ジブラルタル峻

言葉による創作が趣味で、2023年11月頃から、詩、詞、散文、小説、創作手記を投稿して…

ジブラルタル峻

言葉による創作が趣味で、2023年11月頃から、詩、詞、散文、小説、創作手記を投稿しています。 いつもお付き合い頂き、ありがとうございます。

マガジン

  • エンターテイナー・ストリート

    • 5,035本

    甘野充プロデュースの共同運営マガジン「エンターテイナー・ストリート」です。  共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。  小説、詩、エッセイ、絵、音楽、動画など、想像力と創造力あふれるアートやエンターテイメント作品をnoteで公開している人たちが集まって、作品を披露する場となります。  参加すると、自分の記事を共同運営マガジンに追加することができるようになります。  たくさんの人に自分の作品を読んでもらえるチャンスです。  参加費は無料です。  参加希望の方はトップ記事へコメントお願いします。 ルールは以下です。 ・投稿は自分の記事だけにしてください。 ・投稿は当日投稿の記事のみにしてください。  (過去記事は投稿しないでください) ・タイトル、タイトル画像、説明文は変更しないでください。 ※ 創作と関係のない記事は削除しますのでご了承のほどお願いします。 甘野充

  • 散文の仲間

    ジブラルタル峻が綴る、理性や科学の外側のテクスト。

  • 小説:剣と弓と本

    セド、ナスノ、ライが「冒険」をするお話。ジブラルタル峻が不定期更新中(2024/04/07時点)

  • 小説:狐

    『狐』 ジブラルタル峻 作 2024年2月6日、30投稿にて完結。

  • 名刺あるいは名刺代わりの何か

    ジブラルタル峻自身についてジブラルタル峻が言い及ぼすような記事です。そんなに更新されないでしょう。

最近の記事

  • 固定された記事

創作:ある甘味研究者の手記

シュークリームは世界を辞めていたので、ティラミスの前頭葉は常にホワイトユーモアに支配されていました。 ピーチメルバは氷の気化熱を利用してゼリー状の恋愛感情を押し込めます。夢の天然水は資本主義の人工水であり、それはハムカツがハムでありカツであることの位相差に似ています。 モンブランは目的の無い螺旋階段カテゴリーに属するとの報告には承服しかねます。モンブランが常にそして既に無極性なのは立証済みですよね。モンブランはいつだって罪のない淫なる夢に由来しますが、人々はそのことに気づ

    • 存在しない小説の読書感想文:創作

      『アンダースローガールとパンナコッタの決意』(鶏冠とんび) ※本記事はネタバレを含みます。  高校2年の夏に『ペンネの島とミトコン・ドリア味の嘘』を読んで以来の鶏冠体験でした。  本書『アンダースロー』は、『ペンネ』よりも読みやすかったと思うのですが、それは私の成長なのか、本作が単に平易なだけなのかは分かりません。  完全に文系人間の私。数学的な用語を出されると迷路にはまってしまいます。ところが不思議なことに鶏冠の作品内では数学の話が、大変カラフルに見えます。  高校の数

      • 小説:普通日記 #3

         高校時代の友人、暮内くんに誘われて、カヌレ観戦に行ってきました。  カヌレ観戦については後ほどにして、まず、暮内くんについて語らせてください。  彼は会うたびに名前が変わります。わたしたちが彼に名前を与えるからです。それはあだ名や呼び名ではなく本質的な意味での名前です。XとYが織り成す座標ではなく、染色体レベルのゲノム編集です。もう少し補足すると、絹豆腐に見せかけた木綿豆腐であり、ポテトチップスの咳払いです。  そう言えば、多くの男性は過去の恋を【名前を変更して保存する

        • 小説:剣・弓・本021「蟻と斧」

          【ライ】 「あ、ネネちゃんも行ってしまいましたね」とナスノさんはフラットに言います。 「単純な移動速度だけなら、セドさんにひけをとらないでしょうし、あと……」 「あと?」 「あ、いや、いえ……なんでも無いです」  “ネネさんはナスノさんとそりが合わず、セドさんと一緒にいるのが一番だ”という件については言いませんでした。そんなことを言ったら、ナーバスなナスノさんが更に面倒臭いことになって大変ですからね。 「さて、ライ、あなたのアイデアだからこそ私は信じています。信じてはいま

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        創作:ある甘味研究者の手記

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        記事

          小説:普通日記 #2

          どんぐりアーティスト、ミツマメ・レイさんのお店『まとまりのないレモネード』に行ってきました。生暖駅西口ビルの地下2階にお店を構えていらっしゃいます。そうです、そうです。麺や『もののみごとに』の隣ですね。あそこの「マサララーメン(五)」は格別です。しかし、(五)って何なのでしょうか。あ、この話はまた別の機会に。 レイさんは、元々両生類として暮らしていたわけですが(決定的な意味ではない)、この度爬虫類になったとのことで(暫定的な意義を含む)、新聞紙をさかんに千切っていらっしゃい

          小説:普通日記 #2

          現代詩『テーマ』

          夏のイントロをシクラメンして、真夜中の季語を定めます。 それは時曜日の日課です。 彼女はテレビを消しました。 その通りです。テレビを物理的に消したのです。 すると、平方根が無数に飛び交う砂浜で、子供たちが熱の束を掴みながらはしゃぐサウンドスケープが立ち現れるではないですか。 そこにアキアカネが駆け付けます。ポケットにオニヤンマへの不等号的な手紙を隠していますが、それはラブレターを徹底的に微分したヘイトレターでした。 つまりそれはラブレターであることに舌打ちをしつつも、オニ

