実な連撃だ。一撃一撃がガード越しでも体の芯に響くように重い!

 リップショットがたまらず下がると、その胸へ竜骨の足刀蹴りが伸びた。

 竜骨

もっとみる
🐓スキありがとうございます🐓
2

4.リップショット(4/6)

<1/6 2/6 3/6 4/6 5/6 6/6>

4/6

* * *

 購坂フォート、藤丸家。

 正装した昴とその父親は食卓についていた。
 一流のスタイリストに整えられた昴はドレスとアクセサリで着飾り、メイクも髪型も一夜限りの美術品と言うべき完璧な仕上がりになっている。

 キャンドルが灯るテーブルの向かい側には別の家族が着いている。若い男とその両親で、購坂フォート最高経営責任者である

もっとみる
🐓スキありがとうございます🐓
8

4.リップショット(2/6)

<1/6 2/6 3/6 4/6 5/6 6/6>

2/6

* * *

 天外にはフォートと呼ばれる巨大閉鎖コミュニティが点在している。

 ドーム球場を複数連結させたような見た目で、市《まち》の一区画を天蓋と壁で覆ってあるのだ。

 富裕層のみが住むことを許されるその内部は汚染霧雨の影響を受けず、空気清浄機によって天外でもっとも貴重な消耗品である新鮮な空気に満たされている。

 清潔な通り

もっとみる
🐓幸福ポイント50億点追加です🐓
4

3.血盟会(2/3)

<1/3 2/3 3/3>

2/3

* * *

 ガン! ガン! ガン! ガン!

「クソッ、開かねえ!」

 レジに拳銃の底を叩きつけていた男は、苛立って銃口を向けた。
 バンバンバン!!

 だが弾丸を撃ち込まれてなお金庫型防犯レジは頑として口を開くことを拒んだ。

「ああああクソ! クソ! 開かねえじゃねえか!」

 ここは天外市内のガソリンスタンド。店員と不運にも居合わせたタクシード

もっとみる
🐓幸福ポイント50億点追加です🐓
3

2.一匹の家畜(2/2)

<1/2 2/2>

2/2

* * *

 日与がドローンに続いて外壁を飛び越えると、路肩に軽自動車が待っていた。

 ドアが開いて若い女が顔を出す。

「こっちです! 急いで!」

 日与が後部座席に転がり込むと軽自動車はロケットスタートした。

 すぐにけたたましいサイレンとともにカトリ警備保障社の警備車が数台、あとを追ってきた。

 女は窓から身を乗り出して閃光手榴弾を投げつけた。

 

もっとみる
🐓三 🐓三 🐓三
3