虹猫学園高校ラクロス部のマネージャー、ミヤノクルミは図書館である本を手に取り、気になるところに目を走らせていた。
持つ、という言葉に意識が及んだ。フィンランド人留学生へルミの言葉を思い出す。
所有の概念そのものが日本人と違うのかなあ。
それにしても【黄色いユニコーン】って何だろう? そういう料理のメニュー名?
主人公のお兄さん、亡くなったみたいだけど、何があったんだろう?
それにこの『ゴルゴンゾーラは装備できません』ってタイトル、何だろう。よくロールプレイングゲームで、武器や防具以外のアイテムを装備しようとすると、こんなようなメッセージが出るけど、そのことかな。まあチーズは普通装備しないよね。
それともゴルゴンゾーラという名前の武具があるのだけれど、まだゲーム上の条件を満たしていないから装備できないだけかな?
クルミは思案に思案を重ね、その本を買うことにした。
買うってことは持つってことになるのか。
へルミの言い回しだと、この本はわたしの側にあるものになる、か。