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小説:剣・弓・本016「ライの手紙」
【ライ】
のどかな一日でした。
僕は宿から出ず、読みかけの『応用地質学(下)』を読み耽ることができました。セドさん、ネネさんは剣の稽古。そして、ナスノさんは散歩に出ていたようです。
今夜も記術します。先生に届くといいな。
……星になった先生に……
今日の話し合いにより、次の目的地は『睡りの塔』に決まりました。ダンジョン内の地図が隠されているとのことです。さてと明日に備えて早く寝な
小説:剣・弓・本014「交換条件」
【ライ】
「おはよう! ってか腹減ったなー。あ、もう昼か」
セドさんが入室してきました。ボサボサの髪を掻きむしっています。
「セドさん、安静にしてないと……」
「なあ、ライ、やっぱり採れたての薬草は効くなー。この通りだ」
と言って包帯を引き剥がします。オトスイにつけられた裂傷の跡こそ残っているものの、出血はもうありません。確かに乾燥薬草よりは効能がありますが、それにしてもおかしいです。昨日あ
小説:剣・弓・本013「隠者」
【セド】
陽の光が俺の瞼を叩く。眩しい。体をベッドに横たわらせたまま、目は窓外にやる。太陽がかなり高い。こりゃ昼だな。だいぶ眠っちまったらしい。
それにしてもライの生薬草は効くなー。何せ採れたてだもんな。どこでも売ってる乾燥薬草とは違う。包帯ももう要らねぇな。
ライ達の話し声が聞こえる。隣室にいるようだ。ベッドに横たわったまま寝たふりをして聞き耳を立てる。
ライ:「休息日としましょう。
小説:剣・弓・本012「二泊目」
【ナスノ】
今日という時間がまた消えます。今日の消失は明日の誕生を意味しますか? 本当に明日は来るのでしょうか?
夜とは日没後の闇ではなく、個人に与えられた黒いカーテンです。ひとりひとりにそれぞれの時間を与えてくれます。
この宿屋も二泊目ですね。さあ、振り返りの時間にしましょうか。今日を、詩という筆で書き留めておきましょう。
嗚呼、これもまた駄作ですね。またあなたに笑われてしまう。