          現代詩『テーマ』

          小説:剣・弓・本020「美と狂気」

          【セド】 「なあ、ライ、あとどれだけ歩きゃいいんだ」とボヤくと、 「おかしいですね。事前の調査では睡りの塔にはもう着いていてもいいはずです」とライが片眼鏡をいじりながら語る。 「何か、睡りの塔、遠ざかってねぇか」 「確かにそんな風にも感じられますが」ライは冷静だ。  ナスノが目を見開いて、 「もしかして、これが精神系攻撃……」と力強く、かつ小声でつぶやいた。かと思うといつもの調子になり、 「嗚呼、私たちは精神系幻覚型攻撃を受けて、認識を書き換えられてしまっているのですね。

          小説:剣・弓・本020「美と狂気」

          スキなことをスキなように書いて、それにスキをいただける。こんな幸せなことがあるのでしょうか(反語)。どうもありがとうございます。えがお。スイーツの面々も報われることでしょう。 https://note.com/gibraltar_shun/n/n662591965265

          スキなことをスキなように書いて、それにスキをいただける。こんな幸せなことがあるのでしょうか(反語)。どうもありがとうございます。えがお。スイーツの面々も報われることでしょう。 https://note.com/gibraltar_shun/n/n662591965265

          ゴルゴンゾーラは装備できません

          虹猫学園高校ラクロス部のマネージャー、ミヤノクルミは図書館である本を手に取り、気になるところに目を走らせていた。 持つ、という言葉に意識が及んだ。フィンランド人留学生へルミの言葉を思い出す。 所有の概念そのものが日本人と違うのかなあ。 それにしても【黄色いユニコーン】って何だろう? そういう料理のメニュー名? 主人公のお兄さん、亡くなったみたいだけど、何があったんだろう? それにこの『ゴルゴンゾーラは装備できません』ってタイトル、何だろう。よくロールプレイングゲームで

          ゴルゴンゾーラは装備できません

          線を引く:歌詞

          クレヨン握って殴った線 万年筆で滑らす線 音の階段五つの線 こころに届く声の線 いつか例えば地球が滅んでも いつか例えば命が終わっても 引かれた線でつながっていた 惹かれた線のカタルシス 国と国とを隔てる線 昨日と今日の変更線 彼らと我らを画す線 自分をせばめる消したい線 いつか例えば地球が滅んでも いつか例えば命が終わっても 引かれた線でつながっていた 惹かれた線のカタルシス 「時の線」はいつまでも 伸び続けてる 未来の未来の未来まで 「時の線」に集いし者たち 鳥

          線を引く:歌詞

          感謝! https://note.com/h_fujieda/n/nccdde90909d6

          感謝! https://note.com/h_fujieda/n/nccdde90909d6

          創作:存在しない本の感想文

           エトケン・ガリダール(1901-1979)と言えば『全体化と極限性』のほうが有名かも知れません。彼の文学的な言葉づかいは本書でも際立っていました。ガリダール哲学は積極的に異化あるいは矛盾律を採用します。それが嫌な人はきっとこの人の著作を読まないのでしょう。「カンガルーの群れがいつも跳ねているわけではないのと同じです」(本文954ページ参照)。  開き直るわけではないですが、理解できない箇所のほうが多かったのです。そもそも理解などしたくて読書をしているわけではないという側面

          創作:存在しない本の感想文

          労働に注力するためにこそ、土日祝日にテキストを練る。書く。踊らせる。 バランスを取るためのnoteであり、偏らせるためのそれではないのだなと分かります。 しかし、それでも書きたいなら月火水木金も書きなさいよ、自分。

          労働に注力するためにこそ、土日祝日にテキストを練る。書く。踊らせる。 バランスを取るためのnoteであり、偏らせるためのそれではないのだなと分かります。 しかし、それでも書きたいなら月火水木金も書きなさいよ、自分。

          旅から戻らないドラゴンの赤ちゃん、または「待つ」こと

           旅から戻らないドラゴンの赤ちゃん。間違って世界のエントランスを出入りする消されることのない消しゴムは、唐揚げではないと知りながら待ちます。  今大切なのは「待つ」ことです。この動詞についてやや細やかに考えます。「待つ」とは一般に何かを待つことになります。それは受動的な動作でしょうか? あるいは具体的行為を持たない精神的営為でしょうか?  いいえ。それは違います。待つとは、予め手を打つことであり、おそらくまたのぼるであろう太陽に対処するために、その太陽とともに眠りに就くこ

          旅から戻らないドラゴンの赤ちゃん、または「待つ」こと

          小説:剣・弓・本019「黄色と赤色」

          前話 019 【ライ】 「ナスノさん、あの黄色い岩、見えます?」  首をそちらに向け、髪をかき上げ目を凝らします。 「あれに当てられますか」と僕は伝えました。 「???……理由はあとで伺いますよっと!」  いつもの如く長い脚を踏み出し身体を弓のようにしならせて投擲しました。  戦場では一瞬の遅れが命取り。セドさん同様、ナスノさんも熟知している様子です。  矢はその黄色い岩に命中。粉々に砕け散るや否やその周囲だけが、ドゴゴゴゴォォーーーという轟音とともに陥没していきます。

          小説:剣・弓・本019「黄色と赤色」

          小説:剣・弓・本018「急襲」

          【セド】  睡りの塔へ向かう俺たち。隊列としては前から俺、ネネ、そして少し距離を置いてライ、ナスノだ。もちろんライの提案による。  森林地帯(と言っても静かの森ほど密ではないが)を抜けると草原が広がっており、地平線の先にはうっすらと塔らしきものが見えてきた。 「おお、あれが睡りの塔ですね。なかなかに美しい姿ではありませんか。私たちを手招きしてくれているのかもしれませんね。到着したらお土産を渡しましょうか」  ナスノはいつも通り滑稽なことを口走っている。 「………………」  

          小説:剣・弓・本018「急襲」