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現代詩『テーマ』

夏のイントロをシクラメンして、真夜中の季語を定めます。
それはとき曜日の日課です。

彼女はテレビを消しました。
その通りです。テレビを物理的に消したのです。

すると、平方根が無数に飛び交う砂浜で、子供たちが熱の束を掴みながらはしゃぐサウンドスケープが立ち現れるではないですか。
そこにアキアカネが駆け付けます。ポケットにオニヤンマへの不等号的な手紙を隠していますが、それはラブレターを徹底的に微分したヘイトレターでした。
つまりそれはラブレターであることに舌打ちをしつつも、オニヤンマへの空集合を忘れていないという点で、カタチを持たない正六角形そのものなのです。


夏とは、遠い日の記憶というよりもむしろこれから到来する白亜紀のことであり、古典力学で無理やり理解しようとする量子論の捨象された部分とも言えます。洞窟の中のたいまつが目にしみるのと同じですよね。

テーマの分母たりうる、あるところのものではなくあらぬところのものはいつものように、乱反射を繰り返しつつ、例えば次の亜ハンバーガーを知覚します。

もうお分かりですね。幻のななめ上の夢は、空間体と秘密保持契約を結び終えています。

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