「魔王だけど大好きなお姫様を守るために見習い兵士やらせていただく」第40話(#創作大賞2024/#ファンタジー小説部門)
第40話 カゼマルの脅威
「何か罠があるかもとは思ったけど、なんでこんなにたくさんの魔族の気配に気づかなかったんだろ」
危機感のない感じで、シャインが首を傾げる。
大柄な魔族が、手首に取り付けている腕輪をつかんで回すしぐさを見せた。
「おまえにはもう俺の正体がバレてるらしいから教えるが、あの魔族の腕につけられた腕輪だ。あの腕輪は魔族の力を抑えることができる代物なんだ」
「なーるほど。タロウ君の腕にもあるねぇ。でも、あんなものがあるなんて。これじゃあ人間の国に魔族が忍