元女斥候、巨獣の背中でスローライフ3話
#3
■ナランの回想
大きな木の根本、ボロボロの衣服で木に体を預けている子どものころのナラン。
やせ細った体躯、その瞳は虚ろで、だらりとヨダレを垂らしている。
周囲には、哀れそうに見ている大人達。
男A「家族をマンガスに殺されたか……」
男B「捨て置こう。激しい戦の最中だぞ」
男A「……羊の世話係が足りていなかっただろう」
やれやれ、と苦笑している男B。
無表情で話を聞いていないナラン。
N「親も兄弟も失ったナランを生かしたのは、縁もゆかりもない氏族。仕事と寝場所だ